ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、日本国内でビザを持って中長期間滞在している外国籍の方が、ビザ(在留資格)の更新をするために必要な、「在留期間更新許可申請書」の記入方法について解説します。在留期間更新許可申請に関しては、こちらの記事で詳細を解説していますが、今回は申請書の具体的な記入方法に関して解説をしていきます。すべての在留資格に共通する、「在留資格変更許可申請書」の前半部分(「別記第30号様式」)は、前回こちらの記事で解説をしています。今回は、それぞれの在留資格によって異なる後半部分のうち、書式M、「経営・管理」と「高度専門職ハ」のビザを更新する際に作成する、申請書の書き方に関して解説をしていきます。この書式は、ご自身で会社の経営を行っている方や、企業の役員・経営者に就任して仕事をしている方が、ビザの更新(期間延長)をする場合ではないかと思われます。書類作成方法に不安のある方は、最後までご覧いただければと思います。

在留期間更新許可申請書の書式Mに関して

在留資格変更許可申請書のMは、この申請書の前半部分である「別記第30号様式」に続けて作成をするものです。この書式は、「申請人等作成用」と、「所属機関等作成用」の2つのパートに分かれています。

「申請人等作成用」の部分に関しては、会社を経営する外国人の方(申請人)に関する情報を記載します。また、「所属機関等作成用」の部分に関しては、ご自身で立ち上げた会社か、役員・社長に就任する企業を所属機関としてこれに関する情報を記載します。

書式Mの提出が必要な在留資格

書式Mの提出が必要な在留資格は、「高度専門職1号(ハ)」、「経営・管理」となります。この書式Mは、主に会社や企業を経営したり、事業を管理する立場で勤務をすることが、活動内容として想定されている在留資格の場合に作成するものとなります。

書式Mの具体的記入方法

申請人等作成用

この部分に関しては、申請する外国人の方に関する情報を記入していきます。ひとつずつ具体的に見ていきましょう。

17)勤務先:ご自身で起業した会社、若しくは役員・代表者に就任することとなった会社に関して、1)会社名 ・ 支店・事業所名 2)住所 3)電話番号を記入していきます。

18)最終学歴

(1)日本国内の学校(本邦)か、国外の学校(外国)かをチェック

(2)学位を持つ学校の種別をチェック

(3)卒業した学校名を記入

(4)卒業年月日を西暦で記入

「経営・管理」ビザに関しては、学歴は取得の要件に入っていませんが、最終学歴を記入します。「高度専門職」の場合には、学歴や出身大学、取得した学位は高度専門職として認定されるためのポイント計算の根拠となるため、正確に記入します。

19)専攻・専門分野:18番の最終学歴が、大学院博士課程から短期大学卒業の場合と、専門学校を選んだ場合で、選択する部分が違うので、チェックをする場合に注意してください。  

20)情報処理技術者資格または試験合格の有無:情報処理に関する業務に従事する場合、その資格名、もしくは試験名を記入してください。  

21)職歴(外国におけるものも含む)

申請書には「入社年月」「退社年月」「勤務先名称」が6つ書ける欄が設けてあります。転職歴が多い場合や、所属部署など詳細を記載したい場合に関しては、記入欄が不足して書ききらないことがあります。このような場                                  合には、「別紙履歴書参照」と記載して、市販の履歴書を添付しても構いません。なお、履歴書に記載するものは、あくまでも職歴のみで十分であり、学歴や右側部分の趣味・特技などの情報は不要です。

22)代理人(法定代理人による申請の場合に記入)

この欄に関しては、代理人が申請する場合に記入します。通常、在留期間更新許可申請の場合は、すでに申請人の外国人の方は日本に居住していますので、代理人ではなく本人が申請人になることが多いです。このような場合は、この欄は記入なしで結構です。

そして、この書式の最後に、申請人(法定代理人)の署名と、申請書作成年月日を記入します。こちらは、直筆で署名をし、そして申請書作成年月日も直筆で記入することが求められています。

所属機関等作成用

ここからは、ご自身が経営する会社、もしくは、役員や社長に就任する会社に関して記載をします。

1.経営を行いまたは管理に従事する外国人の氏名及び在留カード番号

(1)パスポートに記載された通りの氏名 (2)在留カード番号 を記入します。

更新許可申請は、日本に中長期に在留する方の滞在期間延長の手続きになりますので、有効な在留カードを所有しているという前提になります。

2.契約の形態:雇用 / 委任 / 請負 / その他 のいずれかにチェック

ご自身で会社を経営する、「経営・管理」に関しては、特殊な形態をとらない限り、「その他」になるはずです。

3.所属機関等契約先:外国人の方を雇用する企業(経営する企業)の情報を記入します。

(1)会社名、(2)13桁の法人番号、(3)支店・事業所名、(4)雇用保険適用事業者番号、(5)業種:別紙の業種一覧から、主たる業種を1つと、ほかに業種があれば番号を記入してください。なお、他の業種に関しては、複数選択することも可能です。(6)所在地、電話番号に関しては、勤務先の住所、電話番号を記入 (7)資本金 (8)直近年度の年間売上高 (9)法人税納付額 (10)申請人の投資額 

また、申請人が事業を立ち上げ、自身の会社を経営する場合には、(11)常勤従業員数と、その中の「日本人・特別永住者・永住者・日本人の配偶者・永住者の配偶者・定住者の在留資格を持つものの合計人数 を記入します。

※「経営・管理」ビザの更新の場合は、既に勤務先は事業を開始しているはずなので、法人番号や雇用保険適用者番号はすでに取得済みのはずです。直近の売上高や法人税納付額に関しては実績額を記入します。

4.職種:主たる職種を別紙の「職種一覧」から選択して番号で1つのみ記入をします。これは、「1 経営」、「2 管理業務(経営者を除く)」のどちらかになります。業種と間違えて、他の項目を選択しないように注意が必要です。

5.活動内容詳細:この申請用紙には2行しか記載する場所がないため、通常、この場所には、別紙「申請理由書」を参照、と記入し、詳細を申請理由書に記載します。

. 就労予定期間:役員や代表者の場合、契約上で任期が決まっている場合は「定めあり」にチェックをして、期間を記入します。ご自身で会社を経営する場合は、任期は決まっていないので「定めなし」にチェックをします。

7.給与・報酬:税金などが引かれる前の金額を記入します。通勤交通費(通勤手当)や住宅手当等に関しては含めず、あくまでも給与・報酬の額面金額を記入してください。この金額が、月額なのか年額なのかもチェックをします。

★ご自身の会社を経営する場合、年間の役員報酬を定めているはずですので、その額を記入します。役員報酬の設定金額に関しては、一般常識で考えて日常生活を営める十分な金額に設定します。初年度は売上が厳しそうだからと、役員報酬なしで頑張ります、とか、月10万円で生活します、というのは無しです。そもそも、そのような無理のある事業計画では、経営・管理ビザはの更新が許可になることはなく、きちんと収益の出るビジネスモデルを設計して事業計画を立案する必要があります。

8.職務上の地位・役職:通常、ご自身の会社を経営する場合は、「取締役」もしくは「代表取締役」ということになるのはずです。役員等に就任する場合は、その役職名を記入します。他の就労系在留資格の申請書の場合には、この欄は「なし」になることが多いのですが、このMに関しては役職者が申請することが殆どですので、忘れずに記入するようにしてください。

9.事業所の状況:(1)面積 (2)保有形態:保有/賃貸の別をチェックし、(3)賃貸の場合は月額家賃を記入します。これは、事務所の賃貸契約書などを添付書類として提出します。これに記載されている情報を正確に転記します。

この書式の最後に、所属機関等契約先の名称・代表者の記名 / 申請書作成年月日を記入する欄があります。ここには、ご自身の会社を経営する場合は、その会社名と申請人本人の名前、役員などに就任する場合は、代表者の氏名を記入します。直筆の署名ではなく、パソコン入力の記名で結構です。申請書作成年月日は、書類作成日を入力します。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「経営・管理」、「高度専門職1号(ハ)/2号」の、在留期間更新許可申請書の後半部分の記載方法に関して解説をしてきました。後半部分のポイントは、①「申請人の学歴・職歴」と、②「経営する会社の詳細」の記載となります。①の学歴・経歴に関しては、「高度専門職(ハ)」の場合は、ポイント計算の積算根拠となるため、記載内容を証明する学位や卒業証書などと相違が無いように記入をします。この、在留資格変更許可申請書の前半部分に関しては、こちらの記事にまとめていますので併せてご確認ください。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、就労ビザ取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。