ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。私は主に、ニセコ・札幌市内を中心に、北海道で生活をしている外国籍の方々の在留資格の申請、いわゆるビザの新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、留学中の学生が学校を中退して就職しようとした場合、「技術・人文知識・国際業務」(技人国)等の就労ビザに変更できるのか?について解説をしていきます。

代表的な就労ビザである、「技人国」に関して、学歴や職務内容など、申請人に関する要件の詳細は、こちらの記事でも解説をしています。また、変更許可申請の申請書の書き方は、こちらの記事で詳細を解説しています。併せてご確認ください。

中退した留学生が、就労ビザ(技人国)を申請する際のポイント

学校を中退した留学生が、就労ビザ、例えば技人国ビザに変更しようとした場合には、

①中退する学校以外で、すでに短期大学・大学以上の高等教育機関の学歴があるか?

②学校を中退して働く合理的な理由があるか? つまり「なんで働くの?」という質問にきちんと答えられるか?

③現在までの在留状況が良好で問題がないか?

の3点がポイントになります。これらがクリアできれば、技人国など就労ビザに変更できる可能性があります。ひとつずつ見ていきましょう。

学歴に関して

まず学歴に関して。留学生が日本に来る前、母国での学歴や経歴は様々です。日本で留学中の学校を中退しても、技人国ビザの申請要件となる学歴があると判断されるのは、

  • 来日前に母国で、短期大学・大学・大学院を卒業している場合
  • 来日後に、日本の専門学校、短期大学、大学、大学院を卒業している場合

となります。つまり、現在在籍中の学校を中退してしまっても、大学・短期大学、若しくは日本の専門学校以上の学歴がすでにある場合に関しては、学歴の要件を満たしていると言えます。

逆に、中退してしまうと学歴要件を満たすことができないのは、

  • 母国で高校か専門学校しか卒業しておらず、日本で専門学校・短大・大学に通っている場合
  • 母国で高校か専門学校しか卒業しておらず、日本で日本語学校を終了、その後大学・短大に通っている場合

です。この場合、最終学歴が、母国の高校、若しくは専門学校となってしまいます。また、注意しなければならないのは、日本語学校は、専門学校という扱いにはならないため、技人国ビザを申請する際の学歴要件を満たすことはできません。

なお、技人国ビザを申請する際の、学歴と専攻内容に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。

学校を中退する理由に関して

そもそも留学ビザを取得して来日している学生は、学校に通って勉強をすることを目的としてビザが発給されています。そのために必要な書類や、在学期間中に必要な生活費の証明も提出しています。それにもかかわらず、なぜ途中で退学をして働く必要があるのか?を、誰もが納得できる合理的な理由を申請書等で説明する必要があります。

例えば、すでに母国で大学を卒業していて、その専門分野に関連する会社からのスカウトを受けた場合等、前向きな理由で就職をするような場合は、比較的許可を得やすいと想定されます。逆に、学校を辞めざるを得ない理由や事情を、留学生本人が作り出してしまった結果の中退の場合は、就労ビザへの変更許可を得るのは難しいことが想定されます。例えば、一番多いのは、成績不良や出席不良で進級できず、留学ビザの更新が不可能になり、退学せざるを得なくなってしまった場合です。この場合には、「なぜ出席不良や成績不良になってしまったのか」を説明することになり、その中で「きちんと学校に行き授業に出席していたのか」を触れざるを得なくなります。そこで、きちんと出席をしていたならまだしも、学校にほとんど行っていなかったような場合には、「では、その時間に何をしていたのか?」の説明が必要になります。

在留状況が良好で問題ないか?

留学ビザでの在留状況に不適切な状況がある場合は、技人国ビザへの変更が許可されないケースが見られます。一番典型的な例は、中退して働かざるを得なくなった理由が、「成績不良や出席不良で進級できず、留学ビザが更新出来なかった場合」です。この成績不良や出席不良の原因が、授業に出席せず、アルバイトばかりやっていたようなケースです。ここで問題になるのは不法就労の一つでもあるオーバーワークです。留学生は、資格外活動許可を取得すれば、週28時間を上限にアルバイトができますが、バイト先を2つ、3つ掛け持ちすることで、週28時間を超えてアルバイトをしてしまう学生もいます。そうなると、学校に行ける時間は物理的になくなってしまうことから、出席不良や成績不良での退学の原因になります。

では、外国人留学生が週28時間以上働いていたことは、どのように発覚してしまうのでしょうか? 例えば、就労ビザへの変更のために、申請書類一式を提出して審査を受けるのですが、その中で、ま「年間の所得を証明する資料」として、「住民税課税証明書」「住民税納税証明書」の提出を求められます。これには、1年間の総所得額と住民税額が書かれています。この1年間の総所得額を、週28時間×52週で割ると、1時間当たりの時給が算出されます。これが、一般的なアルバイトの時給の範囲内、例えば、1,000円~1,500円程度であれば、週28時間以上働いているという疑われないはずです。しかし、この金額が5,000円とか10,000円以上といった、どう考えても一般的なアルバイトの時給を超えている場合には、28時間以上働いているのではないか? もしくは、時給単価の極端に高い風俗営業など、いかがわしい仕事をしていたのではないか?と疑われます。そして更に、「すべてのアルバイト先の給与明細書」、または、「総労働時間のわかる賃金台帳」のコピーを提出するように指示してくることがあります。これらの書類によって、申請人が実際に何時間働いていたのかがわかってしまいます。さらに、勤務先の名前からは、風俗営業や風俗店など資格外活動許可で認められないお店や仕事内容をやっていたこともわかってしまいます。

まとめ

このように、学校を中退する理由によっては、不法就労発覚につながるケースもありますので、出入国在留管理庁の審査官は、学校を中退して就労ビザの取得を希望する申請に関しては、審査が厳しくなる傾向があるようです。このようなケースで許可を得るためには、学校を中退してまでも就職をする合理的な理由と、現在までの在留状況が良好で不法就労や違法状態がないことを、申請書類や追加の添付書類を提出することによって、明確に証明をしていくことが必要になります。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、就労ビザ取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。

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