ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。
日本人と結婚をしている外国人の方が離婚をした後、日本に引き続き居住しようとした場合、一番のネックとなるのが在留資格です。特に、「日本人の配偶者等」の在留資格を持っていた方が、離婚後に別の在留資格に変更しないと、日本に滞在し続けることはできません。通常、日本人と離婚をした外国人の方は、在留資格「定住者」を取得する方が多いです。この在留資格が取得できるかどうか、1分間で素早く簡単に確認できるチェックリストをご紹介します。「定住者」に興味のある方、また、離婚後も日本に滞在し続けたい方は、まずは、このチェックリストで確認してみることをお勧めいたします。
日本人と離婚した方が、定住者の在留資格が取れるかのチェックリスト
「日本人の配偶者等」の在留資格をもって滞在している方が離婚をした場合には、日本人の配偶者としての活動が不可能になるため、6か月以内に在留資格の変更をしなければならないと規定されています。どの在留資格に変更できるかは、その方の学歴や過去の職歴だけでなく、子供や親権の有無など、様々な条件によって異なります。その中でも一般的な、「定住者」の在留資格に変更できるかどうかを簡単にチェックするための5つのポイントは以下の通りです。もちろん、申請人の状況に併せて細かい点をヒアリングが必要となるので、このリストだけで100%正確に大丈夫だとは言い切れませんが、最低限、この5項目がクリアできていれば、まずは申請の要件を満たしている可能性が高いといえます。1項目ずつ補足説明をしていきます。
①現在、「日本人の配偶者等」の在留資格を持っている。
「日本人の配偶者等」以外の在留資格を持っている方の場合は、離婚に伴って在留資格の変更をする必要がありません。例えば、結婚後もフルタイムで働いていて、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っている方もいます。このような方の場合は、離婚をしたとしても今まで通り仕事を続けていれば、在留資格で規定された活動内容に変更はないため変更する必要はありません。
②日本人と実態ある結婚期間が3年以上続いていた。
離婚後に「定住者」の在留資格に変更するためには、実態ある結婚生活を3年以上継続している必要があります。具体的には、同じ家に同居して一緒に生活をしていることで「実態ある結婚生活」だと見なされます。しかし、入籍していた期間は3年間だけど、最後の1年間は離婚に向けて別居生活を続けていたような場合、実態ある結婚生活は2年間しか継続していないということになり、この要件を満たしていないことになります。
日本人と実態ある結婚期間が3年以下の場合
もし、実態のある結婚生活が3年間以上継続していない方の場合でも、以下2点に該当していれば、定住者の要件を満たしている可能ですがあります。
③日本人の配偶者等の間に生まれた、日本国籍の子供がいる
④子供の親権を持っている
結婚している間に子供が生まれていて、子供の親権を持っていて養育しなければならない場合、その親に在留資格がなければ、子供と一緒に日本で生活して育てることができません。よって、親権のある日本人の子供がいる場合は、子供の生活の安全と利益を最優先に考え、養育しなければならない親に在留資格が与えられることになります。
②③④に該当しない場合
さらに、実態のある結婚期間が3年未満で、親権のある子供もいない場合でも、以下の条件に該当すれば、定住者の要件を満たすことができる場合があります。
⑤離婚の原因が100%相手方(日本人側)にある
このようなケースでは、日本人の配偶者側に問題があって、これが理由で実態のある結婚生活を継続できなくなった場合が該当します。
具体的には、
・日常的にDVを受けていて同居生活を続けることで、心身の危険が伴う場合。
・ギャンブルなどによる浪費で生活費を家計に入れず、生計が成り立たず生活が破綻している場合
・不倫状態になり日本人配偶者が家を出て行ってしまい、同居生活が困難な場合
などが該当します。このようなケースでは、実態のある結婚期間が3年未満で離婚した場合であっても、「定住者」の在留資格は認められることがあります。ただし、これらの事由をどのように客観的に証明するかが非常に難しいです。外国人側からの一方的な自己申告だけではなく、離婚協議書や裁判の記録など、証明で書類を提出することで、許可になるかが判断されます。
まとめ
日本人の配偶者と離婚後に、「定住者」の在留資格が取れるかどうかのポイントは、
①3年以上実態のある結婚生活が続いていたか
②親権のある日本人の子供がいるか
③離婚の理由が100%相手方にあるか
の3つです。特に、日本人の子供を養育しなければならない場合に課しては、子供の利益を守るために、養育する親の在留資格が許可になるケースは多いです。
いずれにせよ、離婚後の在留資格の変更手続きは、6か月以内に「在留資格変更許可申請」を行なう必要があります。この期間を経過してしまうと、日本人の子供がいるなど、通常許可になるケースであっても、審査上不利益な扱いを受けたり、場合によっては不許可になる可能性も高くなります。引き続き日本で生活を続けることを希望される場合には、早めにビザや在留資格を専門に扱う行政書士に相談し、どの在留資格に変更するかなど、作戦を立てて書類などの申請準備を進めてください。
行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、在留資格変更に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。