ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。

北海道で唯一の、観光業界とビザ申請に特化した行政書士として、主に、北海道の宿泊業や観光業で働く、外国籍従業員の方の在留許可申請、いわゆる就労ビザの、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

来日当初は会社勤めのサラリーマンだったけど、日本でビジネスを立ち上げたいと考える方もたくさんいらっしゃり、外国人の方からの会社設立や、「経営・管理」ビザ(在留資格)への変更に関するお問い合わせもたくさんいただいております。

外国人の方が起業をしてご自身でビジネスを始める場合、「経理・管理」の在留資格を取得します。この在留資格を申請し、許可を得るためには様々な要件があります。しかし、別の記事でも解説をしましたが、他の就労系の在留資格に比べると、申請される方の学歴や実務経験年数に関しては、比較的制限が緩く、申請の門戸は広いとも言えます。この在留資格を申請にするにあたって、年齢はどのような関係があるのでしょうか?今回は、「経営・管理」の在留資格申請に年齢制限はあるのか?について解説をしていきます。

在留資格「経営・管理」の申請に年齢制限はあるのか?

出入国在留管理庁のホームページによりますと、「経営・管理」の在留資格の申請要件には、年齢制限は一切ありません。実際に「経営」と「管理」を行う職務内容に従事するのであれば、年齢だけでなく、学歴や実務経験、日本語能力や資格なども問われることはなく、いわば、誰でも申請は可能といっても過言ではないでしょう。しかし、実際の申請を行った際に、問題なく許可が出やすい年齢層と、そうでない年齢層に分かれるのは、実務上、ほぼ間違いのない事実だといえます。「経営・管理」の在留資格の許可を得るのが難しい、つまり不許可になりやすく申請にあたって注意が必要な年代について、次の項目で詳しく見ていきます。

「経営・管理」の申請が不許可になりやすい年代その1;60代以上の高齢者

実務上、この在留資格が不許可になりやすい年齢層は、大きく分けると次の2つとなります。

60代以上の高齢者の場合

在留資格認定証明書を取得して、新規に海外から60代以上の方を「経営・管理」の在留資格で呼び寄せようとした場合は、不許可になるリスクは非常に高いといえます。その理由としては、60代の高齢になって、異国に移住して新たなビジネスをやる、ということの信ぴょう性が低いと判断されるからです。特に、すでに定年退職して仕事をしていない方や、長年専業主婦で企業経営の経験が全くない方の場合には、高齢にも関わらず、いきなり突然、海外で本当に会社を立ち上げて事業ができるのか?と、年代だけでなく、能力や経験の面でも、本当に「経営・管理」の仕事ができるか、審査官は疑念をもって審査をされることとなります。さらに、その方に日本在住の息子や娘がいる、ということであれば、高齢の両親を日本に呼び寄せて一緒に暮らすことが目的で、「経営・管理」の在留資格を取得したいのではないか?と思われても無理がないことです。このようなことから、60代以上の方に関しては、不許可になるリスクが高いといえます。

60代以上でも問題ない場合は?

一方、60代以上でも「経営・管理」の在留資格の申請において、問題なく許可が得られる場合もあります。例えば母国で企業の経営をしていた実務経験と、成功の実績があり、そのビジネスを新たに日本で展開しようと考えて、この在留資格を申請した場合には、年齢が60歳を超えていたとしても、許可になる可能性は高くなります。つまり、申請人の方の実務経験や能力上、「経営・管理」の目的で来日をし、これを確実に行うだろうといった、信ぴょう性が高いと判断されるような方は、60歳を超えていても年齢自体が問題になることはありません。

「経営・管理」の申請が不許可になりやすい年代その2;10代・20代の若者

逆に、年齢が若い層の場合はどうでしょうか。「経営・管理」の在留資格の申請要件に、年齢や実務経験年数は一切規定されていないので、10代でも申請し、許可を得ることは可能です。しかしここでも、申請人の能力において、本当に「経営」と「管理」の仕事ができるだけの能力があるのか?というところで信ぴょう性が問われます。例えば、18歳の高校を卒業したばかりの若者で、企業で働いた経験が全くない方が、いきなり日本に来て会社を立ち上げ、新たなビジネスを始める、という場合に、「本当にできるの?大丈夫なの?」と誰もが思うことでしょう。出入国在留管理庁の審査官も同じように思い疑念を持つはずです。もしくは、成績不良で単位が取得できず、留学の在留資格が更新できないような留学生が、日本で新しいビジネスを始めるために起業する。そのために「経営・管理」の在留資格を取得したい、といった場合にも、「留学ビザが更新できないけど、日本に住み続けたいから、とりあえず経営・管理の在留資格を取りたいんでしょう」と、思う人は多いと思われます。このように、本当に「経営・管理」の仕事をするの?できるの?といった疑念を持たれ、信ぴょう性が低い場合には、申請が不許可になる可能性は高くなります。

まとめ

「経営・管理」の在留資格の申請要件には、年齢制限は一切ありません。しかし、この在留資格の活動内容として定められている「経営」と「管理」の仕事を、申請人が本当にできるか、そして、そもそも、本当にこれをやるつもりがあるのか?といった信ぴょう性が、経歴や実務経験など、様々な要素から判断されます。よって、年齢だけで一概に許可/不許可が判断をされることはありませんが、10代・20代の若年層や、60代以上の高齢者層に関しては、その信ぴょう性に疑念を持たれる可能性が高く、不許可になるリスクは高いといえます。これを避けるために、どうやったら許可が得られるかの作戦を立てたうえで、実務経験や実績など、信ぴょう性を立証するような資料を任意書類として提出する必要があります。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会で起業し新たなチャレンジを行おうとする、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、会社設立や在留資格「経営管理」に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。