ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。
日本で仕事をする外国人の方で、滞在期間が長くなるにつれて結婚をして子供が生まれるなど、生活環境の変化に伴い、このまま日本で生活したいと感じる方もたくさんいらっしゃいます。外国籍の方が、在留資格の更新など煩雑な手続きをせずに、日本に居住する方法の一つとして、「日本国籍」の取得、いわゆる帰化をするという方法があります。帰化申請が許可になれば、国籍は日本人になるので、永続的に在留できるのはもちろんのこと、日本社会で生活をする上で様々なメリットがあります。しかし、永住やその他の在留資格の申請に比べると申請要件が厳しく、そして項目も多くなっています。その中でも、日本に引き続き居住していた期間に関する基準である「住居要件」が最長5年間と長く、これをクリアするのが難しい方も多い様です。さらに、この住居要件では、1年あたりの出国日数上限の目安が決まっており、これを超えてしまうと帰化申請が不許可になる可能性が高くなります。万が一、出国日数が多かった場合には、どのようにしたら良いかを解説していきます。
「帰化」の申請に必要な住居要件
法律では、帰化申請する場合、一般の外国人の方は「引き続き5年以上日本に住んでいること」と規定されています。但し、日本人の方と結婚している場合や、特別永住者の場合には短縮される例外がいくつかあります。たとえば、日本人との結婚生活が3年以上継続している場合は、日本での居住期間は「引き続き1年以上」でよいとされています。また、在日韓国朝鮮人の方に多い、特別永住者の方の場合は、日本での居住期間は「引き続き3年以上」でよいといった具合に、在留資格や日本人との婚姻関係によって、優遇されるケースもあります。なお、いずれの場合でも、「引き続き」という言葉がついています。ただ、入国から3年/5年間が経過すればよいということではなく、「引き続き居住していた」とみなされるためには、年間の出国日数の制限があります。では、どのような場合が、「引き続き」として扱われるのかを、次の項目で確認していきます。
年間の出国日数の上限は?
まずは、この「引き続き」の意味は、継続して日本に居住しているということになります。長期間にわたって日本を離れて出国していた場合には、継続して滞在していたことにならなくなってしまいます。その目安となる基準としては、
1)1回あたりの出国日数が、だいたい3か月(90日間)
2)1年の通算の出国日数の合計が、だいたい100日間
と言われており、これを越えなければ、「引き続き」日本に住んでいるとみなされます。
この目安となる基準を超えて出国してしまった場合は、今までの居住年数のカウントがその時点でリセットされてしまい、新たに、10年間や5年間、居住を続けないと帰化申請の要件を満たせないことになります。
出国日数の上限を超えていても許可になる可能性がある場合は?
万が一、上記1)2)の出国日数の上限を超えてしまった場合、例えば、年間150日程度の出国のある年度がある場合、原則として引き続き日本に居住しているとは認められなくなります。
期間申請の審査上、引き続き日本に居住しているとみなせない出国期間がある場合には、原則として申請が不許可になることが多いです。この出国が本人の理由ではなく、止むを得ない事由によることが証明できたとしても、長期間にわたる出国が事実としてある場合には、例外として許可される可能性は低いです。
出国日数の上限を超えている場合の対処方法
万が一、目安となる出国日数の上限を超えていることが判明した場合には、どのようにしたら良いでしょうか?
前述の、「1回あたりの90日間、年間通算100日間」というのは、過去の申請の実績からの、あくまでも目安となる指標となります。法務局のホームページなどでは、●●日以内といった明確な基準が示されているものではありません。よって、目安となる日数を若干超過しているような場合でしたら、事情を説明する理由書を作成して、添付書類として申請時に提出してすることも一策です。ただし、大幅に超過をしているような場合は、認められる可能性は残念ながら低いと考えといたほうが良いでしょう。
参考、在留資格「永住」申請との違い
在留資格「永住」を申請する場合も、帰化申請と同様に、年間の出国日数の上限となる目安があります。永住申請の場合は、業務出張など止むを得ない場合に限っては、目安となる出国日数を超えていても許可になる可能性があります。ここが帰化申請とは大きく異なるポイントとなります。
まとめ
帰化申請をする際、年間出国日数が多い場合には、不許可になるケースが多いため、毎年の出国日数に関しては、意識して確認するようにし、年間100日を超えない程度にコントロールしておく必要があります。この仕様となる日数を超えてしまうと、居住要件5年間のカウントはリセットされてしまい、再入国した時点から、再度5年間経過しないと、申請要件を満たせないということになってしまいます。年間の出国日数が100日を超えてしまっている方に関しては、申請前にまずは、ビザや在留資格を専門に扱う行政書士にお問い合わせをし、許可の可能性や対処方法に関してのアドバイスをもらうことをお勧めいたします。 行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として生きていこうとする、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、日本国籍取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せ