はじめに:白バス行為ってなに?

2025年8月、沖縄で「白バス行為」を行っていた個人4名と法人1社が、道路運送法違反により行政処分を受けました。
彼らは、主に中国人観光客を自家用バスで送迎し、報酬を得ていたことが発覚。
観光地でよく見かけるような「便利なサービス」が、実は違法行為となっていたのです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ba03ec5e7fa327f92821d9ae58b273873229e6aa

本記事では、この事案をもとに、外国人を雇用・支援する企業が知っておくべき法制度について解説します。
とくに、「車両を使ったサービス」に関する注意点を中心にお伝えします。


白バス行為の概要|沖縄の事例から

報道によれば、今回の行政処分の内容は以下の通りです。

  • 中国人観光客27名を、自家用マイクロバスで送迎
  • 1回の送迎で4万円以上の報酬を受け取る
  • 依頼はSNS経由で、運転手は元中国籍の帰化者
  • 法人が報酬の窓口となり、事実上“営業”していた

重要なのは、「金銭の授受があったかどうか」です。
どんなに善意であっても、有償で旅客を運んだ時点で道路運送法違反に問われる可能性があります。


道路運送法の基本|許可が必要な旅客運送とは?

道路運送法では、次のように定められています。

他人を自動車により運送し、その対価を受け取る行為には、国の許可(一般旅客自動車運送事業許可)が必要。

つまり、「送迎」と「お金」がセットになった時点でアウト。

特に企業や事業主が関与する場合、法人責任や業務上過失が問われることもあり、行政処分だけでなく刑事罰の対象にもなります。


外国人との関わりで起きがちなグレーゾーン事例

実際の現場では、次のような“うっかり”が白バス行為とみなされることがあります。

1. SNSで依頼を受けた副業送迎

→ 外国人従業員がSNSでツアー依頼を受け、会社の車で送迎してしまう。

2. 通訳業務+送迎サービスのセット提供

→ 正規のガイド業務のつもりが、車での移動を含めると違法に。

3. 社用車の“貸し出し”による送迎

→ 法人車両を私的利用させた結果、会社が報酬を受け取る形に。

このような行為が「営業」に該当すれば、道路運送法違反として処分対象になります。


在日外国人にとっての重大な影響とは?

今回のような事案に関与すると、在日外国人本人にも深刻な影響があります。

  • 有罪判決を受けた場合、在留資格の更新・変更が難しくなる
  • 再入国禁止や、永住許可への影響も考えられる
  • 「知らなかった」では済まず、日本の法制度に適応できないと見なされるリスク

企業としても、従業員の法令違反が企業の社会的信用に波及するため、リスク管理が求められます。


行政書士として伝えたいこと:リスクを未然に防ぐ体制づくりを

外国人を支援したいという想いで始めた活動が、知らず知らずのうちに制度違反になってしまう──
これは決して他人事ではありません。

行政書士として関与する中で、以下のようなポイントが見えてきます。

✅ 社内ルールの整備

  • 社用車の使用目的・範囲を明確にする
  • 副業・兼業に関するガイドラインを設ける

✅ 外国人従業員への定期的な法制度説明

  • 日本でのビジネスに必要な許認可の考え方を理解させる
  • SNS利用による業務のリスクを啓発する

✅ 不明点があれば、専門家に相談

  • たとえ単発の相談であっても、法制度の壁はプロの視点でチェックすべきです

まとめ:善意やついでが違法になる前に

白バス行為は、想像以上に身近なリスクです。
SNSや知人経由での依頼、副業感覚でのサービス提供、企業側の暗黙の容認……。
いずれも処分や摘発の対象になる可能性があります。

外国人を支援する、雇用する、共に働く──
その関係性を守るためには、日本の制度に沿った対応が不可欠です。

知らなかったでは済まされない時代。
今こそ、自社の体制と実態を見直すタイミングかもしれません。

ご相談はいつでもお気軽にどうぞ。ニセコビザ申請サポートセンターは制度の翻訳者として、現場に寄り添ったサポートを行います。