1. 訪日外国人4000万人超えの衝撃
2025年、日本を訪れた外国人の数が過去最多の4,270万人に達しました。これは2024年の約3,687万人を大きく上回る驚異的な数字であり、史上初めて4,000万人の大台を突破した年として記録されます。単なる一時的な回復ではなく、訪日インバウンド市場が新たなフェーズへと突入したことを示す明確な兆候です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/89a08a02c83918ea990915dfd36b0e7dc80e9fef
この増加の背景には、記録的な円安、コロナ禍後のリベンジ旅行、そして日本の観光資源の再評価など、複数の要因が絡み合っています。特に注目すべきは、中国からの観光客数が前年比30%増の910万人に達し、欧米やオーストラリアなどからの訪日客も22%増加するなど、訪日外国人の国籍が大きく多様化している点です。従来、訪日客の多くは東アジア圏に偏っていましたが、現在ではアジア以外の市場からも日本が「選ばれる国」になってきているのです。
また、訪日客の消費額も9.5兆円と過去最高を記録。観光、宿泊、交通、小売、飲食業などに与える経済効果は計り知れず、地方経済への波及効果も無視できません。この消費の流れは、単に短期的な旅行需要にとどまらず、長期滞在や就労を目的とする訪日者の増加にも直結していると考えられます。
今や訪日外国人は「旅行者」だけではありません。「働く」「学ぶ」「暮らす」という目的で日本を訪れる人々が急増しており、それに伴い在留資格や就労ビザの重要性も格段に増しています。これは、企業や行政、地域社会がこれまで以上に外国人対応を求められる時代に突入したことを意味します。
2. 外国人雇用は“特別”から“当たり前”へ
かつて外国人を雇用する企業は、ごく一部のグローバル企業や、特殊な業種に限られていました。しかし今では、地方の中小企業や個人事業者までもが、積極的に外国人雇用を進める時代になっています。背景にあるのは、言うまでもなく深刻な人手不足です。
製造業、建設業、宿泊業、介護業、そして外食産業。日本国内の多くの業種で、若年層の労働人口が減少し続けている中、外国人労働者は欠かせない戦力となっています。
実際、「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格を取得し、正社員として働く外国人は着実に増加しています。技能実習制度の見直しや、「育成就労制度(仮称)」への移行といった制度改正の動きもあり、外国人材の受け入れは国の成長戦略の一環として位置づけられています。
また、外国人雇用の利点は単なる労働力確保にとどまりません。多言語対応や異文化理解、新たな顧客層の開拓といった“多様性の恩恵”が、企業の成長を加速させるケースも増えています。つまり、外国人雇用は単なる労務対策ではなく、経営戦略としての価値を持つのです。
一方で、「雇ってみたいけど制度がよくわからない」「どんなビザが必要か判断できない」という声も少なくありません。制度を誤解したまま採用を進めると、結果的に不許可や違法就労などのリスクにつながります。
そのため、外国人雇用は“特別なこと”ではなく、“当たり前”として制度を正しく理解し、準備を整えることが必要です。
3. 在留資格とビザ制度の基礎を知る
外国人を雇用する際、最も重要なのが「その人がどの在留資格を持っているのか」、そして「その業務内容とビザの内容が一致しているのか」という点です。
例えば、留学生が卒業後に正社員として働く場合、「留学ビザ」から「就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)」への変更が必要です。また、海外から直接人材を呼び寄せる場合は、その職種や業務内容に適した在留資格の取得が不可欠です。
在留資格の種類は多岐にわたり、目的ごとに厳格な基準があります。ビザの種類を誤って申請すると、不許可になる可能性が高くなります。また、同じ就労ビザでも、職務内容がビザに定められた業務範囲を逸脱していれば、入国管理局から「資格外活動」として指摘され、最悪の場合は在留資格の取消につながるケースもあります。
私たちが実際に対応したケースでも、「業務内容は日本語の通訳だと思っていたが、実態は販売業務が中心だった」「海外での職歴や学歴が申請内容と一致していなかった」といった理由で、不許可になった事例が少なくありません。
ビザ申請は単なる「書類の提出」ではなく、「制度の理解と要件の整理」が求められるプロセスです。採用前からしっかりと確認し、必要であれば行政書士などの専門家に相談することが、後のトラブルを防ぐ大きなポイントとなります。
4. 外国人雇用でよくある失敗とリスク
外国人を雇用する際、多くの企業が陥りがちなのが「制度の過信」や「誤解による手続きミス」です。具体的には以下のようなケースがあります。
- コンビニでアルバイトとして働いていた留学生を卒業後も継続して雇用しようとしたが、就労ビザの要件を満たさず不許可に。
- 技能実習生から特定技能に切り替える手続きを進めていたが、在留期間の管理を怠り、結果的に在留期限が切れてしまった。
- 就労ビザを持つ外国人が、入社後に業務内容を変更され、結果的に資格外活動とみなされた。
これらはすべて、適切な手続きと制度理解があれば防げた事例です。しかし、実務においては「うっかり」「知らなかった」が命取りになります。入管法違反は、企業にとっても大きなダメージとなり、最悪の場合、行政指導や罰則対象になることもあります。
また、外国人本人にとっても、在留資格の不許可や更新拒否は人生に関わる重大な問題です。日本で働きたい、暮らしたいという思いを支えるためにも、受け入れる企業側の責任は非常に大きいのです。
リスクを未然に防ぐには、制度の理解だけでなく、社内での体制づくりや外部の専門家との連携が必要不可欠です。
5. 行政書士ができること|正確な申請とリスク回避
外国人雇用において、行政書士が果たす役割は非常に大きく、多岐にわたります。単なる申請書の代筆者ではなく、企業と外国人の「橋渡し役」としての専門性が求められます。
まず、行政書士は法令に基づいた適切な在留資格の選定や申請書類の作成を行うことができます。企業側が想定する業務内容と、入管が認めるビザの範囲が一致しているかどうかを丁寧に確認し、必要に応じて業務内容の再整理や雇用契約の見直しも行います。
さらに、過去の事例や入管の運用傾向を踏まえて、審査で指摘されやすいポイントを事前に洗い出し、書類の完成度を高めます。これは、自己申請では得られない大きなメリットです。
私たちの事務所では、外国人材の採用計画段階から関わり、ビザ申請だけでなく、採用後の就労管理や更新手続きのサポートまでワンストップで対応しています。実際、「前に別の行政書士で不許可になった案件が、当事務所に相談して無事許可された」というケースも少なくありません。
ビザ申請は一度の失敗が後々まで響く手続きです。だからこそ、最初から専門家に相談し、リスクを最小限に抑えることが、企業にとっても外国人本人にとっても最善の選択となります。
6. 最近の傾向|審査の厳格化と“見られるポイント”
ここ数年、入国管理局による審査基準は着実に厳格化しています。その背景には、在留資格を利用した不適正な雇用や、制度の抜け道を悪用する事例の増加があるとされています。これにより、以前であれば通過していたような申請でも、現在では不許可となるリスクが格段に高くなっているのが現実です。
審査で特にチェックされるのは以下のようなポイントです:
- 申請人の学歴・職歴と業務内容との整合性
- 雇用契約内容(給与額、労働条件等)が日本人と同等か
- 企業の実態、財務状況、雇用体制が安定しているか
- 業務内容が在留資格の対象業務にきちんと該当しているか
このような視点から、単に「申請書が揃っている」だけでは足りず、「企業と人材の信頼性」を書類や説明でしっかりと伝える必要があります。
また、外国人雇用が進む中で、地域によってはオーバーツーリズム問題や住環境の変化など、社会的な懸念も指摘されています。これらを踏まえ、2026年7月には国際観光旅客税が現行の1,000円から3,000円に引き上げられるなど、制度面でも見直しが進んでいます。
企業としては、こうした社会的・行政的な流れにも目を向けながら、自社の外国人雇用方針を再構築するタイミングが来ているといえるでしょう。
7. 雇用する側にも“準備”が必要
外国人を雇用する場合、「採用して終わり」ではありません。継続して安定的に働いてもらうためには、企業側にも入念な“受け入れ準備”が求められます。
まず、社内体制の整備が不可欠です。外国人従業員に対して、日本語のサポートはできているか、社内マニュアルは外国人にもわかりやすい内容か、文化の違いによるミスコミュニケーションを防ぐための研修体制があるか。こうした点を軽視すると、せっかく採用した人材が短期間で離職するケースも少なくありません。
また、雇用契約や就業規則の言語対応も重要です。特に外国語に対応していない契約書は、労務トラブルの原因になりやすく、後々大きなリスクに発展することもあります。
さらに、定期的なフォローアップやキャリア面談など、外国人従業員との信頼関係を築く仕組みを整えることも、定着率向上に直結します。
「人材確保」の視点だけでなく、「人材育成・活用」の視点を持つこと。これが、外国人雇用の成功を左右するカギとなります。
8. 今後のビザ・入管制度の動向
今後の入管・ビザ制度は、大きな転換期を迎える可能性があります。特に注目されているのが、現在の技能実習制度の廃止と、新たに検討されている「育成就労制度」の導入です。
従来の技能実習制度は、「国際貢献」の名のもとに発足した一方、実態は安価な労働力としての運用が問題視されてきました。その反省を踏まえ、新制度ではより職業能力の向上と就労環境の整備を重視した仕組みが導入される予定です。
また、将来的には在留資格の統合や再編、さらには電子申請の義務化、雇用管理のデジタル化といった動きも加速すると見られます。こうした変化に適応するには、常に最新の情報をキャッチアップし、社内制度や採用方針に反映させていく柔軟性が求められます。
企業にとって、「知らなかった」では済まされない時代。今後は、外国人雇用を単なるオプションではなく、中長期的な事業戦略として捉える必要があります。
9. 相談件数が増加しています|まずはご相談ください
2025年後半以降、当事務所への外国人雇用に関する相談件数、及び申請件数は前年比で約1.5倍に増加しています。「今すぐ外国人を雇いたい」「在留資格変更が通らなかった」「更新手続きが不安」など、ご相談の内容は多岐にわたります。
初回のご相談では、雇用予定者のプロフィール確認から、希望する職種と在留資格の適合性、必要書類の洗い出し、申請スケジュールのご提案まで、丁寧に対応しています。また、現在の制度下で何ができるのか、将来的にどういった制度改正が予想されるかといった点も、実務ベースでアドバイスいたします。
外国人雇用は、正しいスタートがすべてです。スタートを間違えれば、不許可や離職といった事態にもつながりかねません。だからこそ、制度理解のプロである行政書士との連携が、企業経営にとって大きな安心材料となります。
10. まとめ|外国人雇用は“制度を活かせるか”がカギ
訪日外国人4,000万人時代の到来は、日本企業にとっても大きなチャンスです。ただし、このチャンスを活かせるかどうかは、「制度を知り、正しく運用できるか」にかかっています。
外国人を単に“労働力”として見るのではなく、“共に働く仲間”として受け入れ、制度を活かして支援することが、持続可能な雇用につながります。
ニセコビザ申請サポートセンターでは、ビザ申請や制度運用のサポートはもちろん、企業の採用戦略全体に寄り添ったご提案を心がけています。
外国人雇用に関する不安や疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
