最近、日本の経営管理ビザ制度を巡る衝撃的なニュースが報じられました。SNS型の投資詐欺によって得られた約500億円もの不正資金がマネーロンダリングされ、その資金が不動産購入に充てられ、さらに経営管理ビザの取得目的にも悪用されていたという内容です。
問題は、その手口の巧妙さにあります。実際には事業活動の実態がないにもかかわらず、会社を設立し、その不動産を会社所在地として登記。形式的には経営管理ビザの要件を満たしているように見せかけるというもので、いわゆる「ペーパーカンパニー」を用いた不正取得が行われていたとされます。
このようなケースは、日々真剣に起業を目指す外国人の方々にとって非常に残念な出来事です。制度が悪用された結果、ビザ制度全体への不信感が高まり、真面目に取り組む外国人起業家までもが厳しい目で見られてしまう恐れがあるからです。
経営管理ビザは、本来、日本での事業活動を通じて経済を活性化する目的で設けられた在留資格です。基本的な要件としては以下の通りです:
✅ 資本金500万円以上の投入
✅ 会社設立と所在地の確保
✅ 常勤職員2名以上の雇用、またはそれに相当する規模の経営
✅ 継続性・収益性を伴う事業計画の提示
ただし、これらの要件が形式的に整っていても、実質的な事業活動が伴わなければ、在留の正当性は問われます。最近では、審査当局も「本当に事業が行われているか」に注目し、現地調査や追加資料の提出を求めるケースが増えてきました。
私がこれまで支援してきた外国人起業家の多くは、会社設立から事業運営、従業員の雇用、日本語での契約対応まで、非常に誠実に取り組まれています。「ちゃんとやってるのに、制度の悪用者と同じように見られるのはつらい」という声も少なくありません。
このような不正の発覚を契機に、今後は制度の見直しや審査の厳格化が進む可能性があります。これは本来歓迎されるべきことですが、過剰な規制が真面目な起業家にとっての障壁となってしまっては本末転倒です。
そこで大切なのは、制度の正しい理解と、信頼できる専門家の支援です。起業や経営管理ビザの取得を考える外国人の方は、以下の点をしっかりと準備する必要があります:
✅ 正確な会社設立手続きと法人登記
✅ 資本金の正当な調達と資金計画
✅ 実現可能な事業計画の策定
✅ 雇用体制と労務管理の整備
✅ 契約書や賃貸契約の内容確認
行政書士として、私はこうした準備段階から丁寧に支援し、ビザ取得後の運営サポートまで幅広く対応しております。信頼に基づいた手続きこそが、今後ますます求められる「安心・正当な在留」の基本です。
もし今、日本での起業や経営管理ビザの取得をご検討中であれば、どうぞ早めにご相談ください。制度を正しく活用し、前向きに第一歩を踏み出せるよう、共に考え、サポートさせていただきます。