ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、「技術・人文知識・国際業務」など、就労系の在留資格(ビザ)の更新をスムーズに行うために、普段の生活から心がけていたほうが良いポイントを解説していきます。この在留資格を取得したばかりの方、また、今回、初めての更新を迎える方はぜひご一読いただき、参考にしていただければ幸いです。

はじめに;就労系在留資格(就労ビザ)の更新に関して

「技術・人文知識・国際業務」や「技能」等、いわゆる、仕事をするための在留資格は、有効期限が定められています。通常、6月、1年、3年、5年間と決められており、最初の許可の場合は、1年が多いようです。有効期限内に更新手続きを完了しなければならないのですが、もし、1日でこの期限を過ぎてしまった場合は、オーバーステイ、つまり不法滞在となってしまいますので、外国人従業員の方も、雇い入れている企業の方も、在留資格の有効期限に関しては常に注意をし、オーバーステイにならないように管理をしていく必要があります。

就労系在留資格(就労ビザ)を更新する際の審査のポイント

就労系の在留資格を更新する際の審査において、重要なポイントだと思われることは、

①新規に在留資格を取得した時と、

 1)勤務先  2)職務内容  3)労働条件

 に変更が生じて、在留資格で定められた条件や活動内容と異なる状態になっていないか。

②申請人(外国人の方)の状況が変化したことで、在留資格を満たさなくなったり、日本社会で生活するうえで不適合な状況になっていないか?

の2点に関して審査が行われているようです。

では、それぞれの項目で、どのようなことに気を付けていればよいのでしょうか?

勤務先・職務内容・労働条件に関して

まずは、安易に転職をせずに、同じ会社で働き続けることが、就労系在留資格をスムーズに更新するためのポイントになります。通常、就労系の在留資格を更新する場合、「勤務先」「職務内容」「労働条件」の3点が変更になっていなければ、非常にスムーズに審査が行われます。なぜならば、これらの3つの条件は、新規に在留資格を取得した際に、すでに審査が行われていることから、同じ会社に勤務をしていて同じ職務内容を担当しているのであれば、この点に関しては問題なくクリアできるはずです。

では、転職をした場合はどうしたら良いでしょうか?

転職をした場合には、法律で定められた手続きを期限内に、速やかに行う必要があります。これに関しては、必ずしなければならない手続きが1つ、そして、できれば行った方が良い手続きが1つあります。

必ずしなければならない手続:「契約機関に関する変更手続」

この手続きは、活動機関からの離脱・移籍があったとき / 契約機関との契約の終了・新たな契約の締結があったとき、つまり、会社を辞めた時や、新たな会社に就職した場合には、14日以内に、出入国在留管理庁長官に届出ることは義務となっています。届出書の書式は、出入国在留管理庁のホームページからダウンロードすることができます。これを印刷して記入し、最寄りの出入国在留管理庁の窓口に書類を直接提出しても良いし、郵便で送っても、また、インターネット上でも手続きを完了させることができます。「在留資格変更許可申請」のように、申請書以外の添付書類などは必要ありません。

契約機関に関する変更手続が提出されていないことは、在留資格の更新時に発覚します。その場合は、審査の途中で、追加書類提出通知書により、この書類の未提出の理由説明や書類の追加提出などを求められます。更新の審査上、不利益な扱いを受ける可能性もあり、また、審査結果が出るまでの時間が長くかかることとなります。

よって、退職をしたら、まずは「契約機関に関する変更手続」を14日以内に必ず提出しましょう。

できれば行った方が良い手続:「就労資格証明書交付申請」

すでに在留資格を持っている中途採用予定の外国人の方が、その在留資格で転職後の職務内容を行う資格があるのか審査を受け、証明をしてもらうというものです。よって、中途採用時にこの手続きを行い、新しい会社での職務内容が在留資格に該当していることが証明された場合に関しては、在留資格の更新時は、比較的に簡易な審査となりますので、手続きがスムーズに進むことが多いです。なお、この「就労資格証明書交付申請」は義務ではないことから、転職時の行わない方も多いのは事実です。しかし、更新をスムーズに行うことができ、更に、不許可になるかもしれないというリスクを低減することができるので、転職時に就労資格証明書の交付申請を行うことをお勧めします。

申請人に関して;社会のルールや法律を守って、善良な市民生活を送っているか?

例えば、「技人国」の在留資格を取得する際の申請人の要件は、「学歴」もしくは「実務経験年数」が重要でした。これらの要素は、入社後変更になることはないため、在留資格の要件を満たさなくなったことを理由に、更新が不許可になるということは、通常ほとんどありません。

では、申請人に関しする理由で、更新が不許可になる理由としては、日本で暮らす上での基本的なルールや義務を守っていない場合は、審査上不利益な扱いを受けたり、不許可になる可能性があります。例えば、所得税・住民税等の税金の支払いといった、日本国民の義務とされていて外国人の方にも適用されることは、必ず履行するようにしてください。更新時の提出必須書類の中に、「住民税の課税証明書」「納税証明書」があるのですが、これらを提出することで、きちんと納税の義務を果たしているかどうかがわかってしまいます。日本に居住する許可を得る以上、日本人と同等に社会生活を送るためのルールや義務を守ることは最低限必要なこととして、在留資格更新の際に審査をされます。これ以外にも、交通違反で罰金を払うことになったり、警察に逮捕されるような犯罪行為を行ってしまうと、内容によっては、更新が不許可になるだけでなく、退去強制処分になる場合もあります。

まとめ

就労系在留資格の更新をスムーズに行うために気を付けるべきことを解説してきました。この在留資格に関しては、転職をせず、新規に取得した時から会社や職務内容が変わっていなければ、更新手続きは比較的容易に、スムーズに行うことができます。また、転職をした場合であっても、定められた手続きをきちんと行うことで、更新時に不許可になるリスクを減らすことができます。また、どの在留資格にも共通していますが、市民として日本社会のルールや法律を守り、しっかり義務を果たして生活することは、日本に中長期にわたって居住するうえでの大前提となっています。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて愛し合い、幸せな家庭を気づきたいと思うご夫婦を、全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、就労系在留資格の更新に関する条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。