ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。

私は主に、北海道の宿泊業や観光業で働く、外国籍従業員の方の在留許可申請、いわゆる就労ビザの、新規取得や更新手続きのお手伝いを行っています。近年の、日本社会のグローバル化に伴い、日本の企業で働く外国籍の方の数は増えています。外国籍の方が日本の職場で働き、出会いが増えれば、日本人従業員の方との社内恋愛・そして結婚をされる方も増えてきております。そんなわけで、当事務所では、国際結婚の手続き、「日本人の配偶者等」の在留資格(ビザ)の取得に関するお問い合わせも、たくさんいただいております。

今回は、「日本人の配偶者等」の在留資格を取得する際の身元保証人について解説します。

「日本人の配偶者等」と身元保証人

日本国外から外国人の配偶者を呼び寄せる場合でも、日本に住んでいる外国人の方が日本人の配偶者等のビザを申請する場合、そして、日本人の配偶者等のビザを更新する場合、いずれの場合においても、申請書には「身元保証人」という言葉が何度も出てきますし、身元保証書の提出も必要とされます。

身元保証書でなにを保証するのか?

まず、身元保証人は、身元保証書で何を保証するかを見ていきましょう。出入国在留管理庁のホームページからもダウンロードできる身元保証書の書式には、

「上記の者(外国人配偶者)の本邦在留に関し、下記の事項について保証いたします。

 1.滞在費  2.帰国旅費  3.法令の遵守  

上記の通り相違ありません。」 

と記載されています。非常にシンプルですね。外国人配偶者が日本に居る間、滞在費を保証し、日本の法律を守って生活をすることを保証し、そして、帰国する際にはその旅費を保証する」という3点になります。ここでは身元「保証人」という言葉が使われていますが、一般的に民法で定められている、お金を借りたときの保証人や連帯保証人とはまったく意味が異なるものです。つまり、外国人配偶者の滞在費や帰国費用が払えなくなった際に、身元保証人が本人に代わって支払う義務を負ったり、外国人配偶者が法律違反を犯したときに、身元保証人が連帯責任で罰せられたりということは一切ありません。あくまでも、道義的な責任において保証するというレベルのものです。よって、「日本人の配偶者等」の在留資格申請では、まずは、日本人の配偶者が身元保証人になります。この身元保証人の名前を申請書に記入をし、そしてこの方が、身元保証書に記名捺印をします。

身元保証人と扶養関係

特に海外から外国人配偶者を呼び寄せる場合や、すでに日本に外国人配偶者がいる場合でも、現在のビザの制限によって仕事をすることができない場合には、身元保証人が外国人配偶者を扶養し、結婚生活を維持するための安定したある程度の額以上の収入や経済的な基盤がないと、身元保証人の要件としては不十分だということになります。例えば、日本人配偶者がビザを申請するタイミングで、年金生活者だったり、病気療養のために休職中だったり、失業中で無職だったりというケースがあります。そのような場合、給与所得のような収入はなかったとしても、例えば、不動産投資をしており定期的な家賃収入がある、株式の配当金が十分にある、預貯金が数千万円ある、ということであれば、結婚生活を維持するための経済的基盤がしっかりしていると認められることがあります。

しかし、定期的な収入や、経済的な基盤が十分でない場合は、どうしたらよいのでしょうか?

身元保証人はひとりだけ?

身元保証人は日本人配偶者だけでなく、複数人に依頼することで、保証を大きくすることができます。例えば、日本人配偶者の親が、まだ現役で仕事をしていて定期的な収入がある場合には、その方に身元保証人になってもらうことで、経済的基盤の証明をクリアすることができます。この場合、実親でなくても、兄弟であっても構いません。日本人の配偶者以外を身元保証人にする場合は、その方の給与明細や、住民税の納税(課税)証明書だったり、会社経営者であれば、法人の損益計算書や確定申告書を提出したりすることで、夫婦の生活をサポートできるだけの経済的な基盤があることを証明します。

身元保証人の収入はどのくらい必要なのか?

日本人の配偶者や身元保証人の収入は、いったいどの程度あったらよいのかということをよく質問されますが、これは、それぞれの夫婦によって生活に必要な金額は異なりますので、一概にいくら以上、ということは言えませんし、出入国い在留管理庁のホームページにも基準額は書かれていません。例えば、持ち家のご夫婦は、毎月の家賃の支払いがない分、賃貸に住んでいる方に比べると生活費は少なくて済みます。また、子供等、扶養者の有無や数によっても生活費は変わってくるというのはお分かりいただけるかと思われます。

身元保証人の収入や経済基盤はどのように証明するのか?

経済的な基盤を証明するものとして、給与明細などのほかに、銀行の残高証明書や銀行の通帳のコピーを、経済的な基盤の証明として提出することがあります。入国管理局のホームページには、残高証明書、通帳のコピーどちらが良いということは書かれていませんが、通帳のコピーを提出することをお勧めしています。お金の動きがわかってしまい恥ずかしいという方もいますが、これが隠すことができない実際のお金の動きとして非常に信ぴょう性があります。逆に、残高証明書の場合は、カードローンや友達などから借りるなど、どこかからお金を調達してきて一時的に残高を増やして、その時に残高証明書を取れば、預金額が多い証明書を作成することができます。しかし、出入国在留管理庁の審査官が、給与明細や課税証明書など、様々な書類を総合的に判断すれば、その残高の額が妥当性のあるものか一発で見抜いてしまいます。わかりやすい例としては、例えば、月収20万円、勤続5年の普通の会社員の方が、1千万円の貯金があるということを知ったら、「その収入で、そんなに短期間でどうやって貯金したのか!?」と誰もが知りたがると思いませんか?審査官は、「変だなぁ、怪しい」と思ったら、審査期間中に追加書類の提出を求めてきます。そこで、通帳のコピーの提出を求められたときに、不自然なお金の動きがあれば、このお金はどこから来たのか?と新たな疑問が生じ、不信感は更に大きくなってしまいます。少しでも審査官の印象をよくするために、体裁よく見せようという思いでやったことが、却って仇になることもありますので十分注意する必要があります。

まとめ

いかがでしょうしたでしょうか。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて愛し合い、幸せな家庭を気づきたいと思うご夫婦を、全力で応援し、サポートします。

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