ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。

北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。近年の、日本社会のグローバル化に伴い、日本の企業で働く外国籍の方の数は増えています。外国籍の方が日本の職場で働き、出会いが増えれば、日本人と結婚をされる方も増えてきております。そんなわけで、当事務所では、国際結婚の手続き、「日本人の配偶者等」の在留資格(ビザ)の取得に関するお問い合わせもいただいております。

今回は、夫婦2人が海外に住んでいる場合の、「日本人の配偶者等」のビザを申請する際の流れとポイントについて解説します。

夫婦2人が海外在住の場合、問題になるポイントは?

「日本人の配偶者等」のビザを申請する方は、通常、夫婦ともに日本に住んでいる方か、外国人配偶者が海外にいて日本に呼び寄せる方、の2パターンが多いのですが、最近、コロナ禍の影響かもしれませんが、夫婦2人が海外に住んでいて、日本に一緒に帰国するために外国人配偶者の方のビザを取得したい、というケースが増えてきています。

このような場合に問題になるのは、

A.日本での住居をどうするか?

B.結婚生活をしていくための収入、経済的基盤をどのように証明するか?

C.身元保証人をどうするか?

の3点になるかと思われます。

夫婦2人が海外在住の場合、配偶者ビザを申請する2つの方法

これらの解説をする前に、海外在住の夫婦が「日本人の配偶者等」のビザを取得する際には、大きく分けて2つの方法があります。

「日本人が先に日本に帰って、外国人配偶者を呼び寄せるという方法」

まず、1つ目の方法では、日本人配偶者が先に帰国をしたときに、住居を確保して住民票を取得出来れば、「A」の問題はクリアできます。これは、賃貸アパートを借りたり、両親や親族を同居するという方法も取れると思われます。そして、この場合は、日本人配偶者が身元保証人になるので、「C」に関してもクリアできます。

「日本人の親族が外国人配偶者を呼び寄せる形にして、2人一緒に入国をするという方法」

次に2つ目の方法では、日本人配偶者の実親が呼び寄せ元になるということで、身元保証人になってもらう必要があります。これで、「C」の問題に関してはクリアすることが出来ます。そして、実親は日本に住んでいるので、ここに同居する子ということであれば、「A」の住居の問題に関してもクリアできます。

実親を呼び寄せ人にする際の留意点

ここで1つ留意しなくてはならないのは、「日本人の配偶者等」のビザ申請にあたっては、出入国在留管理庁に提出をしなければならない書類が数多くあり、複数の役所を回って書類を集めるなど、煩雑な手続きがあります。既に実親が高齢者の場合、フットワーク軽く迅速に動けない場合や、逆に、現役世代で仕事が忙しくて書類収集の時間が取れない場合もあり、書類の準備に時間が掛かるということも想定されます。実親に身元保証人と呼び寄せを依頼する場合は、申請書類を提出するまでの時間を多く見込んだうえで、入国までの全体のスケジュールを余裕もって立てておくことをお勧めします。

身元保証人に関する留意点

身元保証人を選定するにあたって、注意をしなければならないのは、「B」の身元保証人に保証が出来るだけの経済的な基盤や収入があるかということです。

「日本人の配偶者等」のビザを申請する際の身元保証書の書式には

「上記の者(外国人配偶者)の本邦在留に関し、下記の事項について保証いたします。

 1.滞在費  2.帰国旅費  3.法令の遵守  

上記の通り相違ありません。」 

という内容になっています。あくまでも道義的な保証という意味で、代わりにその費用を払わなければならない、という義務はないのですが、収入や経済的な基盤がない場合は、そもそも身元保証人として十分な能力があると、審査官に判断してもらうことは難しくなります。

例えば、日本人配偶者の方が、海外での仕事を辞めて、無職の状態で帰国をするという場合は、日本で就職活動をして仕事を見つけるまでは、収入がゼロということになります。「仕事見つかるまでどうやって生活するの?」という疑問を、誰もが持つと思われ、審査官もこの点に関して明確な答えを知りたいはずです。例えば、海外の仕事で貯めた貯金が数百万あり当面の生活に困らない、ということであれば、預金通帳のコピーや残高証明を提出することで経済的な基盤を証明することが出来ます。また、既に帰国前に新たな仕事が決まっている場合に関しては、今後もらえる給与額が書かれている「内定証明書」や「雇用契約書」を提出することで、今後新たに定期的な収入が発生することを証明していきます。

一方、実親に身元保証人になってもらい、呼び寄せを行う場合では、実親はすでに高齢で定年退職をしており、無職で年金収入のみという場合があります。このような場合は、保証人として不十分という判断をされてしまうこともあります。預貯金や株式、土地建物など、資産性の高いものを保有しているのであれば、その証明を添付書類として提出することで、経済的な基盤を補強するということも可能です。もし、このようなものが全くない場合は、保証人を増やすことにより、保証を大きくすることができます。例えば、実親以外には、兄弟姉妹であっても構いません。兄弟姉妹であれば、日本人配偶者と同世代の可能性も高く、現役世代で働いていて収入がある方が多いと想定されます。身元保証人に関しては、その方の給与明細や、住民税の納税(課税)証明書だったり、会社経営者や個人事業主であれば、法人の損益計算書や確定申告書を提出したりすることで、夫婦の生活をサポートできるだけの経済的な基盤があることを証明します。

一般的に、身元保証人を依頼すると、借金などの保証人や連帯保証人をイメージされてしまい、断られてしまったということも良く聞かれますので、依頼をされる場合には、実際の身元保証書を準備するなどして、誤解のないように丁寧に説明をすることが必要となります。

まとめ

夫婦2人が海外在住で、日本人の配偶者ビザを取得しようとした場合、検討すべき順番としては、

①夫婦そろって入国するのか? 日本人が先に帰って外国人配偶者を呼び寄せるのか?

をまず決めたうえで、

②日本での住居をどうするか?

③生活を維持するための収入など、経済的基盤をどうするか?

④申請書に記載する身元保証人をどうするか?

という順番で検討していくこととなります。

日本人の方、そして身元保証人になる方の経済的な状況によって、最終的には①の入国形態が決まってくることになります。特に、夫婦2人そろって入国する場合には、書類収集や準備を第三者に依頼することになりますので、時間的な余裕をもって早めに取り掛かるか、ビザや国際結婚を専門に扱う、申請取次行政書士に依頼されることをお勧めします。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて愛し合い、幸せな家庭を気づきたいと思うご夫婦を、全力で応援し、サポートします。

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