ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、観光業・宿泊業等のサービス業界と、ビザ申請に特化した行政書士として、主に北海道のサービス業界で働く、外国籍従業員の方の在留許可申請、いわゆる就労ビザの、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、夫婦の年齢差が大きく10歳以上離れている場合や、どちらか一方の年齢が高い場合に、気を付けた方が良いことを解説していきます。

はじめに:日本人のいわゆる「普通」の結婚

近年、日本では晩婚化が進み、また、芸能人の歳の差婚なども話題になっており、結婚の在り方が多様化してきています。しかし、いわゆる普通の日本人同士のカップルの、一般的な結婚の傾向は、一昔前と比べても大きな変化はないと言えます。厚生労働省の2021度の調査によると、日本人の平均初婚年齢は、男性31.2歳、女性29.6歳というデータがあります。また、男性の既婚者は、20歳から40歳までの間に、約80%が結婚をしており、それ以外の年代では20%となっています。一方、女性の既婚者は34歳までの間に、約88%が結婚しており、40歳を過ぎるとその割合は極端に少なくなります。夫婦の年齢差を見ると、夫の年齢マイナス妻の年齢の平均は「2歳」となっていますが、夫が初婚で妻が再婚の場合の年齢差は「6.1」歳と大きくなる傾向があります。

いわゆる「普通」の結婚でない場合

たとえば、あなたの知人の50歳の男性が、20歳の女性と結婚したという報告を聞いた場合、あなたはどのような反応をするでしょうか? 「どこで知り合ったの?」 「どうして結婚することになったの?」 「相手のご両親の反応は?」と、色々と根掘り葉掘り聞いてみたくなる気持ちになるのではないでしょうか?そして、これが日本人と外国人のカップルだった場合、配偶者ビザの申請を出入国在留管理庁に提出するのですが、ビザの審査官はどのように感じるでしょうか?おそらく先ほどと同じような印象を持つのではないかと思われます。日本でのいわゆる「普通」の結婚像から外れている場合、本当の結婚なのか?の疑いが強くなります。つまり、お金や仕事をするためのビザを目的とした、形式的な結婚、いわゆる偽装結婚ではないか?という疑念を持たれ、残念ながら結婚の信ぴょう性が低いと判断されてしまう可能性が高いです。

どのように結婚の信ぴょう性を証明したらよいのか

では、このように年齢差のあるご夫婦が配偶者ビザを取得するためには、どうしたらよいでしょうか?「偽装結婚かも?」という先入観を与えず、審査官の疑念を晴らすために、特に重要なポイントとなるのは、「結婚の信ぴょう性」を証明する資料をどれだけ出せるか、ということです。つまり、この2人は本当に愛し合って結婚するんだ、ということを、写真や書類など、客観的な資料をより多く提出することで、しっかりと証明していく必要があります。

理由書の記載をていねいに

まずは、出入国在留管理庁に提出する「理由書」を、より具体的にていねいに記入すること。理由書の記載方法に関しては、別のコラムでも解説をしていますが、二人の出会いからプロポーズ、そして結婚に至るまでの過程を、よりリアルにイメージしやすいようにまとめます。そして、この記載内容の裏付けとなるような、写真などを添付することで補強し、結婚に至る経緯の信ぴょう性を高くしていきます。

スナップ写真は多めに

出入国在留管理庁のホームページに記載されている提出資料一覧には、写真は2-3枚程度と書かれていますが、それだけでは充分とは言えず、書類提出後に写真の追加提出を求められることが多いです。できれば、様々なシチュエーションの写真を20枚程度提出できると、信ぴょう性がより高くなるといえます。私の事務所でも、1回の申請で平均的に20枚程度は必ず提出しています。

お互いの通信・交流の記録を証拠に

さらに、お互いの通信・交流記録(Lineやメールの通信履歴)を、交際全期間中のものを充分に(月1・2通程度)を提出することで、夫婦が意思疎通をきちんとしていることを証明します。二人がどの言葉を使ってコミュニケーションを使っているか、質問書に書かれていることの裏付けにもなります。

信ぴょう性を証明する資料が少ない場合は

配偶者ビザを申請したいと思ったときに、写真や交信記録が少ないと感じる方もいらっしゃるはずです。その場合、まずはお互いに合う回数を増やすことです。ご夫婦が日本と外国に別々に住んでいる場合は、訪問回数を増やし一緒にいる時間を増やすこと。そして、お互いの両親や家族、友人などに紹介して一緒に写真を撮ることも、理由書に記載するイベントや、その証拠として提出できる写真を増やすという方法をとります。

また、離れた場所に住んでいる場合には、Lineでのやり取りや、国際電話の通話記録を提出することで、お互いが定期的にコミュニケーションをとり、離れていても意思疎通ができていることを示します。さらに、海外で生活する配偶者のための生活費の援助として、日本から送金をしている場合には、その海外送金の記録も資料として提出します。経済的支援もしているということは、夫婦の関係性を証明する有力な資料となります。

まとめ

これは私の実務に携わる中での感触ですが、ビザの審査においては、性善説ではなく性悪説がとられ、怪しいのではないか?という観点で提出書類などがチェックされているような感じがします。そのため、いわゆる日本の「普通の」結婚像から離れた夫婦・カップルの場合には、怪しい=偽装結婚ではないか?という先入観を持たれがちです。そのため、申請者側から開示できる情報は、ホームページの提出書類に記載されていないものでも、積極的に、そして数多く提出することで、実体ある本当の結婚であることを証明することが、許可を得るための重要なポイントになります。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて愛し合い、幸せな家庭を気づきたいと思うカップルを、全力で応援・サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、私たちは国際結婚できるの?といった条件面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。