ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

毎年この時期(5月)になると、冬のスキーシーズンに向けて、スキー・スノーボードインストラクターの採用とビザ申請に関してお問い合わせが急激に増えてきます。特に2024年シーズンは、コロナ前を超えた昨シーズンよりも、さらに多くの訪日外国人観光客が来日することが想定されているため、それに合わせてより多くのインストラクターを雇用しようと考えている企業が多いようです。そのため、今回は、海外からスキー・スノーボードインストラクターを、就労ビザを取得して日本に呼ぶ場合、ビザの申請要件となっている実務経験に関して解説をしていきます。スキー・スノーボードインストラクターとして日本で仕事をしたい外国人の方が、そして、外国人を採用したい企業の方は是非最後までお読みください。どのような人が、ビザの申請要件を満たしているかがわかり、これによって、採用に値する人かどうかを見極めることが出来るようになります。

スキー・スノボインストラクターのビザの種類

まず、スキー・スノボのインストラクターとして外国人を採用する場合、取得する候補となるビザは、

①特定活動50号 スキーインストラクター

②技能8号 スポーツの指導者

です。それぞれ、どのような人が、どちらのビザを申請するのが良いのかを次の項目で解説します。

特定活動50号 スキーインストラクタービザ

このビザは、まず大前提として、スキーインストラクターのみが申請可能で、スノーボードのインストラクターは対象外です。このビザの申請要件の特徴としては、日本のSIA(日本プロスキー教師協会)の認定資格、もしくは、「アルゼンチン」・「オーストラリア」・「カナダ」・「ドイツ」・「イギリス」・「イタリア」・「ニュージーランド」・「韓国」・「日本」といった、9か国のスキーやスノースポーツ協会の認定指導員や講師の資格を所有している人が申請可能です。そして、スキーの指導を行った実務経験年数の規定はありません。よって、出入国在留管理庁が指定したスキーの指導資格を持ってさえいれば、学歴・職歴・指導の実務経験は一切必要とされていない、ということが大きなポイントとなっています。

技能8号スポーツの指導者

このビザは、スポーツの指導に業務として従事する人が申請するビザで、スキー・スノーボードだけでなく、卓球や水泳、陸上競技など、スポーツ競技全般を対象に、幅広く申請されています。このビザの申請要件の特徴は、「スポーツの指導業務の3年以上の実務経験」があることです。この3年間の実務経験には、高等教育機関(大学等)で、当該スポーツの指導に関する科目を履修していた期間も合算することが可能です。ただし、この実務経験年数は、日本で指導をするスポーツに限定されるため、スキー・スノーボードを指導するのであれば、スキー・スノーボードの指導実務年数のみで3年以上必要で、他の競技の指導実務年数を合算することはできません。「スキー2年、自転車競技1年で合計3年」というような合算はできません。

若しくは、選手・監督・コーチ等として、オリンピックや世界選手権などの国際大会に出場経験のある人も申請要件を満たします。これは、出場経験の有無のみが問われており、順位や入賞経験の有無は要件にはなっていません。さらに、出場回数の規定もないため、1回でも国際大会に出場した経験のある人は、申請要件を満たしていると言えます。

技能8号のビザでは、スポーツ指導の実務経験3年以上、若しくは、国際大会出場歴が主な要件になっており、当該スポーツの指導資格の有無は申請要件になっていません

ここまでの話を整理すると

●特定活動50号スキーインストラクタービザ : 入管の指定するスキーの指導資格を持っている人

●技能8号スポーツの指導者ビザ : 指導実務経験3年以上、若しくは国際大会出場歴がある人

が対象になります。

よって、スキーの指導資格を持っている人は、迷わず特定活動50号を申請することになると思われます。一方、スノーボードインストラクターは、技能8号をという選択肢一択になります。そして、スキーインストラクターで、入管の指定する指導資格を持っていないが実務経験が3年以上ある人も、技能8号を申請する、という流れになります。

スノーボードインストラクターの実務経験に関して

前述の通り、スノーボードインストラクターの申請要件は、実務経験3年以上となります。この3年間のカウントは36か月間以上を意味しています。別の記事でも説明していますが、通常、スノースポーツは雪のある冬の時期しかできないことから、実務経験としてカウントできるのは、日本であれば12月~3月くらいまでの4か月程度になります。なので、日本、若しくはカナダやヨーロッパなど、北半球での実務経験のみで3年以上の申請要件を満たすには9年~10年程度かかるのが現実的です。当事務所にご依頼いただく方の中には、日本が夏の時期に、南半球のニュージーランドで指導をされている方もおり、このような方の場合は、4年~5年間で3年間(36か月)以上の実務経験年数を満たすことが出来ます。また、中国には国内に50か所以上の屋内スキー場があり、シーズンを問わず通年で指導をしてきたという実務経験をお持ちの方もいます。このような方の場合は、もちろん、勤務期間の3年間がそのままスキー・スノーボードの指導実務年数3年間となります。

実務経験の証明方法に関して

前述の通り、技能8号スポーツの指導者ビザを申請するにあたっては、3年以上の指導実務経験があることを証明することがポイントとなります。実務経験年数を証明するための根拠となる書類は、在籍していた企業の発行する「在職証明書」になります。これに記載された、実務経験年数が3年(36か月)以上であり、かつ、指導内容がスキーもしくはスノーボードの指導である必要があります。

もし、南半球のオーストラリアやニュージーランドのスキー場での指導経験がある場合には、どうして夏にスキー・スノーボードの指導?と疑念を抱かれないように、指導していた場所(国)が明確に記載されている必要があります。また、屋内スキー場にあるスクールに勤務し通年で指導をしていたような場合には、その旨も忘れずに記載するようにしてください。更に、補足資料として、指導をしていた屋内スキー場などの施設や、勤務していたスクールが屋内スキー所でレッスンをしていたことがわかるような資料(パンフレットやホームページのスクリーンショット)を提出することで、実務経験を証明し在職証明書の信憑性を高める工夫が必要です。

まとめ

スキー・スノーボードインストラクタービザを申請する際の実務経験に関してまとめました。特定活動50号を申請するスキーインストラクターの方は、指定された資格を保持していれば、実務経験は不要となります。一方、スノーボードインストラクターや、指定された指導資格を持っていないスキーインストラクターの方は、3年以上の実務経験が必要となります。

その、実務経験年数の3年(36か月)の要件を満たすには、北半球の冬のみの勤務であれば通常10年程度かかりますが、南半球と行き来をしながらだと5年程度、さらに、屋内スキー場で通年勤務をしている方であれば、3年間で要件を満たすことも可能になります。

スキー・スノーボードは冬のスポーツ、というイメージが強いため、北・南半球の二拠点で指導をしてきた人や、通年で指導をしてきた人の場合は、その根拠となる在職証明書で、その旨を明確にすること。また、補足資料として指導場所の写真や勤務先のパンフレットなどのを提出することで補足し、信憑性を高めるといった工夫も、ビザの許可を得やすくするためには必要となります。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、スキー・スノーボードの指導者の就労ビザ取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。