ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。
今回は、「家族滞在」ビザに関して、どのような人が取得できるのか?について解説をしていきます。
どのような人の家族が対象になるのか?
まず家族滞在ビザは、就労ビザ等を取得して日本に滞在している外国人の家族に対して与えられるビザになります。英語では「Dependent VISA」と表されているように、就労ビザ等を取得して日本で働いている人が「扶養している家族」であるということが大きなポイントになっています。
全ての就労系ビザで家族滞在ビザが取れるというわけではありません。現在、家族滞在ビザが取得できるビザは18種類で、
「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「高度専門職」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」、「特定技能2号」、「文化活動」、「留学」
といったビザを持つ方の家族が、申請をすることが可能です。
なお、留学ビザであっても、日本語学校在学中は家族滞在ビザを取得して配偶者や子供を呼び寄せることはできません。大学等高等教育機関に在籍している場合のみ、家族滞在ビザが申請できるという点には注意が必要です。また、特定技能ビザに関しても、最初の特定技能1号の時点では家族滞在ビザを申請することができず、2号に変更ができた段階で、家族滞在ビザの申請をすることが可能になります。
また、例外としては、上記の18種類以外の就労ビザに関して、例えば、日本の大学を卒業し高度な日本語能力のある方が取得する、特定活動46号ビザを持つ方の家族に関しては、家族滞在ビザではなく、特定活動47号のビザを取得することになります。また、高度専門職ビザを持つ方の配偶者で、「研究」「教育」「技人国」「興行(一部)」のビザの活動範囲の仕事をする場合には、家族滞在ビザではなく特定活動33号のビザを取得すこととなります。
家族滞在の「家族」とは?
次に、「家族」の範囲は具体的に誰を意味しているのでしょうか?このビザが取得できる家族は、前述の18種類のビザを持って滞在している外国人に扶養されている、「配偶者と子供」に限定されています。両親や兄弟姉妹などの親族は含まれていないことに注意が必要です。
配偶者に関して
配偶者の家族滞在ビザが申請できるのは、母国で法律的に正式な婚姻が成立している方に限られます。内縁関係や事実婚の形式的な配偶者は家族滞在ビザの対象とはなっていません。これは、家族滞在ビザの申請時に、公式な「婚姻証明書」や「婚姻届受理証明書」の提出が求められており、これらの書類が提出できない、つまり法律に則って婚姻関係が成立していないカップルに関しては、家族滞在ビザが許可になることはありません。
子に関して
子で家族滞在ビザが申請できるのは、実子、もしくは公的な手続きによって成立した養子が対象となります。「出生証明書」や「家族関係証明書」等、母国の公式な書類によって証明できる親子関係にある子がこのビザの対象となります。子の年齢に関しては、法令上は上限年齢が規定されてはいません。しかし、家族滞在ビザの大前提として「扶養されて」生活をするということから、18歳未満の未成年者が対象であると考えられます。実務上でも、18歳以上の子供の、家族滞在ビザを使っての呼び寄せは難しいと言われており、留学ビザや就労ビザを取得するケースも多いです。なお、家族滞在ビザの更新に関しては、18歳を超えて年齢的に未成年ではなくなったとしても、年齢だけを理由として更新が不許可になることはないようです。
扶養関係に関して
家族滞在ビザを取得するにあたっては、ただ単に公的な夫婦関係、親子関係が証明できるだけでなく、扶養されて生活をすることも要件となっています。特に、家族滞在ビザを取得した配偶者や子供に関しては、原則的に仕事をすることはできず、資格外活動許可を取得した場合のみ、週28時間以内の就労が可能になります。それ故に、家族滞在ビザの人がご自身の収入のみ、単独で生計を維持するのは非常に難しいと想定されることから、扶養を前提としたビザとなっています。家族滞在ビザに関しては、家族の在留状況も更新などの際の結果に大きく影響することがあります。よって、資格外活動許可を取得して仕事をする場合においても、制限時間を超えて働いたり、風俗営業など許可違反となる職務内容での就業は絶対に避けるべきです。
まとめ
家族滞在ビザの対象者に関して確認をしてきました。日本人の配偶者ビザと同様、配偶者や子供にその対象が限られており、夫婦関係や親子関係を公的な書類で説明できることがポイントとなります。一方、日本人の配偶者ビザとは異なり、家族滞在ビザでは原則的に就労が認められていないことから、扶養を受けて生活をすることが条件になっていることも抑えておくべき重要な点です。申請に必要な書類に関しては、出入国在留管理庁のホームページに記載されていますが、それだけでなく、この2つのポイントを明確に説明・証明するための補完書類も、追加資料として提出することが、スムーズに許可を得るためには必要だと言えます。
ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、家族滞在ビザ取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。