目次
  1. はじめに|2025年10月以降、経営管理ビザ更新の審査が大きく変わった
  2. 緊急告知|2028年10月以降、1人社長では経営管理ビザの更新が不可に
    1. この変更が意味すること
  3. 第1章|経営管理ビザ更新で確認される4つの保険
    1. 1-1 労働保険
    2. 1-2 社会保険
  4. 第2章|それぞれ何を証明する必要があるのか
    1. 2-1 雇用保険の確認内容
    2. 2-2 労災保険の確認内容
    3. 2-3 健康保険・厚生年金の確認内容
  5. 第3章|提出すべき具体的証明書
    1. 3-1 労働保険料等納付証明書
    2. 3-2 社会保険料納入確認書
  6. 第4章|実務で起こりやすい落とし穴
    1. 落とし穴① 「前回と同じ書類で大丈夫」という思い込み
    2. 落とし穴② 労働保険番号を取得していない
    3. 落とし穴③ 証明書の取得が間に合わない
    4. 落とし穴④ 銀行引落の反映タイミングのズレ
    5. 落とし穴⑤ 「納税証明書と同じ感覚」の誤解
    6. 落とし穴⑥ 「加入している=問題なし」という思い込み
  7. 第5章|更新を確実に通すための準備スケジュール
    1. ✅ 更新6か月前のチェック項目
    2. ✅ 更新3か月前のチェック項目
    3. ✅ 更新1か月前のチェック項目
  8. 第6章|行政書士と社労士の役割分担|当事務所のサービス内容
    1. 行政書士と社労士の役割分担
    2. 当事務所(行政書士事務所)のサービス
      1. ✅ ご提供できるサービス
  9. まとめ|経営管理ビザ更新成功の3原則+制度変更への対応
    1. ⚠️ 2025年・2028年 制度変更 早見表

はじめに|2025年10月以降、経営管理ビザ更新の審査が大きく変わった

経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の在留期間更新申請において、2025年10月16日以降の申請分から、新たな書類要件が適用されています。

その最大の変更点が、労働保険料等納付証明書および社会保険料納入確認書の提出が必須化されたことです。これは、従来の更新審査では不要だった書類であり、前回の更新で問題なく通過した申請者にとっても、今回は準備すべき内容がまったく異なります。

⚠️ 「前回と同じ書類で大丈夫」は危険な思い込みです。 前回の更新時に要求されなかった書類が、今回から必須となっています。更新の経験があることが、むしろ「準備不足」につながるリスクがある点を、まず強く認識してください。

また、本記事ではあわせて、2028年10月以降に適用される経営管理ビザの新たな雇用要件についても解説します。この新要件は、社会保険書類の提出義務化と密接に連動しており、現時点から準備を始める必要がある重大な制度変更です。


緊急告知|2028年10月以降、1人社長では経営管理ビザの更新が不可に

本題に入る前に、経営管理ビザを取得・保有しているすべての外国人経営者に知っておいていただきたい、極めて重要な制度変更をお伝えします。

2028年10月以降、経営管理ビザの更新要件として、常勤従業員(日本人または永住資格保有者等)を1名以上雇用していることが必須となる見込みです。

現在、役員1名のみで会社を経営している「1人社長」の状態では、2028年10月以降の更新が認められなくなります。

この変更が意味すること

現状2028年10月以降
1人社長でも更新可常勤従業員1名以上が必須
雇用実態の確認は一部のみ従業員の存在を書類で立証が必要
社会保険は加入確認が中心加入+保険料納付証明が必須

この新要件があるからこそ、入管は現時点から「従業員がいることを前提として」、労働保険・社会保険への適正加入と保険料納付状況を審査しているのです。

つまり、社会保険書類の義務化と1人社長要件の強化は、同じ方向性の制度改正として捉える必要があります。

📌 現在、従業員を雇用していない1人社長の方へ 今から雇用体制の整備と、それに伴う社会保険・労働保険の加入手続きを計画的に進める必要があります。2028年10月まで時間はありますが、採用・雇用・保険加入・実績積み上げには一定の期間が必要です。早期に専門家へご相談ください。


第1章|経営管理ビザ更新で確認される4つの保険

1-1 労働保険

労働保険は、雇用保険労災保険の2種類から構成されます。

① 雇用保険

従業員の失業給付を目的とする保険です。週所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上雇用見込みのある労働者を雇用する事業主は、原則として加入義務があります。外国人経営者本人は通常、被保険者にはなりませんが、従業員を雇用している場合は事業主として適用事業所となる義務があり、その手続きの有無と保険料納付状況が審査対象となります。

② 労災保険

業務中の事故・病気に対する補償を目的とする保険です。1名でも労働者を使用する事業主はすべて強制適用となります。保険料は全額事業主負担です。


1-2 社会保険

③ 健康保険

法人(株式会社・合同会社等)では、経営者を含む常時使用する者全員が強制加入の対象となります。

④ 厚生年金保険

健康保険と同様に、法人において常時使用する者が加入対象です。経営者本人も含まれます。

⑤ 子ども・子育て拠出金

厚生年金保険に加算される形で事業主が負担するもので、厚生年金の手続きと一体的に取り扱われます。


第2章|それぞれ何を証明する必要があるのか

2025年10月16日以降の更新申請では、単に「加入している」という事実だけでは不十分です。入管は以下の2点について証明を求めます。

確認項目内容
① 加入手続きの有無適法に加入手続きを完了しているか
② 保険料の納付状況保険料を期日内に納めているか(未納がないか)

この両方を「証明書」という客観的な書類で立証することが、新制度における審査の核心です。


2-1 雇用保険の確認内容

加入手続き: ハローワークへの「雇用保険適用事業所設置届」の提出完了と、雇用保険適用事業所番号の取得。

保険料納付: 雇用保険料は労災保険料とあわせて「労働保険料」として一括納付します(年度更新)。したがって、保険料の納付証明は「労働保険料等納付証明書」で対応します。


2-2 労災保険の確認内容

加入手続き: 労働基準監督署への「保険関係成立届」の提出と労働保険番号の取得。この番号は、後述する「労働保険料等納付証明書」の取得に絶対に必要です。

保険料納付: 全額事業主負担。雇用保険と合算して年度更新で申告・納付します。


2-3 健康保険・厚生年金の確認内容

加入手続き: 年金事務所への「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の提出。法人は登記後5日以内が義務です。

保険料納付: 毎月翌月末日が原則の納付期限。口座振替の場合、引き落とし後すぐに証明書に反映されないため注意が必要です(詳細は第4章)。


第3章|提出すべき具体的証明書

3-1 労働保険料等納付証明書

項目内容
発行機関都道府県労働局
証明内容労働保険料(雇用保険料+労災保険料)の納付状況
必要なもの労働保険番号

⚠️ 北海道では即日発行ができません

全国的に即日発行が可能な地域もありますが、北海道労働局では即日での発行に対応していない場合があります。申請から発行まで数日〜1週間以上かかるケースも報告されており、更新申請期限の数週間前には申請を済ませることが必須です。

実務上の注意:

  • 労働保険番号がわからない場合は、労働基準監督署またはハローワークで確認してください。
  • 年度更新の申告書控えに番号が記載されています。
  • 直近1年分(前年度確定分)の取得が実務上の標準です。

3-2 社会保険料納入確認書

項目内容
発行機関年金事務所
証明内容健康保険・厚生年金保険料の納付状況(未納の有無)
取得方法年金事務所窓口または郵送申請

⚠️ 銀行引落の反映タイミングへの注意

口座振替で保険料を支払っている場合、引き落とし後しばらくは年金事務所のシステムに反映されません 引落後1週間以上経過してから取得することを推奨します。実態と異なる場合は、通帳コピー等を補足書類として添付する方法を検討してください。


第4章|実務で起こりやすい落とし穴

落とし穴① 「前回と同じ書類で大丈夫」という思い込み

2025年10月16日以降は審査基準が変更されています。 過去の更新経験は、むしろ「以前は不要だったから今回も不要」という誤認につながりやすいため、特に注意が必要です。更新経験のある方ほど、専門家への事前相談が重要です。


落とし穴② 労働保険番号を取得していない

「保険関係成立届」の提出を失念しているケースがあります。従業員を雇用した時点で即手続きが必要であり、番号が存在しなければ証明書を取得できません。更新直前に発覚すると、取り返しのつかない事態になります。


落とし穴③ 証明書の取得が間に合わない

特に北海道では発行に時間がかかります。「必要になったら取ればいい」という発想では対応できません。


落とし穴④ 銀行引落の反映タイミングのズレ

口座振替で支払っていても、引き落とし後すぐには証明書に反映されません。取得タイミングを誤ると直近月が「未納」表示になります。


落とし穴⑤ 「納税証明書と同じ感覚」の誤解

納税証明書(税務署)とは発行機関も手続きも異なります。労働保険料等納付証明書は労働局、社会保険料納入確認書は年金事務所での申請が必要です。


落とし穴⑥ 「加入している=問題なし」という思い込み

加入していても保険料を滞納していれば審査上の問題となります。また、加入開始月と従業員雇用時期が大きくずれている場合も説明を求められることがあります。


第5章|更新を確実に通すための準備スケジュール

✅ 更新6か月前のチェック項目

チェック項目確認内容
前回からの制度変更確認2025年10月改正内容の把握
雇用保険適用事業所番号の確認ハローワークへの届出済みか
労働保険番号の確認労働基準監督署への届出済みか
社会保険適用状況の確認年金事務所への新規適用届済みか
直近の保険料納付状況未納・滞納がないか
2028年要件への対応確認常勤従業員の雇用状況の確認

✅ 更新3か月前のチェック項目

チェック項目確認内容
労働保険料等納付証明書の申請労働局への申請開始(北海道は特に早めに)
社会保険料納入確認書の申請年金事務所への申請開始
引落反映タイミングの確認直近月の保険料が反映済みか確認
補足書類の準備通帳コピー・振替通知書など
納税証明書の取得税務署または取得代行サービスの活用

✅ 更新1か月前のチェック項目

チェック項目確認内容
取得した証明書の内容確認未納・誤記がないか
証明書の有効期限確認発行日から時間が経過していないか
書類一式の最終確認漏れなく揃っているか
専門家の最終チェック行政書士による書類確認

第6章|行政書士と社労士の役割分担|当事務所のサービス内容

経営管理ビザ更新の準備を進める際に、よく混同されるのが行政書士と社会保険労務士(社労士)の業務範囲です。それぞれの役割を正しく理解することが、スムーズな準備につながります。

行政書士と社労士の役割分担

業務内容行政書士社労士
経営管理ビザ更新申請の作成・代行
労働保険・社会保険の加入手続き代行
雇用保険適用事業所設置届
保険関係成立届(労働基準監督署)
健康保険・厚年金 新規適用届
納付証明書・納税証明書の取得代行

当事務所(行政書士事務所)のサービス

当事務所は行政書士事務所です。 労働保険・社会保険の加入手続き自体は、行政書士の業務範囲外となるため承ることができません。

しかし、以下のサービスを通じて、更新準備をトータルでサポートいたします。

✅ ご提供できるサービス

① 経営管理ビザ更新申請の作成・提出代行 申請書類の作成から出入国在留管理局(入管)への提出まで、一貫して取次対応いたします。

② 英語対応可能な社労士のご紹介・連携 労働保険・社会保険の加入手続きが未完了の方、または手続きに不安がある方に対し、英語でのコミュニケーションが可能な社会保険労務士をご紹介いたします。当事務所と連携することで、ビザ更新と保険加入手続きを並行して進めることができます。

③ 社会保険料・労働保険料 納付証明書の取得代行 「労働保険料等納付証明書(労働局)」および「社会保険料納入確認書(年金事務所)」の取得を、経営管理ビザ更新申請とセットで代行いたします。窓口への往訪が難しい方や、どの書類を取ればよいかわからない方に特におすすめです。

④ 納税証明書一式の取得代行 法人税・消費税等の納税証明書(税務署発行)についても、一括して取得代行が可能です。更新に必要な証明書類をまとめてお任せいただけます。

💡 こんな方にご活用ください

  • 忙しくて各窓口(労働局・年金事務所・税務署)に行く時間がない方
  • どの書類を、どこで、いつ取ればよいかわからない方
  • 前回の更新から制度が変わっていて、何が必要か整理できていない方
  • 日本語での手続きに不安がある方(英語対応可)

まとめ|経営管理ビザ更新成功の3原則+制度変更への対応

経営管理ビザの更新審査は、「経営の実態証明」と「法令遵守体制の立証」の両輪で評価されます。2025年10月16日以降の制度変更と、2028年10月以降の雇用要件強化を踏まえ、以下の3原則を軸に準備を進めてください。


更新成功の3原則

① 適正加入 雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金の4保険へ、適法に加入手続きを完了していること。未加入の場合は、英語対応社労士との連携で早急に対応。

② 期日内納付 保険料を滞納なく、期日通りに納付し続けていること。「加入している」だけでは不十分。

③ 余裕ある証明書準備 証明書は即日取得できないことを前提に、数か月前から計画的に準備。取得代行サービスの活用も有効。


⚠️ 2025年・2028年 制度変更 早見表

変更内容適用時期
社会保険・労働保険 納付証明書の提出が義務化2025年10月16日〜
1人社長での経営管理ビザ更新が不可に(常勤従業員1名以上が必須)2028年10月〜

準備は早ければ早いほど選択肢が広がります。「今の状態で更新できるか不安」「2028年に向けて何をすべきか確認したい」という方は、まずは当事務所へご相談ください。