ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、海外から外国人を呼び寄せるために必要な、「在留資格認定証明書」を取得するための申請書の記入方法について解説します。在留資格認定証明書に関しては、こちらの記事で詳細を解説していますが、今回は申請書の具体的な記入方法に関して解説をしていきます。

はじめに;在留資格認定証明書交付申請書に関して

海外に住んでいる外国人の方が、何らかの在留資格(ビザ)を取得して中長期間にわたって日本に在留することを希望する場合には、まずは在留資格認定証明書を取得します。この証明書の発行は、日本国内にある出入国在留管理庁に申請します。その際に使用するのが、「在留資格認定書交付申請書」となります。この申請書の1枚目は、すべての在留資格に共通しています。そして、3枚目以降の後半部分は、それぞれの在留資格によって異なっています。ちなみに、後半部分は、

I:「教授」、「教育」 / J:「芸術」、「文化活動」 / K:「宗教」

L:「報道」、「企業内転勤」 /  M:「経営・管理」、「高度専門職1号ハ」

N:「技術・人文知識・国際業務」、「技能」、「特定活動46号」、「高度専門職1号イ・ロ」、「研究」、「介護」

V:「特定技能」 / O:「興行」 / Y:「技能実習」 / P:「留学」 / Q:「研修」

R:「家族滞在」 / T:「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」

U:上記以外の目的

といった具合に、14種類の書式があり、取得を希望する在留資格に併せた書式に記入することが求められています。今回は、全ての在留資格に共通する、前半部分の「別記第六号の三様式」の記載のポイントを解説していきます。

具体的な記入方法

ここからは、この申請書の記入方法のポイントを解説していきます。

まず、記入にあたっての大前提として、嘘偽りなく正確に記載をすること。また、不都合なことや不利益なことを隠すために、あえて記載しないということは絶対に避けて、質問書で聞かれている事実を、あるがままに正確に記載してください。申請書の脚注には、「申請書に事実に反する記載をしたことが判明した場合には、不利益な扱いを受けることがあります」という記載があるように、審査に通常よりも時間がかかったり、申請が不許可になる可能性もありますので、注意が必要です。

【別記第六号の三様式】

0)写真:縦4センチメートル,横3センチメートル

申請人本人のみが撮影されたもの。縁を除いた部分の寸法が,左記図画面の各寸法を満たしたもの(顔の寸法は,頭頂部(髪を含む。)からあご先まで)

無帽で正面を向いたもの

背景 (影を含む。)がないもの

鮮明であるもの

提出の日前3か月以内に撮影されたもの

裏面に氏名が記載されたもの

写真だけでもこれだけの細かい規定があります。写真館で詳細をお伝えしたうえで撮影をしてもらえば間違いないと思われます。もしくは、スマホで撮影をして、コンビニプリントなどで印刷する方法でも構いません。その際には、印刷時のサイズ・余白設定の際には上記の数値を意識して、大きすぎ・小さすぎなどが無いようにしてください。

何よりも大事なのは、古い写真の使いまわしをしないことです。パスポートと同じ写真や、その他写真とも整合性がないくらい古いと思われるような写真の場合、窓口で書類を受理してもらえない可能性もあります。たかが写真と思わず、しっかりと準備をしてください。

1)国籍・地域:正式名称で記入をしてください。

中国は「中華人民共和国」、アメリカは「アメリカ合衆国」、ベトナムは「ベトナム社会主義共和国」など、通常略称で呼ばれている国に関しては注意が必要です。自信のない方は正式名称を調べてから記入しましょう。

2)生年月日:西暦で記入します

3)氏名:苗字(Family name)、名前(Given Name)の順番で、パスポートに記入されている、ローマ字表記で記入します。名前を最初に書く欧米圏の方の場合、順番を間違えないように注意が必要です。なお、漢字も併記されている場合には、漢字も併せて記入をします。

4)性別:パスポートに記載されている性別を記入します

5)出生地:国名と都市名を記入します。

6)配偶者の有無:正式な婚姻関係のある配偶者の有無をチェックします

7)職業:在住国での職業がある方は記入します。就労系の在留資格で、実務経験が求められるような場合は、在留資格の要件に適った書き方をするのがポイントです。

8)本国における居住地:国名と都市名を記入します。詳細な住所、番地までは記載不要です

9)日本における連絡先:在日身元保証人の方の住所、電話番号、携帯電話番号を記入します

就労系の在留資格を取得する場合には、雇用主の会社の住所や電話番号にすることが多いです

10)旅券:(1)パスポートの番号 (2)有効期限を西暦で記入

11) 入国目的:取得したい在留資格の1つのみにチェックをしてください

12)入国予定年月日

西暦で記入。正確な日時を決めていない場合はだいたいでよい。ただし、在留資格認定証明書交付の後、母国でビザ申請を行い、ビザが発給されてから渡航となります。入国予定日は、在留資格認定書交付申請か2か月以後の方が現実的でよいと思われます。

13)上陸予定地

これも飛行機のチケットを取得する前の場合は、予定で構いません。日本に到着し、入国審査を受ける予定の空港もしくは港の名前を記入します。

14)滞在予定期間:

具体的な期間が決まっていて、更新をせずに帰国する場合は、その期間(年数)を記入します。更新をして延長する可能性がある場合は「長期」と記入。就労系の在留資格の場合は、労働契約書や雇用条件通知書に記載されている契約期間と合わせても良い。なお、この欄に「1年」と記入した場合、1年間以上の在留期間が与えられることはありません。一方、「3年」や「長期」と記入したからと言って、最初の申請で、在留期間が「3年」や「5年間」与えられることはほぼないと言えます。

15)同伴者の有無:申請人と一緒に入国をする同伴者の有無をチェックします

配偶者や子供を同伴し、家族滞在等の在留資格を取得する場合は、別途申請書を用意して一緒に申請を行います。

16)査証申請予定地

在留資格認定証明書の交付がされた後、申請人居住国の日本大使館もしくは総領事館で査証(ビザ)の申請を行うことになりますが、その申請を行う予定の場所(大使館もしくは総領事館のある都市名)を記入します。

17) 過去の出入国歴

過去、日本への出入国歴の有無をチェックします。出入国歴のある方は、過去何回入国したことがあるかの回数と、一番直近の入国日と出国日の年月日を記入してください。これは、パスポートの出入国スタンプの日付を確認して正確な日付を記入してください。

18) 過去の在留資格認定証明書交付申請歴

いままでに在留資格認定証交付申請をしたことがある方は、その有無をチェックして、申請の回数を記入してください。さらに、申請が不許可になったことがある方はその回数を記入してください。

19) 犯罪を理由とする処分を受けたことの有無 (日本国外におけるものを含む。)

  ※交通違反等による処分を含む。:処分の有無をチェックし、有の方はその詳細を記入。

20)退去強制または出国命令による出国の有無

このような出国歴の有無をチェックします。「有」の方に関しては、その回数と、直近の送還の年月日を記入してください。

★17)~20)に関しては、出入国在留管理庁は、データベースを持っていて調べれば全て分かるにも関わらずあえて申請書に記入・申告させています。要は、嘘偽りなく事実を正確に申告しているか、虚偽の申請をしていないか、ということがチェックされているという前提で、この申請書を記入する必要があります。19)の日本国外での犯罪を理由とする処分の有無に関しても、たとえ、この申請書では隠して在留資格認定証明書が交付されたとしても、母国で査証(ビザ)の申請をした際、大使館/領事館の審査で犯罪歴が発覚し、査証が発給されないということもあります。これらの項目の事実に関しては、各国政府は把握していないことはない、ということを肝に銘じ正しい記入・申請をしてください。

21)在日親族及び同居者:

有無をチェックします。そして親族や同居者がいる場合は、「続柄」「氏名」「生年月日」「国籍・地域」「同居予定の有無」「勤務先名称・通学先名称」「在留カード番号/特別永住者証明書番号」を記入します。なお、同居予定の家族が多くて、この欄に記載しきれない場合は別紙を添付して、全てもれなく正確に記入してください。

★21)に関しても、出入国在留管理庁はデータベースで在日外国人の登録・管理を行っていることから、これを調べれば全て分かるにも関わらず、あえて申請書に記入・申告させています。これも、嘘偽りなく事実を正確に申告しているかがチェックされていると言えます。家族滞在や日本人の配偶者等の在留資格の申請においては、来日後同居ができる環境であるかも、許可に関わる重要な審査要件になってきますので、正確に記入するようにしてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?在留資格認定証明書交付申請書の前半部分の記載方法に関して解説をしてきました。この部分に関しては、特別難しいことや考えなくてはならない部分は少なく、事実を正確に、包み隠さずありのままに記載をすればよい内容となっています。パスポートを手元において、出入国歴などを確認しながら記載してみましょう。それぞれの在留資格によって異なる、この申請書の後半部分に関しては、別の記事で解説をしていきます。

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