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はじめに:データが示す「意外な真実」

2026年2月28日、警察庁が公表したデータが、多くのメディアで取り上げられました。そのデータとは、「外国人による犯罪摘発件数が、過去20年間で約4割減少した」というものです。

この事実は、SNSやインターネット上で広がる「外国人が増えると治安が悪化する」という言説とは、まったく逆の内容でした。

実際には、日本に住む外国人の数は、2001年の約201万人から2025年には約395万人へとほぼ倍増しています。それにもかかわらず、犯罪摘発件数は減少しているのです。つまり、外国人全体における犯罪関与率は、明確に低下しているということです。

私は行政書士として、日々、在日外国人の方々のビザ申請や在留資格の手続きをサポートしています。また、外国人を雇用する企業の経営者や人事担当者からのご相談にも数多く対応してきました。

その経験から言えるのは、多くの在留外国人が日本社会のルールを守り、真面目に働き、暮らしているという事実です。そして、適切な受け入れ体制とサポートがあれば、外国人材は企業にとって大きな戦力となり得るということです。

本記事では、今回のデータが示す意味を深く掘り下げ、在日外国人と外国人雇用企業の双方にとって有益な情報を、行政書士の視点からお伝えします。


第1章:警察庁データが示す「外国人摘発4割減」の意味

1-1. 摘発件数の推移と背景

警察庁の犯罪統計を分析した結果、2021年から2025年の5年間に摘発された外国人は合計5万6706人でした。これは、ピークだった2001年から2005年の9万3899人と比較して、約4割の減少です。

さらに注目すべきは、この減少が全国的な傾向であるという点です。40の都道府県で摘発人数が減少しており、特に長野県では73.2%もの減少率を記録しています。

1-2. 在留外国人数の増加と犯罪率の低下

同じ期間に、日本に住む外国人の数は201万人から395万人へとほぼ倍増しました。この数字と摘発件数の減少を組み合わせると、外国人全体における犯罪関与率が大幅に低下していることが明らかになります。

1-3. なぜこのデータが重要なのか

現在、SNSを中心に「外国人増加=治安悪化」という主張が拡散されることがあります。しかし、実際のデータはそれを否定しています。

感情や印象ではなく、客観的なデータに基づいた冷静な議論が求められる時代です。特に、企業が外国人材の採用を検討する際には、こうした正確な情報が不可欠です。


第2章:在留外国人が「犯罪を犯さない」理由

2-1. 在留資格制度による選別と管理

日本の在留資格制度は、世界的に見ても厳格です。在留資格を取得するためには、一定の条件を満たす必要があり、その審査は入国管理局によって厳密に行われます。

たとえば就労ビザの場合、学歴や職歴、雇用契約の内容、企業の経営状況などが細かくチェックされます。また、素行が良好であることも求められます。

この制度によって、日本に滞在する外国人の多くは、一定の社会的信用を持つ人々であると言えます。

2-2. 在留外国人のモチベーション

多くの在留外国人にとって、日本での生活は「選択」です。母国を離れ、異なる文化や言語の中で生活することは簡単ではありません。それでも日本を選ぶのは、「ここで働きたい」「家族と暮らしたい」「安全で豊かな生活を送りたい」という強い動機があるからです。

そのため、多くの外国人は、在留資格を維持し、日本社会に適応するために、ルールを守り、真面目に生活しようとします。

2-3. 地域社会との関係

私がこれまでサポートしてきた外国人の方々の多くは、地域のコミュニティに積極的に参加し、日本人住民との良好な関係を築いています。子どもを地域の学校に通わせ、地域のイベントに参加し、ゴミ出しのルールを守る。そんな当たり前の日常を大切にしている方々です。


第3章:企業が知るべき「外国人雇用」の基礎知識

3-1. 外国人を雇用するメリット

人手不足が深刻化する中、外国人材の採用は多くの企業にとって現実的な選択肢となっています。外国人雇用のメリットには、以下のようなものがあります。

・人材不足の解消
・多様な視点やスキルの獲得
・グローバル市場への対応力強化
・社内の活性化と多様性の促進

3-2. 在留資格の種類と就労可能範囲

外国人を雇用する際に最も重要なのが、「在留資格」の確認です。在留資格によって、就労可能な業務内容が厳密に定められています。

代表的な就労ビザには、以下のようなものがあります。

・技術・人文知識・国際業務:エンジニア、通訳、営業、企画など
・技能:調理師、建築技能者など
・特定技能:介護、建設、農業など14分野
・技能実習:製造業、農業などでの実習

また、「永住者」や「日本人の配偶者等」といった身分系の在留資格を持つ外国人は、就労制限がありません。

3-3. 雇用時の注意点

外国人を雇用する際には、以下の点に注意が必要です。

・在留カードの確認:有効期限や就労制限の有無
・在留資格と業務内容の一致:資格外活動にならないか
・雇用契約書の作成:日本人と同等以上の待遇
・ハローワークへの届出:外国人雇用状況の届出義務

これらを怠ると、企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があります。


第4章:ビザ申請・在留資格手続きの実務

4-1. ビザ申請の流れ

外国人が日本で働くためには、適切な在留資格を取得する必要があります。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 在留資格認定証明書の申請(海外在住の場合)
  2. 査証(ビザ)の取得(在外日本大使館)
  3. 日本への入国
  4. 在留カードの受領

すでに日本にいる外国人の場合は、在留資格の変更申請を行います。

4-2. 必要書類と審査のポイント

ビザ申請には多くの書類が必要です。代表的なものには、以下があります。

・申請書
・写真
・パスポート
・雇用契約書
・会社の登記簿謄本
・決算書類
・卒業証明書、職歴証明書
・理由書

審査では、「なぜその外国人を雇用する必要があるのか」「業務内容と学歴・職歴が一致しているか」「企業に支払い能力があるか」などが重点的にチェックされます。

4-3. 更新手続きの重要性

在留資格には有効期限があります。更新を怠ると、在留資格を失い、日本にいられなくなる可能性があります。

更新申請は、有効期限の3か月前から可能です。余裕を持って準備することが重要です。


第5章:行政書士がサポートできること

5-1. 複雑な手続きを代行

ビザ申請は、必要書類が多く、記載内容も専門的です。また、入国管理局の審査基準は明文化されていない部分も多く、経験に基づく判断が求められます。

行政書士は、こうした複雑な手続きを代行し、スムーズな申請をサポートします。

5-2. 企業の外国人雇用体制の構築

外国人を継続的に雇用する企業には、適切な受け入れ体制が必要です。行政書士は、以下のようなサポートを提供できます。

・在留資格管理体制の構築
・社内向けマニュアルの作成
・定期的な更新手続きのサポート
・トラブル発生時の対応

5-3. トラブル予防と問題解決

万が一、在留資格に関するトラブルが発生した場合も、行政書士は適切なアドバイスと対応を行います。たとえば、

・不許可になった場合の再申請
・資格外活動が疑われる場合の対応
・在留期限切れへの緊急対応

などです。


第6章:これからの日本と多様性

6-1. 避けられない「多様性社会」の到来

日本の人口減少と高齢化は、今後も加速します。労働力不足を補うためには、外国人材の受け入れが不可欠です。

政府も、特定技能制度の拡充や、高度人材の受け入れ促進など、外国人材の活用を積極的に進めています。

6-2. 企業に求められる姿勢

外国人材を単なる「労働力」として見るのではなく、「共に働く仲間」として尊重する姿勢が重要です。

文化や価値観の違いを理解し、働きやすい環境を整えることで、外国人材は長期的に企業に貢献してくれます。

6-3. 地域社会の役割

外国人が安心して暮らせる地域社会をつくることも重要です。言葉の壁、文化の違い、孤立感。こうした課題に対して、地域全体で支援していく必要があります。


まとめ:データに基づく冷静な判断を

今回の警察庁のデータは、「外国人増加=治安悪化」という誤った認識を明確に否定するものでした。

私たちニセコビザ申請サポートセンターは、日々、在留外国人と企業の「架け橋」として、適法で円滑なビザ手続きをサポートしています。

外国人材の受け入れに不安を感じている企業の方、ビザ手続きでお困りの外国人の方、どうぞお気軽にご相談ください。

正しい知識と適切なサポートがあれば、外国人との共生は決して難しいことではありません。

一緒に、多様性ある豊かな社会をつくっていきましょう。

参考記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/c985c6e6e005ee9decd0cee041443be049882b22