ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。今回は、配偶者ビザの申請の際に提出する、「申請理由書」には何を書いたらよいか、について解説をしてきます。

申請理由書とは?

日本人と結婚をした外国人が、配偶者として日本で生活をする場合に、「日本人の配偶者等」のビザを取得します。その申請の際に、「申請理由書」を提出することがあります。しかし、出入国在留管理庁のホームページの提出書類一覧には「申請理由書」はありません。つまり絶対に出さないと申請を受け付けてくれないという、必須書類ではないのです。ただし、実務上で私の事務所では100%と言っていいほど、必ず添付書類として提出しています。必須書類ではないので、書式や書かなければいけない内容が決まっているわけではありません。通常、作成時に記載をしている内容を、今回はご紹介していきたいと思います。

申請理由書を提出した方が良い理由は?

なぜ、必須書類ではない申請理由書を提出するか。その目的は、「結婚の信ぴょう性・継続性・安定性を証明し、偽装結婚ではない実態のある本当の結婚であることを説明すること」です。ホームページに書かれている提出書類の中には、「質問書」や「スナップ写真」、「夫婦間の交流が確認できる資料」を提出することになっています。これらの資料だけだと、十分に説明しきれないような事項を、この申請理由書に記載をして補足をします。特に、「質問書」の「結婚に至った経緯」の欄は、20行くらいの罫線があり、そこに記載をすることになっていますが、これだけでは書き足りないことがほとんどです。よって、結婚までの経緯を具体的に説明しつつ、結婚の信ぴょう性・継続性・安定性を証明できるような、以下の内容を記載していきます。

申請理由書に書く内容は?

①出会いから結婚までの経緯

これは、「質問書」にできるだけ詳しく書くように、と指示されている項目です。出会ってから入籍までの期間が短かかったご夫婦は、質問書の記入欄で足りるかもしれませんが、通常これ以上の分量になってしまいます。申請理由書を添付したと言っても、無制限にたくさん書くわけにはいかないので、ある程度ポイントを絞って書いていくことになります。その際に抑えておいた方が良いポイントは、「いつ・どこで・どのよう2人は出会ったのか」 「紹介者などはいたのか」 「どのようなきっかけでお付き合いが始まったのか」 「結婚を決めるきっかけ(プロポーズ)」の4点は、一連の流れの中で、具体的な日付を記載しながら具体的に記載していきます。

②入籍手続と結婚式に関して

プロポーズの後、どのように入籍手続をしたのか。そして結婚式はいつ・どこで・誰を呼んで実施したのか?をまとめます。結婚式は、通常、親や兄弟、親せきや友人を呼ぶことから、このような人たちに公表できるような結婚であること、つまり偽装結婚ではない本当の結婚であることを証明する一つのポイントとなります。なお、結婚式の集合写真などは、提出するスナップ写真の中に必ず入れておきたい写真の一つになります。

③結婚後の生活に関して

すでに両国で結婚手続きが正式に終了をしている場合、そこからビザ申請の現時点までの間、どのような生活をしてきたかを説明します。2人が両国で離れて暮らしているような場合、お互いの国を行き来した日時や回数、目的などを記載し、夫婦として実態のある交流があったことを証明する材料にします。特に、結婚手続きが終了後、何年もたった後に配偶者ビザを申請する場合や、海外で結婚後、そのまま生活を続けていて、2人で日本に移住をしてくるような場合は、この部分も丁寧に説明するとよいでしょう。逆に、入籍手続後すぐに配偶者ビザを取得するような場合は、この項目は以下⑤にまとめて記載してしまうこともあります。

④夫婦の仕事と年収に関して

これは、結婚の安定性を裏付けする重要なポイントになります。別途、必要書類の中で日本での滞在費用を証明する資料の提出が指示されていますが、これを補足するような内容を記載します。特に、仕事がまだ決まっていないような場合、どうやって生活費を捻出するのか、夫婦生活を維持していくだけの貯金や資産があるのかを説明することで、結婚の安定性を証明します。

⑤今後の生活に関して

今後、2人がどこで生活をして、どんな仕事をして生計を立てていくのかをまとめます。④で仕事や収入に関して記載ができる方や、既に日本で一緒に暮らしていて今の生活を継続していくような場合には、⑤は省略する場合もあります。通常、どんな家に暮らすのか、家賃はどの程度なのか、同居人はいるのか、といった生活環境のこと。そして生活費や今後の仕事の見通しなどを書いていきます。

まとめ~申請書の内容で何をアピールするのか?

配偶者ビザ申請時の「申請理由書」は、上記のような項目を踏まえて、だいたいA4用紙2枚程度にまとめていきます。その中でアピールするポイントは、「結婚の信ぴょう性・継続性・安定性」になります。配偶者ビザを申請する際の必須提出書類から、審査のポイントは①偽装結婚ではない本物の結婚かどうか、②生計を維持できるだけの収入や資産があるか、③今後も夫婦同居し結婚生活を継続できる状態にあるか、の3点ではないかと思われます。よって、これらのポイントを具体的に証明できるような記載内容と、これを補足するような添付書類を追加で提出していきます。これが、配偶者ビザの許可を得るための重要なポイントとなってきます。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて愛し合い、幸せな家庭を気づきたいと思うご夫婦を、全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、私たちは国際結婚できるの?といった条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。