ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。
今回は、海外から外国人を呼び寄せるために必要な、「在留資格認定証明書」を取得するための申請書の記入方法について解説します。在留資格認定証明書に関しては、こちらの記事で詳細を解説していますが、今回は申請書の具体的な記入方法に関して解説をしていきます。すべての在留資格に共通する、「在留資格認定証明書交付申請書」の前半部分(「別記第六号の三様式」)は、前回こちらの記事で解説をしています。今回は、それぞれの在留資格によって異なる後半部分のうち、書式N、主に就労系在留資格を取得する際に作成する申請書の書き方に関して解説をしていきます。
在留資格認定証明書交付申請書の書式Nに関して
在留資格認定書証明書交付申請書のNは、この申請書の前半部分である「別記第六号の三様式」に続けて作成をするものです。この書式は、「申請人等作成用」と、「所属機関等作成用」の2つのパートに分かれています。
「申請人等作成用」の部分に関しては、新規に日本に招聘する外国人の方に関する情報を記載することとなります。また、「所属機関等作成用」の部分に関しては、招聘する外国人の方を雇用する企業や受け入れ機関に関する情報を記載することになります。
書式Nの提出が必要な在留資格
書式Nの提出が必要な在留資格は、「高度人材1号(イ)(ロ)」、「研究」、「技能」、「技術・人文知識・国際業務」、「介護」、「特定活動(研究活動等)(46号)」になります。この書式Nは、主に企業に雇用されて勤務をすることが活動内容として想定されている在留資格の場合に作成するものであると言えます。
書式Nの具体的記入方法
申請人等作成用
このページに関しては、呼び寄せる外国人の方に関する情報を記入していきます。ひとつずつ具体的に見ていきましょう。
22)勤務先:来日後、勤務する予定の、
(1)会社名 ・ 支店・事業所名 (2)住所 (3)電話番号を記入
23)最終学歴:
(1)日本国内の学校(本邦)か、国外の学校(外国)かをチェック
(2)学位を持つ学校の種別をチェック
(3)卒業した学校名を記入
(4)卒業年月日を西暦で記入
24)専攻・専門分野:23番の最終学歴が、大学院博士課程から短期大学卒業の場合と、専門学校を選んだ場合で、選択する部分が違うので、チェックをする場合に注意してください。
25)情報処理技術者資格または試験合格の有無:情報処理に関する業務に従事する場合、その資格名、もしくは試験名を記入してください。
26)職歴(外国におけるものも含む):申請書には「入社年月」「退社年月」「勤務先名称」が6つ書ける欄が設けてあります。転職歴が多い場合や、所属部署など詳細を記載したい場合に関しては、記入欄が不足して書ききらないことがあります。このような場合には、「別紙履歴書参照」と記載して、市販の履歴書を添付しても構いません。なお、履歴書に記載するものは、あくまでも職歴のみで十分であり、学歴や右側部分の趣味・特技などの情報は不要です。
27)申請人・法定代理人、法第7条の2第2項に規定する代理人
この欄に関しては、外国人を雇用する会社の担当者や受け入れ責任者の方に関する情報を記入します。(1)氏名、(2)本人との関係、これは、「雇用主」や「雇用会社採用担当者」等、本人との関係が明確に分かるように記入します。(3)住所・電話番号・携帯番号 を記入します。
そして、この書式の最後に、申請人(代理人)の署名と、申請書作成年月日を記入します。こちらは、直筆で署名をし、そして申請書作成年月日も直筆で記入することが求められています。
所属機関等作成用
ここからの部分は、外国人の方を雇用する企業の目線で記入をしていきます。派遣契約の場合は、所属する派遣会社(=派遣元、実際に仕事をする会社ではない)の情報を記入します。
1.契約または招へいする外国人の氏名:パスポートに記載された通りの氏名を記入します
2.契約の形態:雇用 / 委任 / 請負 / その他 のいずれかにチェック
3.所属機関等契約先:外国人の方を雇用する企業の情報を記入します。
(1)会社名、(2)13桁の法人番号、(3)支店・事業所名、(4)雇用保険適用事業者番号(5)業種:別紙の業種一覧から、主たる業種を1つと、ほかに業種があれば番号を記入してください。なお、他の業種に関しては、複数選択することも可能です。
(6)所在地、電話番号に関しては、勤務先の住所、電話番号を記入
(7)資本金、(8)直近年度の年間売上高、(9)従業員数
この3点に関しては、他に提出する決算書や会社案内パンフレットと齟齬が生じないように記入してください。また(9)の全従業員数の中の外国人職員数、技能実習生の数、に関しては、それぞれ雇用実績があれば記入してください。
4.研究室に関しては、「高度専門職1号イ」「研究」「特定活動36号」を申請し、研究室に所属する場合のみ記入してください。一般の就労系の在留資格の場合は記入は不要です。
5. 就労予定期間:雇用契約上、期間の定めのない契約の場合は、「定めなし」にチェックをします。契約期間が定められている場合には、その期間を記入します。
6.雇用開始(入社)年月日:おおよその予定日を記入します。
7.給与・報酬:税金などが引かれる前の金額を記入します。通勤交通費(通勤手当)や住宅手当等に関しては含めず、あくまでも給与・報酬の額面金額を記入してください。この金額が、月額なのか年額なのかもチェックをします。
★給与・報酬に関しては、「日本人が従事する場合と同等額以上の報酬をうけること」という規定があることから、外国人であることを理由に、もしくは正当な理由なく、同等の職務に従事する日本人 よりも低報酬である場合は、在留資格申請が不許可になる場合もあります。
★上記4~7に関しては、別紙で雇用契約書や内定書など、雇用条件が明記されている書類を提出しますので、これらの書類と申請書の記載内容に齟齬が生じないよう注意が必要です。
8. 実務経験:採用する外国人の方に実務経験がある場合は年数を記入してください。技能ビザを申請する場合、原則として10年以上の実務経験が求められていますので、これ以上の年数になるよう記入をしてください。
9.職務上の地位・役職:採用時に役職付きで採用をする場合は記入してください。一般社員・特に役職なしの場合は、「なし」にチェックをしてください。
10.職種:主たる職種を別紙の「職種一覧」から選択して番号で1つのみ記入をします。なお、「技・人・国」、「高度専門職」、「特定活動」で入国する方で、他にも職種があれば番号で記入 することもできます。この場合は複数選択が可能です。
11.活動内容詳細:この申請用紙には2行しか記載する場所がないため、通常、この場所には、別紙「雇用理由書」を参照、と記入し、詳細を雇用理由書に記載します。
派遣先等
12.派遣先等:採用する外国人の方が、人材派遣契約の場合や、勤務地が前述の「3」と異なる場合には、この11の項目を記入します。それ以外の場合は、「11」の(1)~(9)は記入不要です。
(1)名称、(2)13桁の法人番号、(3)支店・事業所名、(4)雇用保険適用事業者番、(5)業種:別紙の業種一覧から、主たる業種を1つと、ほかに業種があれば番号を記入してください。なお、他の業種に関しては、複数選択することも可能です。
(6)所在地、電話番号に関しては、実際に勤務をする場所の住所、電話番号を記入
(7)資本金 (8)直近年度の年間売上高
(9)派遣予定期間:派遣契約上、期間が決められている場合はその期間を記入します。
この書式の最後に、所属機関等契約先の名称・代表者の記名 / 申請書作成年月日を記入する欄があります。ここには、外国人の方を雇用する会社の会社名と代表者氏名を記入します。直筆の署名ではなく、パソコン入力の記名で結構です。申請書作成年月日は、書類作成日を入力します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「技術・人文知識・国際業務」、「高度専門職1号(イ)(ロ)」、「研究」、「介護」、「技能」、「特定活動(研究活動等)・46号」の、在留資格認定証明書交付申請書の後半部分の記載方法に関して解説をしてきました。後半部分のポイントは、「申請人の活動内容詳細」の記載となります。申請人の方の、職歴・学歴や専攻内容、履修科目と、企業に入社後の職務内容(活動内容)が一致、もしくは関連しており、かつこれらが、申請しようとしている在留資格に定められている活動内容の範囲内であることを、明確に、そして簡潔に、わかりやすく説明することが求められます。この部分の記載内容が、在留資格申請の許可/不許可を決める、非常に重要なポイントであることは間違いありません。この2行だけでは足りないことが多いので、「雇用理由書」を別紙で添付することが多いです。この「雇用理由書」の記載内容や方法に関しては、こちらの記事で解説をしていますので、作成前にぜひご確認ください。これ以外の部分に関しては、特別難しいことや考えなくてはならない部分は少なく、事実を正確に、包み隠さずありのままに記載をすればよい内容となっています。前半部分の記載方法は、こちらの記事からご確認ください。
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