ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、日本にいる外国人の方が、母国から家族を呼びたいと考えたときに取得する在留資格である、「家族滞在」を申請する際に、注意したい同居人と住居について解説していきます。

家族滞在と住居に関して

一般的に、日本国外にいる外国人の方を日本に呼び寄せる場合、まずは、「在留資格認定証明書交付申請」を出入国在留管理庁におこなうことになります。この申請書には、「在日親族、及び同居者」を記入する欄があります。特に、この「家族滞在」の在留資格では、基本的に、来日する方は呼び寄せ人の方と同居生活を行い、扶養されることが前提になっているのが、他の就労系の在留資格や留学とは異なるところです。それ故に、この申請書に記載される「同居人」とその「住居」に関しては、審査の際の重要なチェックポイントになります。同居人と住居に関して、どのようなことに気をつけたらよいのか、1つずつ見ていきましょう。

同居人に関して

まずは、「在留資格認定証明書交付申請書」の、「在日親族、及び同居者」を記入する欄の記入です。同居人や在日親族がいる場合には、忘れずに、ひとりも漏らさず正確に記入をしてください。特に、同居人が外国人の場合は、出入国在留管理庁への別の申請で既に届け出がされている可能性が高いです。よって審査官は、その住所に誰が住んでいるかを正確に把握しています。そこで、既に届け出をされている内容とは異なる申請がされた場合、どちらが正しいのか?という疑念を持たれて、申請中に追加書類の提出や説明を求められることになります。もちろん、追加説明に対応して正しい情報を申告すればそれでも良いのですが、この書類のやりとりをしている間、審査手続きは完全にストップしてしまい、結果が出るまでに時間が掛かってしまいます。最初から正確な情報をすべて記載しておくことは、早く結果が欲しい場合の重要なポイントとなります。

住居に関して

所有者や契約者は誰ですか?

次に、申請人(呼び寄せる人)と、来日される方が住む予定の住居に関して、所有者や契約者が誰になっているかもチェックポイントされるポイントとなります。

自分名義の場合

申請人の所有する物件、若しくは申請人が契約者となって借りている物件の場合は、不動産の登記事項証明書、若しくは、大家さんとの賃貸借契約書を提出することで、その住居が申請人名義で所有もしくは借りているということが分かります。

他人名義の場合

申請人以外の、他人が所有する物件、若しくは他人が契約者となって借りている物件の場合も、任意書類として、不動産の登記事項証明書、若しくは、大家さんとの賃貸借契約書を提出し、この所有者/契約者は誰なのか、そしてこの人と申請人はどんな関係なのかを説明する必要があります。例えば、在日親族の父親が所有している家に申請人が同居をしていて、申請人の子供を家族滞在の在留資格を使って呼び寄せたい場合には、「この家は自分の父親が所有するもので、本人の祖父である」ということを説明します。

呼び寄せる人が住める広さや住環境は整っていますか?

住居に関しては、新たに海外から呼び寄せた方を含めて、一緒に生活できる十分な広さ、環境であるかもポイントになります。とかく、友人など家族以外の方と一緒に住んでいる場合や、親族等、同居家族が多い場合は注意が必要です。例えば、20㎡くらいのワンルームのアパートに男性3人で住んでいて、そこに結婚した奥さんを海外から呼び寄せるような申請の場合、「この狭い家で、他人の男2人とどうやって新婚生活を送るの?」と、誰もが疑問に思うはずです。このような場合は、奥さんが来日したら自分たち夫婦が引っ越しをする予定である、とか、若しくは、奥さんが来日するまでには、別の男性2人が引っ越しをする予定であるということを、審査官から指摘される前に、申請の段階で予め説明をしておくと、追加説明や書類提出依頼を回避できる可能性があります。また、家族・親族であったとしても、50㎡位の2LDKに、祖父母と夫婦、子供2人で住んでいて、更に申請人の兄弟(祖父母の子供)を呼ぶような申請の場合、「この家にどうやって7人で生活するの? 狭くないの?」と誰もが疑問に思うはずです。その場合には、現在の住居の間取り図や室内の写真などを、申請時に任意書類として提出することで審査官に説明をしていきます。

まとめ

「家族滞在」の在留資格を使って家族を呼び寄せる場合には、呼び寄せ人と同居し、扶養されるということが前提になっているため、同居生活が送れるだけの住環境が整っているということを、審査官に説明する必要があります。そもそも同居が不可能な状態ですと、家族滞在の前提条件が崩れてしまい、来日される方は家族滞在以外の目的、いわゆる日本での就労を目的として来日するのではないかという、資格外活動違反・不法就労の嫌疑を持たれてしまい、申請が不許可になる可能性もあります。本日説明した住居を説明する書類は、出入国在留管理庁のホームページの必要書類には記載されていませんが、住居に関して補足説明をする任意書類として、申請時に追加で提出をしたほうが、審査がスムーズに進み、早く許可が得られるポイントになるといえます。

行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、在留資格「家族滞在」の取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。