ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。
今回は、家族滞在ビザの更新が不許可になりやすい場合に関して解説していきます。
はじめに;家族滞在ビザの更新手続の審査のポイントは?
まずは、家族滞在ビザの期間更新手続きを行う際の提出書類から、審査のポイントだと思われる点を確認します。このポイントに懸念点や問題点がある場合は、家族滞在ビザの更新が不許可になる可能性が高いです。
扶養者と申請者が、家族としての関係が公的に立証できるかどうか?
家族滞在ビザを取得する方の活動内容は、「就労ビザ等を持つ人に扶養され、家族としての活動を行うことです」。そのために、扶養者との家族関係が公的に証明できる書類の提出が求められています。例えば、「結婚証明書」や「婚姻届受理証明書」、「出生証明書」といったものです。
扶養者がビザで定められた活動内容の仕事をしているかどうか?
家族滞在のビザは、就労ビザ等を取得して日本に滞在している外国人の家族として滞在するために与えられるものです。具体的には、家族滞在ビザの取得要件として定められている、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「高度専門職」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」、「特定技能2号」、「文化活動」、「留学」といった、18種類のビザに基づいた活動を行うために、企業等所属機関に在籍していること、もしくは、扶養者自身で会社を経営しているかを、「在籍証明書」や「営業許可書」を提出することによって、きちんと証明できることが求められます。
家族を扶養できるだけの、十分な収入があるかどうか?
家族滞在ビザは、就労ビザ等を取得している方に扶養されて生活することが原則になっています。それ故に、扶養者の収入が月額20万円以下など、極端に少ない場合には生計が成り立たない可能性があります。このような場合には、家族滞在ビザの方が、フルタイムで働き収入を得るような、いわゆる不法就労の温床になってしまう可能性もあります。それ故に、「住民税の課税(非課税)証明書」や「納税証明書」の提出によって、家族を扶養することができる所得があることを証明する必要があります。
所得税等の納税の義務を果たしているか?
日本に居住するものの義務を適切に果たしているかを確認するために、「納税証明書」の提出が求められます。もちろん、ただこの証明書を提出するのではなく、未納額がある場合は、申請までにすべての税金の支払いを済ませ、未納がない状態の納税証明書を提出する必要があります。
素行が善良であるか
納税の義務を果たしていることも、素行が善良であるかどうかの一要素になりますが、これに加えて、在留期間更新許可申請書では、交通違反など軽微なものも含めた犯罪による処分歴や、退去強制や出国命令による出国の有無を記入する欄があります。この項目に関しては、過去、古いものであっても正確に記載することが求められます。
家族滞在ビザの更新が不許可になりやすいケースは?
上記、①~⑤のポイントを踏まえて、家族滞在ビザの更新が不許可になりやすいポイントを確認していきます。
扶養者と公的な家族関係が終了している場合
家族滞在ビザ更新のタイミングで、扶養者と申請者の間の家族関係が証明できない場合は、家族滞在ビザの更新が許可になるのは難しいです。具体的には、扶養者と結婚をしていた配偶者が離婚をしたり、死別をしてしまい、配偶者としての活動ができなくなってしまうケースが該当します。
扶養者自身のビザの要件になる活動をしていない場合
家族滞在のビザを取得するためには、扶養者が前述の18のビザを取得し、これによって定められた活動を行っていることが条件になっています。例えば、企業者所属機関を退職・離職していたり、適切な営業許可をもたず事業経営ができない状態の場合は、ビザの要件となる活動を行っていないとみなされ、家族滞在ビザの期間更新申請が不許可になる場合があります。
家族を扶養できるだけの、十分な収入がない場合
家族滞在ビザの申請人は、扶養者に扶養されて活動を行うこととなっています。それ故に、扶養者が離職などによって無収入状態になっている場合や、収入額が極端に低く、家族を扶養することが難しいと判断された場合、期間更新申請が不許可になる可能性が高くなります。
納税の義務を果たしていない場合
どのビザにも共通して言えることですが、「素行が善良であること」は、ビザに関する申請の許可の判断においては非常に重要な要素になっています。その中の一つとして、納税の義務を果たしていない場合は、申請が不許可になる場合があります。なお、納税証明書に未納額の記載がある場合は、ビザ申請の手続前に支払いを完了し、「未納額なし」の納税証明書を提出することができれば、審査に影響はないと言われています。
その他、素行が善良でない場合
これは、犯罪による処分歴がある場合や、交通違反等の軽微な法令違反の数が多い場合が該当します。重大な犯罪よりも問題になりやすいのは交通違反の回数です。過去5年間に5回以上、もしくは直近2年間に3回以上、交通違反で処分歴がある場合は、審査に影響を与える可能性があります。
まとめ
家族滞在ビザの期間更新手続きが不許可になる可能性のあるケースに関してまとめました。家族滞在ビザの要件として、①扶養者との家族関係が証明できること ②扶養者に扶養されて生活をすること の2つが大事なポイントとなっています。この2つのポイントを抑えて、公的な書類によって的確に証明することができれば、家族滞在ビザの期間更新申請は、比較的容易に行うことができると思われます。
ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、家族滞在ビザの取得や更新手続きに関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。