目次
1. はじめに:ニュースから見える外国人雇用の現実
2025年8月、約19年間不法に在留していたスリランカ人男性が逮捕されたニュースが報じられました。
男性は短期ビザで2006年に入国後、在留期限を超えて滞在。中古車を外国に輸出する仕事をしていましたが、北海道で仮ナンバーの車を運転中に職務質問を受け、パスポート不携帯で現行犯逮捕となりました。
この事例は、外国人雇用を行う企業や人事担当者にとって、決して無視できない重要な示唆を与えています。
2. 不法在留がもたらす企業へのリスク
不法在留者を雇用してしまうと、企業は以下のようなリスクに直面します。
- 入管法違反による罰則:知らなかった場合でも、確認義務を怠れば罰則対象。
- 信用失墜:違反事実が公になると企業ブランドのイメージ低下につながる。
- 業務停止の可能性:許認可事業の場合、行政処分の対象となることも。
3. なぜ長期不法在留が可能だったのか
この男性が19年間も不法に滞在できた背景には、制度の変遷があります。
- 2012年以前は外国人登録証明書制度で、現在の在留カード制度よりも管理が緩やか。
- 住所変更や期限更新が自己申告制に近く、情報が追跡されにくかった。
- 職場側の確認も形式的になりやすく、結果として発覚までに時間がかかる。
4. 現在の制度はより厳格に
現在は在留カード制度が導入され、以下のような点が強化されています。
- 在留カード番号と有効期限をオンラインで照会可能。
- 更新を怠れば、入管から連絡や調査が入る。
- 在留資格ごとに就労可能な業務が明確に区分されている。
5. 採用時の必須チェック項目
外国人を採用する際には、次の確認が必須です。
- 在留カードの表裏コピーを取得し、有効期限を確認。
- パスポートで入国日・在留期限を照合。
- 資格外活動許可の有無を確認(アルバイトや副業が許可されているか)。
- 在留資格と業務内容の適合性を確認。
6. 雇用後の定期確認体制
採用時だけでなく、勤務中も以下の体制を整えることが重要です。
- 社員リストに在留期限を記録し、期限が近づいたら自動通知。
- 半年ごとに在留カードとパスポートの有効性を再確認。
- 更新申請中の場合は、申請受付票や特例期間の証明を確認。
7. 業務内容と在留資格のマッチング
例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、通訳やエンジニア業務は可能ですが、単純労働は不可。
資格に合わない業務をさせた場合も、資格外活動違反となります。
8. 専門家を活用するメリット
行政書士などの専門家を活用すれば、
- 最新の入管法改正情報の入手
- 書類確認や期限管理のアウトソース
- 難しい事例への迅速対応
が可能になり、企業の負担を減らしつつコンプライアンスを守れます。
9. 在日外国人本人へのアドバイス
もし在留期限や資格に不安がある場合は、早めに専門家や入管相談窓口へ。
「期限が切れても黙っていれば大丈夫」という時代は終わっています。
適法な在留資格は、安定した生活やキャリア形成に直結します。
10. まとめ:ルール遵守が信頼の基盤
外国人雇用は多様性を生み、事業の可能性を広げます。
しかし、それを支えるのは法令遵守と適切な管理体制です。
雇用する側も、働く側も、安心して活躍できる環境づくりのために、今こそ在留資格管理を徹底しましょう。