ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

「高度専門職」は、「教授」、「研究」、「技術・人文知識・国際業務」、「経営・管理」等、ホワイトカラーの職務内容を行う在留資格を持って日本に滞在している外国人の方で、「高学歴」・「高年収」・「若年令」等の基準を満たしている、特に優秀な方を優遇するために作られた新たな在留資格です。これを持つ方が、「永住」に変更する際の要件が、日本人と結婚をした外国人の方よりも、さらに優遇されています。今回は、その要件について解説していきます。

「高度専門職」の方が「永住」申請に必要な住居要件

住居要件の年数を計算する場合、高度専門職ポイント数によって、日本での住居要件となる年数が異なってきます。

高度専門職ポイントが70点以上80点未満の場合

このような方は、引き続き3年以上日本に居住しており、その期間中継続してポイントが70点以上である必 要があります

高度専門職ポイントが80点以上の場合

このような方は、引き続き1年以上日本に居住しており、その期間中継続してポイントが80点以上である必要があります。

「みなし高度専門職」となる方の住居要件

「高度専門職」以外の在留資格、例えば、「技術・人文知識・国際業務」や「教授」、「研究」等の在留資格を持っていて、「永住」の申請日から遡って、3年前もしくは1年前から、高度専門職ポイントの基準をクリアしていた場合、「永住」の在留資格への変更申請を行うことができます。

居住期間に関しては、「高度専門職」の在留資格を持っている方と同様、

①高度専門職ポイントが70点以上80点未満の場合は3年間

②高度専門職ポイントが80点以上の場合は1年間

となります。

「引き続き」の意味

上記の必要年数の前には、「引き続き」1年とか3年といったように、「引き続き」という言葉が付いています。これはどのような状態を意味するのでしょうか。

1)日本入国後1回も出国したことがなく、常に日本に住んでいた方

→このような方は、読んで字の通り「引き続き住んでいる」ということになりますので、この要件はクリアしています。

2)何回か日本から出国したことがある方

→ほとんどの外国人の方は、母国での冠婚葬祭などプライベートな用事だけでなく、勤務先からの命令で業務

出張に出たことのある方の方が多く、日本への出入国を何度も繰り返している方も多いと思われます。このような方の場合には、

  • 1回あたりの出国日数が、だいたい3か月(90日)を超えない場合、若しくは
  • 1年の通算の出国日数の合計が、だいたい100日を超えない場合

であれば、その期間に関しては「引き続き」日本に住んでいるとみなされます。

ここで注意すべきことは、②に関しては1回あたりが3か月以内の出国であっても、合計の出国日数が1年間で100日を超えてしまった時点で、それまでの滞在日数のカウントがリセットされてしまいます。例えば、1回あたり30日間の出国を1年間で4回行った場合、1回あたりは90日以内なので①の基準はクリアしていますが、トータルの出国日数が120日になるため、②の基準日数をオーバーしているので、それまでの滞在日数のカウントはリセットされてしまいます。再度入国した日から新たなカウントをして1年もしくは3年経過しないと、要件を満たさないということになります。

生計要件に関して

高度専門職ポイントを計算する場合の年収基準に関して。特に、出入国在留管理庁の指定するイ)のいわゆる「教授」・「研究職」以外の方は、「年収が300万円未満の場合は、他の項目のポイントが合計で70点以上あったとしても高度専門職外国人とは認めません」と、計算表に記載されています、これにより、一般の外国人の方の「永住」申請で目安とされている、年収300万円をクリアできない方は基本的に高度専門職に該当する人はいないはずです。扶養家族が極端に多い場合を除いては、生計要件が問題になり基準を満たさない方はまずいないと考えられます。

素行要件に関して

高度専門職の方が「永住」の在留資格を申請する場合、一般の方と異なるのは、「住居要件」のみとなります。また、高度専門職の適用条件からも、「生計要件」が問題になる方はほぼいないと想定されます。もう一つの重要な「素行要件」に関しては、一般の外国人の方、日本人と結婚した方と同一となります。例えば、

①日本の法令違反を行い、懲役・禁固・罰金刑に処されたことがないこと

②日常生活上・社会生活上、違法行為、違反行為や風紀を乱す行為を繰り返し行っていないこと

③日本人としての公的義務(納税・年金の支払い)をきちんと果たしていること

に関しては、他の一般の外国人の方と変わりません。詳しくは、こちらのコラムをご参照ください。

まとめ

高度専門職の方が、「永住」の在留資格取得をする際には、「住居要件」が最短1年間と大幅に緩和されます。一方で、素行要件に関しては、他の一般の方と変わらないため、税金や社会保険料、年金の支払いに関しては、滞納や納付期限遅れがないよう、来日直後から、きちんと手続きを続けている必要があります。申請に必要となる期間は、1年、若しくは3年間と比較的短いため、早い段階から意識をして気を付けて手続きを行えば、すぐに申請要件を満たすことができると思われます。

行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として生きていこうとする、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、永住申請に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。