ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。
近年の、日本社会のグローバル化に伴い、日本の企業で働く外国籍の方の数は増えています。外国籍の方が日本の職場で働き、出会いが増えれば、日本人従業員の方との社内恋愛・そして結婚をされる方も増えてきております。そんなわけで、当事務所では、国際結婚の手続き、日本人の配偶者等の在留資格(ビザ)の取得に関するお問い合わせも、たくさんいただいております。
今回は、「日本人の配偶者等」の在留資格を申請する際、住居はどうしたらよいか?について解説します。
はじめに
外国人配偶者が日本に住んでいる場合は、結婚の手続きも終わっているし、すでに同居している場合も多いと思われます。また、海外から外国人配偶者の方を呼び寄せる場合、これから新婚生活の住まいを探すという方もいるかもしれません。新婚生活で住む場所を決めるのは、楽しみな選択の一つともいえるでしょう。しかし、在留資格申請の必要書類には、住居に関して証明をするものも入っているため、気を付けなければならないこともあります。
申請に必要な住居に関する書類
「日本人の配偶者等」の在留資格を申請する際に、「住民票」が日本人側の必要書類として挙げられています。住民票には、その住所(家)に、どんな人が何人住んでいるかがわかります。住民票を提出するだけでは、家の広さや間取りはわからないのですが、その住民票に記載されている住居を、この夫婦が住むために利用できるということを証明するために、賃貸の場合は「賃貸借契約書」を、持ち家の場合は「登記事項証明書」を提出することになります。これらの書類によって、出入国在留管理庁の審査官には、住居としている予定している家(アパート)の広さや間取りも解かることになります。ご夫婦だけで住んでいる場合は、小さなワンルームのアパートで問題はありませんが、親兄弟や親族、ましてや友人と一緒に住んでいるという場合、さすがにワンルームや1LDKというわけには行かないですよね。例えば、皆さんの知り合いで最近結婚した友人の新居が、1LDKのアパートで両親と同居している、ということを聞いたら、「えぇ?なんで?」と思わない人はいないはずです。愛のある2人であれば、新婚当初は2人きりで楽しく幸せな生活を送りたいと思うのは自然なことでしょう。さらに、日本人同士でも、嫁姑問題は色々と面倒なのに、ましてや文化や生活習慣の違う、外国人のお嫁さんとそんなに狭い家で同居するなんて、どう考えて窮屈でうまくいかなそうですよね。出入国在留管理庁の審査官も同じように思うはずです。そして、このような狭い生活環境の悪い家じゃ、もしかしたら、そもそも同居して一緒に生活をしようなんて気は最初から無いのかも知れない、と考えるでしょう。最終的に、この二人は書面だけの実態を伴わない結婚、つまり、偽装結婚ではないか?という疑いが強まり、この申請は不許可になってしまいます。
同居者がいる場合はどうしたらよいか?
このような残念な結果にならないためにも、特に家族等の同居者がいる場合は、2人が同じ屋根の下で、同居して結婚生活を送ることができる最低限のスペースが確保されているか、客観的に解るような資料を添付すると良いでしょう。具体的には、新居の写真(玄関・リビング・台所・寝室)などを提出することで、2人が同居生活を送る環境が整っていることを証明することができます。この、新居の写真に関しては、出入国在留管理庁のホームページには必要書類としては記載されていませんが、同居の実態を証明する有効な証拠書類となりますので、提出できる方は追加資料として是非提出した方が良いと思われます。
夫婦の同居は必要?
出入国在留管理庁の審査官は、「日本人の配偶者等」の在留資格の審査をするにあたって、特に「同居」に拘っているように思われます。もちろん、日本人の大多数の夫婦は、同じ家で同居して生活をしている人たちがほとんどかと思われます。しかし、働き方が多様化している今日においては、例えば単身赴任で夫婦が別の場所に住んでいたり、老親の介護のために夫婦のどちらかが一時的に実家に戻ることで別居をしていたり、週末婚であったり、と夫婦の生活形態は昔に比べると多様化していると思われます。しかし、この在留資格の審査に当たっては、別居=結婚の実態がない=偽装結婚、という画一的な構図で判断されてしまうため、別居状態での新規申請や更新に関しては、審査上、非常に不利な扱いをされることが多いです。それ故に、夫婦2人が同居していること、そして、同居できる環境が用意されていることを、申請書類でしっかりと証明をする必要があります。
別居生活を余儀なくされた場合は?
結婚後、単身赴任の辞令が出るなど、夫婦どちらかの仕事の都合で、別居してしまった状態で、タイミング悪く在留資格の更新時期が来てしまうこともあるかと思われます。その場合は、別居の理由を合理的、客観的に説明できないと、せっかく取得した在留資格が、更新時に不許可になってしまう可能性があります。ただ、別居の理由を「夫が仕事で単身赴任になったから」とすれば、「どうして一緒についていかないのか?」 と突っ込まれるでしょう。妻の方が仕事や育児が理由で、現在の住居を離れられない事情があれば、そのことに関して、審査官が納得できるような詳しい説明を求められます。
まぁ、好きでもない大人の男女であれば、同じ家で毎日顔を合わせて生活するのは苦痛ですから、偽装結婚の表面上の一番解かりやすい形は、夫婦の別居生活とも言えなくはないため、出入国在留管理庁の審査官が同居にこだわるのはわからなくもありません。それ故に、「日本人の配偶者等」の在留資格の新規申請や更新の際、夫婦の住居や同居状態にあるかどうかに関しては、審査官から偽装結婚の疑いをもたれないように、充分に注意し慎重に考える必要があります。
まとめ
ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて愛し合い、幸せな家庭を気づきたいと思うご夫婦を、全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、私たちは国際結婚できるの?といった条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。