ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

日本で仕事をしている中で、滞在期間が長くなるにつれて結婚をして子供が生まれるなど、生活環境の変化に伴い、このまま日本で生活したいと感がる外国籍の方もたくさんいらっしゃいます。外国籍の方が、在留資格の更新など煩雑な手続きをせずに、日本に居住するために、帰化申請を行い「日本国籍」の取得をするという方法があります。本日は、夫婦同時に帰化申請を行うメリットについて解説します。

帰化申請は夫婦同時?

帰化申請は、夫婦同時、若しくは同居家族全員で一緒にしなくても構いません。そもそも国籍は、個人に与えられているため、夫婦が同一国籍でなくても、また、外国人の方の場合は、片方だけが日本人に変え、片方が外国籍のままであっても全く問題はありません。さらに、両親は帰化申請をして日本国籍を取得するけど、子供たちは自分たちで決断させたいから一緒に帰化申請をしないという夫婦もいます。つまり、ご家族やご夫婦の考え方で、帰化申請をする/市内を選択頂いても全く問題はありません。

夫婦同時に帰化申請をするメリット

では、帰化申請を夫妻同時に行うメリットはどのようなものがあるのでしょうか?それは、帰化申請の様々な要件に関して、同時申請をした夫婦の内、一人が要件を満たしていて帰化申請が認められる、すなわち日本人になった場合、その時点で、同時に申請していた配偶者は、「日本人の配偶者等」の扱いになります。よって、配偶者に関しての審査は、一般の外国人の方が帰化申請を行う際の「普通帰化」の要件ではなく、「簡易帰化」の要件で審査をされます。このことによって、一般の帰化よりも要件が大幅に緩和されることがあるのです。次からは、そのメリットを具体的に見ていきます。

夫婦同時に帰化申請をするメリット ①住居要件の緩和

一般の外国人の行う普通帰化の場合、日本での居住要件が、引き続き5年以上日本に居住していること、そして、そのうち3年以上就労系在留資格を持って働いていること、となっています。例えばご夫婦で期間申請をする場合、夫Aさんが、日本居住歴10年、就労歴8年だったとすると、その他の要件を満たしていれば、問題なく帰化申請は許可され日本国籍は取得できます。妻Bさんは、4年前に来日した大学4年生で、今回同時に帰化申請をすることとします。夫Aさんの申請が許可された場合、妻Bさんはその時点で「日本人の配偶者等」になることから、簡易帰化の要件で審査されます。この場合の住居要件は、引続き3年以上日本に居住していること、が適用されることから、居住期間の要件を満たすこととなります。更に、簡易帰化の場合には、居住期間中の就労系在留資格で合った期間を問われないため、日本での就労経験がない留学生の妻Bさんでも、帰化の要件を満たすこととなり、他の要件をすべて満たしていれば、帰化申請が許可になる可能性は非常に高くなります。

夫婦同時に帰化申請をするメリット ②生計要件の緩和 

普通帰化の場合には、申請人が生計を維持できる程度の収入、若しくは経済的基盤があることが要件となっています。(2)のケースでは、夫Aさんに関しては、もちろん毎月一定以上の収入があることを証明する必要があります。一方、妻Bさんに関しては、申請が認められたら、日本人夫Aさんの扶養状態になることから、妻Bさん単独で生計を維持できる程度の収入があることの証明を求められることはありません。

夫婦同時に申請をしても住居要件が緩和されない場合

ここで1点注意をしたいのは、夫婦同時に期間申請を行っても、簡易帰化としての扱いを受けず、要件が緩和されない場合があります。これは、過去、オーバーステイ(不法滞在)の経歴があり、在留特別許可を取得している場合です。このような方は、日本人の配偶者として帰化申請を行っても、簡易帰化の要件である、引続き3年以上日本に居住していること、の要件は適用されません。さらに、普通帰化の居住期間である、引続き5年以上も適用されることはなく、それよりも長く、在留特別許可を取得した日から10年経過しないと、帰化の申請が出来なくなっていることも、注意すべきポイントとなっています。

まとめ

外国人の方が日本国籍を取得しようと思う理由は様々で、事情や状況はそれぞれによって異なることが想定されます。さらに、夫婦だけでなく子供がいる家庭の場合は、子供の今後の人生も考えて、どちらの国籍を選択したほうが良いか、選択のタイミングはいつが良いのか等、色々と考えることが多いはずです。夫婦同時に帰化申請手続きを行えば、上記のように要件が緩和されるメリットはあります。また、法務局への提出書類に関しても、添付書類は夫婦共通のものが多いために、ご自身の取得作業の煩雑さが軽減されます。更に、書類作成や申請準備の手続を行政書士に依頼した場合、2人別々に申請を行うよりも手続料金が割安になるというメリットを用意している事務所も多いようです。ご夫婦でいずれ日本国籍を取得したいと考えられている場合には、こういった同時申請の要件緩和のメリットを考慮された上で、手続きのタイミングを検討されることをお勧めいたします。

行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として生きていこうとする、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、日本国籍取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。