ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、日本国内でビザを持って中長期間滞在している外国籍の方が、ビザ(在留資格)の更新をするために必要な、「在留期間更新許可申請書」の記入方法について解説します。在留期間更新許可申請に関しては、こちらの記事で詳細を解説していますが、今回は申請書の具体的な記入方法に関して解説をしていきます。すべての在留資格に共通する、「在留資格変更許可申請書」の前半部分(「別記第30号様式」)は、前回こちらの記事で解説をしています。今回は、それぞれの在留資格によって異なる後半部分のうち、書式P、「留学」のビザを更新する際に作成する、申請書の書き方に関して解説をしていきます。この書式は、日本語学校や大学等で学ぶ留学生が、ビザの更新(期間延長)をする場合に記入します。書類作成方法に不安のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

在留期間更新許可申請書の書式Pに関して

在留資格変更許可申請書のPは、この申請書の前半部分である「別記第30号様式」に続けて作成をするものです。この書式は、「申請人等作成用」と、「所属機関等作成用」の2つのパートに分かれています。

「申請人等作成用」の部分に関しては、留学生(申請人)に関する情報を記載します。また、「所属機関等作成用」の部分に関しては、在学中の学校に情報などを記入します。こちらは、留学生自身ではなく、在籍する学校が記入してくれる場合もあります。

書式Pの提出が必要な在留資格

書式Pの提出が必要な在留資格は、「留学」のみとなります。この書式Pは、主に大学や日本語学校などの教育機関で教育を受けることが、活動内容として想定されている在留資格が対象になります。

書式Pの具体的記入方法

ここからは、書式Pの記入方法を解説します。1ページ目「別記第30号様式」の記入方法はこちらの記事で解説しています。本記事では、後半部分の2ページ目以降を解説していきます。

◆申請人等作成用2ページ目

17.通学先

ここには、現在在籍している学校の(1)名前、(2)住所、(3)電話番号 を記入します。

更新際の添付書類として入管に提出する在学証明書に記載されている通り、学校名・住所・電話番号を記入してください。

以下、18と19は、

  現在持っている在留資格から、「留学」に変更する場合。

  別の学校に進学する場合(日本語学校を修了して、大学や専門学校に進学するなど)、

  別の学校に転学の場合(以前在籍していた学校を辞めて新しい学校に入学した場合)

に記入をします。それ以外の場合は空欄で結構です。

18.就学年数

小学校から、ご自身の最終学歴までの年数を記載します。出身国だけでなく日本での在学年数も併せて書きます。

19.最終学歴

(1)在籍状況 【 卒業 ・ 在学中 ・ 休学中 ・ 中退 】 から1つ選んでチェック

     そして、最終学歴の学校の種類 【 大学院 ~ 小学校 】から1つ選んでチェック

(2)学校名:卒業した学校名を記入

(3)卒業又は卒業見込年月:西暦で記入

以下、20は専修学校か各種学校に進学して、日本語以外を学ぶ場合に記入します。

20.日本語能力

【試験による証明】か、【日本語教育を受けた教育機関及び期間】のどちらかを選択します。

試験による証明の場合は、

(1)試験名:日本語の試験の名前を記入します

(2)級又は点数:取得した点数か合格した級を記入します

日本語教育を受けた教育機関及び期間を書く場合は

 ・機関名:日本語を勉強した学校や教育機関の名前

 ・期 間:在籍をしていた期間を、西暦で、開始年月から終了年月まで記入します。

以下、21は高等学校に在学して勉強する場合に記入します。

21.日本語学習歴)専攻・専門分野

日本語の教育、または日本語による教育を受けた教育機関及び期間を記入します

 ・機関名:日本語を勉強した学校や教育機関の名前

 ・期 間:在籍/学習していた期間を、西暦で、開始年月から終了年月まで記入します。

22.滞在費の支弁方法等

日本で滞在している間の全ての費用の調達方法を記載します。授業料・生活費・家賃など、日本で生活や学習をするために必要なお金を、どのように用意しているかがわかるように、負担者別に毎月の金額を記入します。また、費用を負担してくれる人が複数いる場合は、複数選択して、それぞれに金額を記入してください。

(1)支弁方法及び月平均支弁額:誰が負担しているかをチェックし、その金額を記載します。

本人 = 留学生本人が母国で貯めたお金、もしくは、日本にいる間にアルバイトをして稼ぐお金

  在外経費支弁者負担 = 海外(母国)にいる、両親や家族などが用意したお金を使う場合

在日経費支弁者負担 = 日本国内にいる、両親や家族などが用意したお金を使う場合

奨学金 = 奨学金が給付されていてこのお金を使う場合

(2)送金・携行の別

そのお金をどのように日本に持ち込んだかを明確にします。

外国からの携行 = 日本に入国した際に現金で持ち込んだ場合

この場合は、「だれが」「いつ頃」持ち込んだかを明確にするため、「携行者」と「携行時期」を記入します。

海外からの送金 = 銀行送金などで日本の銀行口座に振り込んだ場合

★【海外からの携行】を選んだ場合は、その時期は、パスポートの入国記録を確認し、間違いの内容に記載をしてください。また、持ち込み金額に関しても正確に記入します。日本入国時に100万円以上の現金を持ち込む場合は、犯罪防止等の理由で税関への届出が義務となっております。日本に現金を持ち込む場合だけでなく、母国から現金を持ち出す際にも、額によっては届出が義務付けられている国もあります。違反した場合には、刑罰を受けることとなり、これは日本の在留手続の審査にも影響を及ぼすこととなりますので、くれぐれもご注意ください

★【海外からの送金】を選んだ場合は、銀行通帳に入金記録が残ります。この記録と申請書の記載内容にズレが無い様、時期や金額は確認して正しく記入してください。

(3)経費支弁者

 日本での学費や生活費を準備してくれる人に関して記載します。この申請書には1名分しか記入欄はありませんが、複数人いる場合には、別紙を添付して必要事項を記入します。

◆申請人等作成用3ページ目

(4)申請人との関係

 留学生と経費を負担してくれる人の関係をチェックします。負担してくれる人が複数いる場合には、該当する項目すべてにチェックします。

(5)奨学金支給機関

(1)で奨学金を選んだ場合は、【外国政府 ・ 日本国政府 ・ 地方公共団体 ・ 公益社団法人又は公益財団法人 ・ その他】 の中から選択します。公益社団法人やその他を選んだ場合には、その名前を記入します。

23.資格外活動の有無

現在までに資格外活動許可を取得して、アルバイトなどを行っている場合に記載します。なお、アルバイト先が複数ある場合、同時に2か所以上の場所で働いている場合だけでなく、アルバイト先を変わっている場合に関しても、別紙を添付して、働いたことのある会社の情報全てを記入してください。

(1)内容:職務内容など資格外活動で行っていた活動内容詳細を記入

(2)勤務先名称:アルバイト先の会社名を記入

    電話番号:アルバイト先の電話番号

(3)週間稼働時間:1週間の勤務時間(通常時期)を記入

(4)報酬:お給料の金額を記入し、月額か日額かをチェック

★当然のことながら、資格外許可を取得してできるアルバイトでは、風俗営業関連の職務内容を行うことは出来ません。また、そのような事業を行っている会社でのアルバイトの場合は、不法就労を疑われる可能性がありますので、(1)の内容に関しては詳細を丁寧に記入します。週間稼働時間は、資格外活動で認められているのは、週28時間以内のるバイトですので、当然(3)が28時間以上という記載にはならないはずです。そして、(4)の報酬に関しても、1週間あたり28時間の勤務で稼げる程度の金額ですので、ここが月額20万円近い場合は、適切な職務内容かどうか、また、28時間以上勤務していないか疑いが持たれる可能性があります。

★資格外活動に関しては、入管も厳密に審査をしています。この申請書に嘘の記載をしても、銀行通帳のコピーから正確な給与額はわかります。また、時間数に関しても、勤務先の賃金台帳の提出が求められることもあります。複数の会社でアルバイトをしている人が1か所の所得しか記載しなかった場合でも、課税証明書や納税証明書を提出することによって、所得総額がわかります。申請書の記入内容と大きな差がある場合は、追加書類の提出によって事実がわかってしまいます。オーバーワークや資格外活動違反の履歴は消したり隠すことは出来ませんので、そのような事実のある方は、隠さず嘘を記入せず事実を記載してください。

24.卒業後の予定資格外活動の有無

この申請時点での考えをチェックします。後々変わっても構いません。

22)代理人(法定代理人による申請の場合に記入)

この欄に関しては、代理人が申請する場合に記入します。小学校~高校までに留学する、未成年の申請人の場合は、法定代理人が署名をすることもあります。日本語学校や大学などの留学生で、在留期間更新許可申請の場合は、すでに申請人の外国人の方は日本に居住していますので、代理人ではなく本人が申請人になることが多いです。このような場合は、この欄は記入なしで結構です。

そして、この書式の最後に、申請人(法定代理人)の署名と、申請書作成年月日を記入します。こちらは、直筆で署名をし、そして申請書作成年月日も直筆で記入することが求められています。

所属機関等作成用の3ページ・4ページ目

所属機関等作成用の書類は、大学や日本語学校など、在籍している教育機関が記入・捺印をしてくれる学校が多いようです。ご自身で作成する前に、学校の留学担当の先生などに、この2枚の作成をどうしたらよいか確認してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「留学」の、在留期間更新許可申請書の後半部分の記載方法に関して解説をしてきました。後半部分のポイントは、①「日本滞在期間中の経費をだれが負担するのか」、②「そのお金をどうやって準備したのか」、③「資格外活動に関して、勤務先・職務内容・勤務時間・収入を正しく記載したか」の3点になります。特に③に関しては、資格外活動違反のある方は、その事実を隠すために過少申告する場合もあります。しかし、虚偽の申請は入管も調べれば必ずわかりますので、必ず事実を正確に記載してください。在留資格変更許可申請書の前半部分に関しては、こちらの記事にまとめていますので併せてご確認ください。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、在留資格(ビザ)の更新手続の条件面、書類作成に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。