ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、外国人の方が、永住者の在留資格(ビザ)を持つ外国人の方と結婚をした場合に、在留資格を「永住者の配偶者等」に変更できますが、その際の「在留資格変更許可申請書」の記入方法について解説します。在留資格変更許可申請に関しては、こちらの記事で詳細を解説していますが、今回は申請書の具体的な記入方法に関して解説をしていきます。すべての在留資格に共通する、「在留資格変更許可申請書」の前半部分(「別記第30号様式」)は、前回こちらの記事で解説をしています。今回は、それぞれの在留資格によって異なる後半部分のうち、書式T、主に身分系の在留資格と言われている、「永住者の配偶者等」の在留資格に変更する際に作成する、申請書の書き方に関して解説をしていきます。この書類は、「留学」や「技人国」等のビザを持っている方が、永住ビザを持つ外国人と結婚して、配偶者としての活動を希望する際、ビザの種類を変更するために提出するものとなります。

在留資格変更許可申請書の書式Tに関して

在留資格変更許可申請書のTは、この申請書の前半部分である「別記第30号様式」に続けて作成をするものです。この書式は、「申請人等作成用」の書類が2ページとなっています。この部分には、永住者の方と結婚をすることになった外国人配偶者の方に関する情報と、日本国内での扶養者や身元保証人に関する情報を記載することとなります。

書式Tの提出が必要な在留資格

書式Tの提出が必要な在留資格は、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の3種類になります。この書式Tは、主に結婚等による身分によって与えられる在留資格の場合に作成するものであると言えます。今回は、「永住者」の在留資格を持つ外国人の方と結婚をする外国人の方が、在留資格を変更する場合を想定して、書式Tの記入方法を解説していきます。

書式Tの具体的記入方法

書式Tは、申請人等作成用の書類2ページのみとなっています。項目をひとつずつ具体的に見ていきましょう。

申請人作成用 1枚目

17)身分または地位

ここでは、申請人ご自身がどのような身分、もしくは地位であるかを選択します。

「永住者の配偶者等」の在留資格を申請する場合には、

永住者・特別永住者の「配偶者」、「実子」、「未成年で未婚の実子」、「6歳未満の養子」のいずれかにチェックをすることとなります。永住者の方と結婚をした場合には、最初の「永住者・特別永住者の配偶者」にチェックをします。

18)配偶者については婚姻、子については出生または縁組の届出先、及び届出年月日

 (1)日本国届出先、(2)本国等届出先

ここでは、日本と外国人配偶者の出身国において、婚姻の届け出をした場所と年月日、もしくは出生届か養子縁組の届出をした場所と年月日を記入します。 

19)申請人の勤務先等

(1)勤務先の名前、と、支店・事業所名

(2)所在地、と、電話番号

(3)年収

技人国など就労系のビザからの変更の場合、まだ勤務先を退職していなければ、在籍している会社名を記入することになります。留学ビザからの変更や、既に会社を辞めている方は、(1)の欄に「なし」と必ず記入し、空欄のままにしないでください。

20)滞在費支弁方法

結婚後の生活費用をどのように賄う予定なのかを答えます。

(1)「支弁方法及び月平均支弁額」では、「誰が」負担するかをチェックし、その負担額が「いくら」なのか、金額を数字で記入します。

「誰が」に関しては、「本人負担」、「在外経費支弁者負担」、「在日経費支弁者負担」、

「身元保証人」、「その他」の中から選択してチェックをすることになります。

※日本人の方と結婚をする場合、相手の方が扶養者であり身元保証人となることが多いため、この欄は「身元保証人」にチェックをする方が多いと思われます。

(2)「送金・携行の別」では、そのお金を外国から送金をするのか、それとも外国から現金で持参するのかをチェックします。「在日経費支弁者負担」や「身元保証人」にチェックをした場合はこの欄の記入は不要です。

また、特に(1)で「本人負担」か「在外経費支弁者負担」を選んだ場合は、そのお金をどのように日本に持ち込むのかを答える必要があります。外国から現金で持参する場合には、「いくら」、「だれが」、「いつ」持参するのかを記入する必要があります。

★日本入国時に100万円以上の現金を持ち込む場合は、犯罪防止等の理由で税関への届出が義務となっております。日本に現金を持ち込む場合だけでなく、母国から現金を持ち出す際にも、額によっては届出が義務付けられている国もあります。違反した場合には、刑罰を受けることとなり、これは日本の在留手続の震災にも影響を及ぼすこととなりますので、くれぐれもご注意ください。

(3)「経費支弁者」では、生活費用を負担する人が具体的に誰なのかを記入します。

①氏名、②住所、電話番号、③職業(勤務先名称)、勤務先電話番号、④年収

を記入することで、本当に(1)で記入した月平均の生活費用を負担できるかが確認されます。なお、この欄は、次の21)の扶養者と同一の場合は記載不要です。扶養者以外の人が負担をする場合        に、その詳細を記入することとなります。

申請人作成用 2枚目

後半部分の2ページ目になります。

21)扶養者(申請人が扶養を受ける場合に記入)

「永住者の配偶者等」の在留資格では、永住者の方と同居して扶養を受けることが前提となっています。この項目には具体的に扶養をする人の詳細を記入することとなります。なお、通常、この21)に記載する扶養者が、日本国内における身元保証人になることから、20)の(1)は「身元保証人」にチェックが付くことがほとんどです。

(1)氏名、(2)生年月日、(3)国籍・地域、(4)在留カード番号/特別永住者証明書番号

(5) 在留資格、(6)在留期間、(7)在留期間の満了年月日

(8)申請人との関係(続柄):該当するものをチェック

(9)勤務先名称、支店や事業所があれば併せて記入

(10)勤務先所在地・電話番号を記入

(11)年収:20)の(1)で記載した毎月の生活費の支払い能力があるかを確認されます。

※なお、永住者の配偶者で扶養者がいる場合は、扶養する方は外国人になりますので、(3)~(7)の記入は必須となります。また、すでに日本に居住している外国人の方の場合、両方に収入があり、扶養関係にない可能性があります。若しくは、配偶者の方が永住者を扶養するという家庭もあります。その場合に関しては、21)の欄は記入なしで構いません。

22)在日身元保証人、または連絡先

この項目に関しても、永住者の方と結婚をする場合には、永住者が身元保証人になることがほとんどのため、上記 21)と同一人物で構いません。

(1)氏名、(2)職業、(3)住所、電話番号、携帯電話番号を記入します

23)代理人(法定代理人による申請の場合に記入)

在留資格変更許可申請に関しては、申請人の外国人の方は既に日本に居住しているため、本人が申請することになります。そのような場合は、この項目は空欄で構いません。

そして、この書式の最後に、申請人(法定代理人)の署名と、申請書作成年月日を記入します。こちらは、直筆で署名をし、そして申請書作成年月日も直筆で記入することが求められています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「永住者の配偶者等」の在留資格変更許可申請書の後半部分の記載方法に関して解説をしてきました。後半部分のポイントは、「滞在費の支弁方法」、つまり結婚後の生活費・滞在費を、だれが・いくら・どのように負担をするのか。そして、日本国内に扶養者・身元保証人がいて、その人が毎月の生活費・滞在費を支払い扶養することができるか、という点をしっかりと明記することです。率直なところ、在留資格変更許可申請書に関しては、記載に迷うようなところや難解なところはないため、事実を正確に、包み隠さずありのままに記載をすればよい内容となっています。

「永住者の配偶者等」への在留資格変更にあたっては、出入国在留管理庁が別途「質問書」を用意しており、こちらに関しては、出会いから結婚に至るまでの経緯や、今後の生活に関して等、結婚の信ぴょう性に関わる様々な要件を具体的に説明、証明するためのものであり、この「質問書」の作成の方が非常に難解だと言えます。こちらは、別の記事で解説しておりますので、興味のある方は併せてご確認ください。

行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて愛し合い、幸せな家庭を気づきたいと思うご夫婦を、全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、「永住者の配偶者等」の在留資格取得に関する条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。