外国人の不動産所有に関する制度が大きく変わろうとしています
近年、日本国内で外国人による不動産取得が急増しています。とくに都市部や観光地においては、外国籍の個人や法人による土地・マンションの購入が目立つようになりました。こうした状況を受けて、政府は2027年度を目処に、外国人の不動産所有に関する新たな制度を導入する方向で動いています。
新制度の核となるのは、「国籍を含む不動産所有情報の一元管理」です。これまでは、不動産登記の際に所有者の国籍を届け出る義務はなく、外国人が日本国内の不動産を取得しても、登記簿上はその事実を読み取ることができませんでした。そのため、どこの国の誰が、どのような目的で土地や建物を所有しているのかを把握することは極めて困難だったのです。
政府が今回打ち出した新制度では、マンションや土地を取得した際に、外国人である場合は「国籍」の届け出が義務づけられる見通しです。さらに、すべての不動産情報を統合管理できる「不動産ベース・レジストリ(レジストリ=台帳)」というデータベースを活用し、国全体で外国人の不動産所有状況を可視化していく方針です。
この制度改正は、外国人自身だけでなく、彼らを雇用する企業や人事担当者にも無視できない影響を与えます。たとえば、在日外国人社員が住宅を購入する場合、その手続きや必要書類が大きく変わる可能性があるため、企業としても支援体制の見直しが求められるでしょう。
今後、制度の詳細が順次明らかになるなかで、企業・個人ともに「知らなかった」では済まされない局面が増えていきます。行政書士として、私たちはこの制度の正確な情報提供と、実務に即したアドバイスを通じて、在日外国人や雇用企業の皆さまをしっかりとサポートしてまいります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6e92d605f6629a908699c7c7c7f709fd4a136eb
背景にある社会的な不安と政策の方向性
今回の制度改正の背景には、単なる行政的な都合ではなく、日本社会全体に広がる“見えない不安”が存在しています。
まず第一に、「外国人による土地の買い占め」という懸念です。特に北海道など広大な土地が売買される地域では、外国籍の個人や法人が森林や農地を購入し、実態が不明のまま放置される事例が報告されています。また、水源地が外国資本に買収されているとの噂がネット上で拡散し、地域住民の間で「水が奪われるのではないか」という不安が高まっています。
こうした背景から、国民の間では「このままでは日本の資源や国土が他国に支配されるのでは」といった漠然とした不信感が広がりつつあります。また、都市部では、外国人富裕層による不動産投資がマンション価格の上昇に拍車をかけているとの指摘もあります。これは、住宅を必要とする一般の日本人にとって大きな問題であり、政策的対応が急務とされてきました。
これらの不安を受け、政府は土地や不動産の「所有実態を把握できる仕組み」を整備する必要性を強く認識しました。その中核となるのが、今回の「国籍登録の義務化」および「一元管理データベースの構築」です。
制度の整備が進むことで、日本国内における不動産の所有構造が可視化され、政策的な対応も取りやすくなります。たとえば、特定の地域で外国人による取得が過度に進んでいる場合、その地域における取引の制限や、税率の調整なども視野に入ってきます。つまり、この制度は「管理のための制度」であると同時に、将来的な「規制の基盤」になる可能性を秘めているのです。
こうした状況を踏まえると、外国人やそれを雇用する企業にとって、「登記情報がどう扱われるのか」「国籍情報の取り扱いはどうなるのか」といったポイントを早期に理解しておくことは非常に重要です。今後、より透明性が求められる時代に突入する中で、しっかりと法令を理解し、適切な対応を取ることが不可欠となるでしょう。
新制度の概要:2027年度にも始動予定の国籍登録と不動産一元管理
では、具体的にどのような制度が導入されようとしているのでしょうか。2027年度の運用開始を目指して、政府が進めているのが「外国人による不動産所有情報のデータベース化」と「国籍情報の登録義務化」です。
まず中核となるのが、デジタル庁が整備する「不動産ベース・レジストリ」の活用です。これは、従来バラバラだった不動産の登記情報を一元化するもので、所有者情報や物件の種別、位置、面積などを電子的に管理する仕組みです。このシステムに、今後は「所有者の国籍情報」も追加される方針です。
これまでの制度では、たとえばマンションや戸建て住宅を外国籍の方が購入しても、登記簿上は国籍の記載がされず、行政側がその実態を把握することが困難でした。新制度では、これを明確にし、不動産取得時に「国籍を届け出ること」が義務づけられます。これにより、政府は「誰が」「どこの国の人が」「どこに」「どんな不動産を所有しているのか」を正確に把握できるようになります。
また、対象となる不動産は、単なる住宅やマンションだけではありません。森林や農地、さらには国境離島や防衛施設周辺など、いわゆる「重要土地」も含まれる予定です。これにより、外国人による戦略的土地の取得にも一定の歯止めをかける狙いがあります。
さらに、外国人が国内法人を通じて不動産を取得した場合でも、その法人の主要な株主や役員が外国籍であるならば、実質的には「外国人による所有」と見なされ、国籍情報の届け出が必要になる方向です。これは、名義を巧妙に使い分けた実態の見えにくい所有形態にもメスを入れる動きと言えるでしょう。
このように、新制度は非常に広範で、かつ抜け道を許さない仕組みとして構築されつつあります。企業や外国人個人は、これらの変化を正しく理解し、必要な準備を進めていくことが、将来的なリスク回避につながります。行政書士として、私たちは制度の最新情報をもとに、具体的な対策の立案・実行をお手伝いしております。
登録対象と想定されるエリアとは?
今回の新制度において、登録義務が課される対象不動産は非常に多岐にわたります。単に都市部のマンションや戸建て住宅にとどまらず、政府が特に重要と位置づける資源エリアや国防関連地域にまで広がる見込みです。
具体的には、以下の3つが主な対象です。
- 都市部のマンション・戸建て住宅などの不動産登記
- 森林や農地など、自然資源に関わる地域
- 国境離島、防衛施設の周辺、重要インフラを含む「重要土地等」
まず、最も広く関係してくるのが、都市部を中心としたマンションや戸建て住宅の登記です。これまでこれらの物件を外国籍の方が購入しても、国籍の記載義務がなく、登記情報からはその実態を把握できませんでした。しかし、新制度では、これらの住宅についても「誰が」「どの国籍で」所有しているのかを明確に登録する必要があります。
次に、森林や農地といった資源型不動産が挙げられます。特に森林については、過去に外国人資本による大規模な買収が問題視された経緯があります。北海道などでは、水源地を含む広大な森林が外国籍の投資家により取得されており、現地住民の間で強い不安が生まれました。今回の制度改正は、こうした地域の実態把握を目的としています。
さらに、注目すべきは「重要土地等調査・規制法」で定められたエリアです。これは国境離島、防衛施設周辺、原子力発電所、空港など、安全保障上特に配慮が必要とされる地域です。これらの土地については、所有者が外国籍である場合に、取得・利用に関する規制がすでに一部導入されていますが、今後はさらに詳細な登録が求められ、政府による監視体制が強化される可能性があります。
行政書士として現場に立つ立場からお伝えすると、特定地域での不動産取得を検討している外国人クライアントがいる場合は、事前にその土地が「規制対象エリア」かどうかを確認することが極めて重要になります。また、将来的に制限が加えられる可能性がある地域については、取得後の利用・転売に影響を及ぼすことも想定されるため、慎重なアセスメントとリスクマネジメントが必要です。
法人所有と間接取得も対象に?見逃せないポイント
外国人による不動産取得には、個人名義だけでなく、日本国内に設立した法人を通じた「間接取得」というルートがあります。これまで多くの外国籍の方が、税務上や取得要件上の理由から、日本法人を設立して不動産を取得するという方法を取ってきました。これによって、登記上の所有者は「日本法人」となり、一見すると国内資本による所有のように見えるため、当局の目をすり抜ける構造となっていたのです。
しかし今回の制度見直しでは、この「法人所有」についても徹底的な実態把握が進められる方向です。
政府が示している方針では、法人名義で不動産を取得する場合でも、その法人の主要株主や役員の国籍についての届け出が必要になります。特に、外国籍の人物が過半数の議決権を持つ法人、あるいは実質的に支配していると判断される法人については、「外国人による取得」とみなされる可能性が高いです。
これは、名義上は日本法人であっても、実質的には外国人が所有していることに変わりはない、という考え方に基づいています。いわば「形式主義」から「実質主義」への転換です。
このような制度が導入されれば、「日本法人をつくれば安心」という従来の発想は通用しなくなります。今後は、法人設立時の目的や構成、持株比率に至るまで、国籍との関連を明確にする必要があります。特に企業経営者や投資家の皆さまにとっては、登記時に求められる情報量が増えるだけでなく、届け出漏れによる行政指導や罰則リスクも無視できません。
弊所では、こうした法人スキームを用いた不動産取得に関しても、設立段階から丁寧なヒアリングと実務サポートを行っています。国籍情報の取り扱いに関する新制度に適合した形での法人設計・運用が今後ますます重要になってくるでしょう。
企業への影響:外国人社員の不動産取得支援に注意
外国人を雇用している企業にとって、社員が安心して生活できる環境を整えることは、人材確保と定着率向上の観点から非常に重要です。その中でも「住居の確保」は、実務上避けて通れない大きな課題です。
とくに管理職や専門職など、中長期滞在を前提とした在留資格を有する外国人社員が増えている中、自ら不動産を購入したいと考えるケースも増加傾向にあります。これまでであれば、企業が提携する不動産会社を通じて比較的スムーズに物件購入が行われていたかもしれません。しかし、今後はそうもいかなくなります。
新制度の導入により、外国籍の社員がマンションや戸建てを購入する際、国籍登録が義務付けられる可能性が高くなります。登記情報に国籍が明記されることで、行政による監視が及ぶだけでなく、ローン審査や物件の購入手続きそのものが煩雑になることが予想されます。
企業の人事担当者・総務担当者の皆さまにおかれましては、外国人社員の住居支援について「これまで通り」ではなく、「新しい制度のもとでどのような義務やリスクが生じるのか」を再点検することが求められます。制度が施行される前の今だからこそ、行政書士など専門家の意見を取り入れながら、就業規則や福利厚生制度の見直しを進めておくことが、将来的なトラブルの予防につながります。
外国人本人への影響:マイホーム購入や投資が複雑化?
在日外国人の方が日本で生活を送る中で、長期的な定住を視野に入れて「マイホームの購入」を希望するのは自然な流れです。また、母国との二拠点生活や、資産形成を目的とした「投資用不動産の取得」も近年では増えています。
しかし、今回の新制度の導入によって、こうした不動産取得にはいくつかの新しいハードルが生まれます。
まず第一に、「国籍登録の義務化」です。マンションや一戸建てなどを取得する際には、登記時に国籍を届け出る必要が出てくるため、これまでよりも登記申請時の手続きや必要書類が増えることが予想されます。特に、自身で手続きを進める場合には、法務局への相談や専門家への依頼が不可欠になるかもしれません。
また、住宅ローンの審査においても「国籍情報が登記に明記される」という点が与える影響は無視できません。金融機関が外国籍という点を慎重に判断する可能性もあり、借入条件や金利設定に変化が出ることも考えられます。
さらに、海外在住の外国人が日本国内の不動産を投資目的で購入するケースにおいては、現在は外為法上「事前届出」が必要な場合に限定されていますが、今後はこの対象が大幅に拡大される見通しです。つまり、「知らなかった」では済まされない届け出義務が発生し、それに違反すると罰則が科される恐れもあります。
このように、在日・在外問わず外国人の不動産取得は、今後より複雑化・厳格化していく方向に進みます。ご本人にとってはもちろん、サポートする家族や関係者にとっても、制度理解と専門家によるサポートが不可欠です。行政書士としては、事前のヒアリングとリスク分析を徹底し、安心して購入・運用できるようにお手伝いしております。
行政書士が見る「今からできる」備えと対応策
2027年度の制度運用開始に向け、すでに政府内では法改正や関係省庁による具体的な省令の検討が始まっています。運用開始まであと2年強ありますが、現実的にはそれまでの間に段階的な準備や周知が進められることは間違いありません。
そのため、企業や個人にとっては「施行されてから対応する」では遅く、今からできる備えを着実に進めていくことが極めて重要です。行政書士の立場から見ると、以下のような対応が現時点で可能かつ有効と考えています。
まず1つ目は、社員や関係者による不動産取得状況の把握です。特に外国人を雇用している企業では、社員がすでに不動産を所有している場合や、購入を検討しているケースもあるはずです。まずは、その実態を把握することが制度対応の第一歩となります。
次に、法人名義で不動産を所有している場合の「実質的所有者の国籍」情報の確認です。今後は法人登記情報や役員構成も対象になる可能性が高く、法人を通じた取得が「外国人によるもの」と判断されることもあるため、リスクの洗い出しが必要です。
また、将来的な登録義務を見越して、現時点での登記内容を精査することも大切です。登記簿の記載内容が最新であるか、名義変更が適切に行われているか、不備がないかなどを確認し、不足があれば補正や補足措置を講じることが求められます。
そして、行政書士等への早期相談を検討することも重要なステップです。制度の運用前後では、法解釈や提出書類の内容が変わることが十分予想されます。専門家の知見を取り入れることで、不要なトラブルやペナルティを回避できます。
特に企業の人事・総務部門の皆さまにおかれては、社員の不動産支援と法令遵守のバランスをどう取るかが今後の課題となります。社内ルールの見直しやガイドラインの整備も含め、計画的な対応をおすすめいたします。
まとめ:情報の透明化時代に求められる「専門家の伴走」
不動産を巡る制度は、いま大きな転換点を迎えています。今回の改正は、単に外国人を規制するための制度ではなく、不動産取引の「透明性」と「信頼性」を高めることを目的としています。つまり、これまで“見えなかったもの”を見える化することで、社会的・経済的な不安を解消しようという流れです。
しかしその一方で、制度の複雑化や手続きの増加により、個人や企業にかかる実務的な負担は確実に増します。登記情報の変更、国籍情報の届け出、法人構造の見直しなど、専門知識が求められる場面が多くなるでしょう。
そんな時にこそ必要なのが、信頼できる専門家の存在です。行政書士は、制度の解釈だけでなく、実際の手続きや運用面での“橋渡し”を担える存在として、ますますその重要性が高まっています。
私たちニセコビザ申請サポートセンターは、単なる書類作成の代行者ではなく、制度に適応しながら安心して不動産取引を進められるよう支援する「伴走者」でありたいと考えています。
いま動くかどうかが、数年後の安心を左右します。制度が完全に始まるその前に、できる備えを一緒に進めていきましょう。まずはお気軽にご相談ください。
