ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、観光業・宿泊業・サービス業に特化した行政書士として、この業界で働く外国人のビザ申請支援や、融資・補助金申請など資金調達のお手伝いをしています。主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。
今回は、スキーインストラクタービザ(特定活動50号)は、いつ申請したらよいのか?について解説をしていきます。私の事務所が、国際的なスノーリゾートエリアのニセコ町にあることから、今シーズンもたくさんのスキーインストラクタービザの申請をお手伝いさせていただきました。2023年シーズンは、アフターコロナで多くの訪日外国人観光客が来訪されることが想定され、これに併せて、地域内の企業も外国人従業員の採用を強化したようです。そのため、冬に向けて就労ビザの申請者が急激に増えたようで、入管の審査に想定よりも時間が掛かってしまいました。そのため、残念ながら、スキー場のオープンにビザの発給が間に合わないケースもありました。この記事では、今年度の経験を踏まえて、いつ頃、スキーインストラクタービザを申請すれば、シーズン開始に間に合うか、そして、在留資格認定証明書の申請から入国までの流れを解説していきます。来年度は早めに準備に取り掛かりたい方、スキー場オープン初日から、従業員を稼働させたいスクール関係者の方は、ぜひ最後までお読みください。
スキーインストラクタービザ(在留資格認定証明書)申請時期に関して
結論から先に書いてしまうと、遅くとも8月末までには、日本国内の出入国在留管理局に、在留資格認定証明書交付申請を完了させることをお勧めしています。ビザの申請は、居住国の日本大使館・領事館で行うのですが、その際に必要な「在留資格認定証明書」を発行してもらうのに時間が掛かります。2023年冬のケースですと、この申請を、8月末までに終わらせることが、ビザの取得を11月中に完了できるかどうかの大きなポイントになっていました。
在留資格認定証明書交付申請をするために
在留資格認定証明書交付申請をするためには、まずは、雇用する人を決めなければなりません。来シーズンに誰を雇用するかの採用活動は、5月以降順次進めていると思われますが、採用内定者を決めるのは6月末までに完了できるとよいと思われます。
そして、内定者が決まれば、在留資格認定証明書交付申請に必要な書類を収集します。特定活動50号を申請するための必要書類は、他の就労ビザと比較すると比較的少ないため、速い方で1週間程度、遅くとも1ヶ月もあれば全て収集が完了すると思われます。
在留資格認定証明書の申請に関して
特定活動50号、スキーインストラクターに関しては、2023年12月現在、出入国在留管理庁の「在留申請オンラインシステム」の対象外になっており、オンラインでの申請は出来ません。申請書類一式は、各地の入管に持ち込み、窓口申請となります。これに伴い、在留資格認定証明書に関しても、オンライン(Eメール)での発行ではなく、現物が発行されることとなります。申請時には、書留用切手を貼った返信用封筒か、レターパックの準備が必須となります。
在留資格認定証明書交付申請の審査期間
標準的な審査機関は1~3か月と言われています。早いときは1か月程度で審査が終わり発行されることもありますが、2023年冬シーズンに当事務所が申請したケースでと、最長で申請日から11週間掛かっていました。スキーインストラクターだけでなく、冬のシーズンスタッフの他の就労ビザも申請しましたが、早い時期に出した方が審査期間は短く、遅くなればなるほど、長い時間が掛かったという事実があります。特に、9月半ば以降の申請に関しては、審査が終わり在留資格認定証明書が発行されるまで、3か月程度かかっていました。このようなことからも(1)で書いた通り、8月末までには申請を完了されることを、強くお勧めしたいと思います。
在留資格認定証明書が発行されたら
審査が完了すると、在留資格認定証明書は書留郵便で申請人に送られてきます。この原本を日本国外にいる申請人に送付します。原本を送ることになるので、普通郵便ではなく、クーリエ便やEMSなど、送料が高くてもより確実に配達される手段、発送物の追跡が可能な会社を選ぶことを強くお勧めします。万が一紛失してしまった場合、すぐに再発行をしてもらうことは不可能で、かなり時間が掛かることを覚悟する必要があります。通常海外への郵便物の発送は、1週間~10日間程度時間が掛かります。よって、申請人に届くまでの時間も考慮をしておく必要があります。
大使館・領事館でのビザ申請
日本に入国するためのビザ申請は、各国の日本大使館、領事館に必要書類を提出して行います。主な書類は、「在留資格認定証明書」「パスポート」「写真」等です。日本の出入国在留管理庁で、既に審査が終了しているため、ビザ申請に必要な期間は5日~10日程度となっています。そのため、遅くとも11月中旬には、在留資格認定証明書が申請人に届き、ビザ申請の準備を完了させる必要があります。
入国に関して
ビザが発給されたら日本へ入国します。通常、在留資格認定証明書の発行日から3か月以内に、日本への入国をしないと、在留資格認定証明書が無効になり、入国が出来なくなってしまいます。よって、書類が発行されたら、直ちに申請人に送付をし、ビザ申請の手続きを完了させることをお勧めします。
日本に到着したら、上陸審査が行われます。そこで、ビザの貼付されたパスポートや在留資格認定証明書を提出して審査を受けます。審査が問題なく終了すれば、在留カードが発行されます。なお、入国時に在留カードが発行されるのは、新千歳・羽田・成田・中部・関西・広島・福岡の7空港で上陸審査を受けた方のみとなります。それ以外の空港や港から入国をした場合は、市町村役場で住居登録をした後で発行されます。
まとめ
特定活動50号、スキーインストラクタービザをいつ申請したらよいのか、また、その前後の流れについて解説をしてきました。時系列でまとめると、
6月末 採用内定者の確定
7月 申請書類の収集・準備
8月 入管に在留資格認定証明書の交付申請
<審査に最大3か月程度かかる>
11月上旬 在留資格認定証明書の発行・申請人の住む国に現物送付
<郵送に10日程度かかる>
11月中旬 各地の日本大使館・領事館でビザ申請
<ビザ発給まで10日程度かかる>
11月下旬 ビザの発給完了
12月1日 日本への入国
という流れで進めることが出来れば、11月下旬から12月上旬に、日本に入国できることが想定されます。
なお、この流れはあくまでも2023年冬シーズンの混雑状況をもとに書いてみましたので、2024年以降に関しては、混雑状況や入管の審査体制によって状況が変わる可能性があります。くれぐれも時間に余裕をもって、書類の準備や申請手続きを進めることをお勧めします。
行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、就労ビザ取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。