1. はじめに:注目される外国人政策と企業への影響
2025年12月、小野田紀美大臣が国会にて「ルールを守って暮らしている外国人の方々が風評被害を受けないように」と発言されたことは、外国人政策における大きな転換点となり得るものでした。この発言は、在日外国人だけでなく、彼らを雇用している、あるいはこれから雇用しようと考えている企業にも大きな意味を持ちます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb455de4b03adf31ad854e1389cd72be8e3b229d?page=1
今や多くの企業が、慢性的な人手不足の解消手段として、外国人材の採用を検討・実施しています。しかしその一方で、「外国人を雇うことへの不安」や「周囲の目を気にして踏み出せない」という声も少なくありません。今回の大臣の発言は、まさにそうした企業の不安に対し、「正しく対応すれば何も恐れることはない」というメッセージとしても受け取ることができます。
私たち行政書士のもとにも、外国人雇用に関する相談が日々寄せられています。中には「知らずに不法就労をしていた」「適切な手続きができていなかった」といったケースもあり、企業側の知識不足や制度理解の不足がトラブルの原因になることが多いのが実情です。
日本が外国人とともに歩む社会を目指すのであれば、「法律を守って真面目に働く外国人を支える」という姿勢が社会全体に求められます。そして、そのカギを握るのが、外国人を直接雇用する企業の姿勢と対応です。
このブログでは、小野田大臣の発言をもとに、今の政府のスタンス、そして企業が今後とるべき対応について詳しく解説していきます。行政書士としての視点から、実務に即したアドバイスも交えながらお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
2. 小野田大臣の発言に見る政府のスタンス
小野田大臣の発言には、「外国人に厳しい政策」という印象を持たれる方もいるかもしれません。しかし、その真意はむしろ逆であり、「ルールを守って暮らしている外国人を正当に評価し、守る」という考え方が中心にあります。
具体的には、次のような主張が読み取れます。
- 日本の法制度が「日本人中心」の前提で作られてきたため、現実とのギャップが生まれている
- そのギャップを埋めるために、実態調査を踏まえた見直しが必要である
- ルールを守らない一部の外国人によって、真面目に暮らす多くの外国人が風評被害を受けることはあってはならない
- 外国人政策を強化することは「排外主義」ではなく「共生の秩序を守るため」である
つまり、外国人を全体として否定するのではなく、「きちんと共生できる環境を整えること」が大臣の目指す方向なのです。
このスタンスは、企業にとっても極めて重要です。これまで以上に「ルールを守る外国人」を正当に評価し、安心して働いてもらえる環境を用意することが、企業の社会的責任として求められるようになります。
そして、企業が注意すべきは、「法令を知らなかった」「悪意はなかった」では済まされない時代に突入しているということ。外国人を雇うには、それ相応の準備と理解が求められます。だからこそ、制度や実務に明るい専門家と連携しながら、安全で透明性のある雇用体制を整えていくことが今後ますます重要になるでしょう。
3. 「ルールを守る外国人」とは何を意味するのか
「ルールを守る外国人」とは、一体どのような人たちを指すのでしょうか。
ここで言う「ルール」とは、単に「道徳的に正しい行動をする」という意味ではなく、主に日本の法律や制度に従って生活・就労しているかどうか、という点が重要になります。たとえば以下のような点が挙げられます:
- 適正な在留資格を持っている
- 在留期限や更新をきちんと管理している
- 就労可能な範囲でのみ働いている(資格外活動をしていない)
- 税金や保険、年金の支払いを滞りなく行っている
- 地域社会とトラブルを起こさず生活している
これらの要件を満たす外国人の方々は、まさに「ルールを守って暮らす」存在であり、今後も日本社会において貴重な人材として必要とされるべき人々です。
一方で、これらのルールに違反してしまう背景には、本人の悪意ではなく「制度の複雑さ」「雇用主からの適切な説明がない」など、情報不足や管理体制の不備が原因となっているケースが多くあります。たとえば、週28時間までとされている留学生のアルバイト勤務時間をオーバーしてしまうなど、現場では“うっかり”が多いのです。
ここで大切なのが、企業側の責任です。外国人本人がルールを守るためには、企業が正しい情報を伝え、就業環境を整備し、必要に応じて専門家の支援を受ける体制を整えているかどうかが問われます。
私たち行政書士は、単にビザ申請や書類作成だけでなく、こうした「ルールを守るための仕組みづくり」も支援しています。
「ルールを守る外国人を守る社会」とは、外国人だけに責任を求めるのではなく、企業・社会・行政が協力して、その環境を整えることではじめて実現されるのです。
4. なぜ企業は“ルール遵守”を強く意識すべきか
外国人を雇用する企業にとって、今や「知らなかった」では済まされない時代が到来しています。特に注意すべきなのが、「不法就労助長罪」という重大な刑事責任です。これは、企業が意図的でなくても、外国人を違法な状態で働かせていた場合に適用されるもので、最悪の場合、経営者が書類送検されたり、罰金刑や懲役刑を受けたりするリスクがあります。
たとえば、在留資格の範囲外の業務に就かせてしまった場合、あるいは在留期限が切れていることに気づかずに勤務を継続させていた場合など、いずれも「法令違反」となり得ます。企業側に「悪意がなかった」「忙しくてチェックできなかった」という言い訳は通用しません。
さらに、法令違反が明らかになった場合、企業には行政指導や、最悪の場合、入管庁からの外国人受け入れ制限措置が課されることもあり得ます。つまり、たった一つのミスが、会社の信用や採用活動に深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。
このような背景から、外国人を雇用する企業ほど「法令理解」と「実務対応」を強く意識すべきです。採用の段階から、在留資格の確認、労働条件の整備、就労範囲の明示など、ルールに即した管理体制が求められます。また、在留カードのチェック、定期的な更新スケジュールの把握、契約書や就業規則の整備など、日常的な運用にも気を配る必要があります。
そのような中、私たち行政書士の専門家としての役割はますます重要になっています。企業が安全かつスムーズに外国人材を雇用・管理できるよう、事前準備からリスクヘッジまでをワンストップで支援する体制が整っています。
「気づかぬうちに違反していた」となる前に、今こそ社内体制を見直し、適切なサポートを得ながら「ルールを守る雇用」にシフトしていくことが求められます。
5. 外国人を雇用する企業が抱える風評リスクとは?
外国人を雇用する企業には、法的なリスクだけでなく、風評リスクという見えにくいリスクもついて回ります。特に近年、SNSや地域ネットワークによる情報拡散が加速する中で、「あの会社、外国人とのトラブルがあったらしい」という噂が広まると、それが事実であるかどうかに関係なく、企業の信用は大きく揺らぎます。
たとえば、ある企業が外国人従業員との間で労務トラブルを起こしたというニュースが流れた場合、取引先や地元の顧客が不安を覚えることは容易に想像できます。「コンプライアンスに問題があるのでは」「管理が甘い会社ではないか」というレッテルが貼られてしまうと、企業としての信頼を取り戻すのは簡単ではありません。
小野田大臣の発言にもあったように、「ルールを守って生活している外国人までが、風評によって誤解や差別を受けるような状況」は決してあってはなりません。同じことは企業にも当てはまります。たとえ一部のミスや誤解から始まったとしても、社会的評価を一度損なってしまうと、採用活動や事業継続にも支障をきたすリスクが生まれます。
だからこそ、企業には「風評に強い組織づくり」が求められます。たとえば、社内のルール整備、労務管理の透明化、外国人社員との信頼関係の構築、トラブル時の迅速かつ誠実な対応など、「見えるガバナンス」を意識することで、第三者からの信頼も得やすくなります。
さらに、外国人社員が安心して働ける職場環境を整えることも、風評リスクの抑止につながります。誤解やトラブルの多くは、コミュニケーション不足や制度理解の乏しさから生じるもの。こうした点も、私たち行政書士が研修やサポートを通じてお手伝いしています。
風評は「備え」がなければ簡単に企業を揺るがします。しかし、正しい体制と情報発信があれば、むしろ「外国人を大切にする先進的な企業」として、社会的評価を高めることも可能です。
6. 「排外主義ではない」という政府の意図と企業の役割
外国人政策が強化されるというニュースを聞くと、一部では「排外的な方針ではないか」と懸念する声もあります。しかし、小野田大臣の発言からは、むしろその逆の意図が明確に伝わってきます。
政府の意図は、「すべての外国人を締め出すこと」ではなく、「ルールを守って生活している外国人を守るために、秩序を整えること」にあります。つまり、共生社会を実現するためには、「ルールを破る人」と「守っている人」とを明確に分け、公平な環境を築くことが不可欠だというメッセージです。
このメッセージをどう受け止め、行動に移すかは、外国人を雇用する企業の責任でもあります。
たとえば、採用時には在留資格と就労内容の整合性を必ず確認し、外国人本人にも「自分の資格で何ができるのか」をしっかりと説明する必要があります。また、労働条件や社内ルールを明確にし、多言語での説明書や契約書を用意することも、トラブル防止に大きく寄与します。
さらに、社内研修の実施や日本の生活文化・ルールに関する情報提供など、外国人社員の“社会適応”を支援する姿勢も大切です。これにより、外国人本人が「この会社で長く働きたい」と思える環境を作り出すことができます。
そして何より、「外国人を雇っている」ことが企業の誇りとなるような体制が理想です。多様性を受け入れ、それを活かせる企業こそが、今後の社会で強く選ばれていくでしょう。
私たち行ニセコビザ申請サポートセンターは、単なるビザの専門家ではなく、「共生社会における企業支援のパートナー」として、制度・文化・リスク管理のあらゆる側面から支援いたします。
政府の方針を正しく理解し、企業が責任ある行動をとること。それが「排外主義ではない」という姿勢を体現し、外国人との信頼を築く第一歩になるのです。
7. 外国人雇用の現場で起こりうるトラブルと実例
外国人を雇用する現場では、「思わぬ落とし穴」が多く潜んでいます。私たちが実際に立ち会ってきた中でも、「まさかこれが違反になるとは思わなかった」というケースは後を絶ちません。
たとえば、よくあるのが留学生アルバイトに関するトラブルです。留学生は原則として週28時間までしか就労できませんが、「1週間」の解釈とカウント方法を間違えてしまい、気が付いたら30時間、35時間と勤務時間を超えてしまうケースは非常に多く見受けられます。本人も企業側も悪意はなく、「ただ知らなかった」の積み重ねが結果的に法令違反となってしまうのです。
また、技能実習制度では、実習計画に明記された職種・作業以外の業務に従事させてしまうことも問題になります。これも実習計画違反に該当し、企業は監理団体から指導を受けるだけでなく、最悪の場合には実習生の受け入れ停止という措置が下される可能性もあります。
さらに、在留カードの更新を怠っていたり、本人が申請を忘れていたケースでも、雇用主が責任を問われることがあります。中には、更新時期を把握しておらず、カードの期限が切れてからも数週間そのまま勤務を続けていたというケースもありました。
こうした問題の多くは、「知識不足」「管理不足」から生じます。企業としては「法律を理解しているつもり」であっても、実際の運用まで徹底されていない場合、意図せず違反を犯してしまうことになるのです。
外国人雇用は“感覚”で行ってはいけません。「制度と運用のギャップ」に対して、常にアンテナを張っておく必要があります。
8.ニセコビザ申請サポートセンターとして支援できること:就労ビザ・労務対応・社内研修など
外国人雇用は、書類ひとつ、手続きひとつで結果が大きく変わる分野です。「就労ビザを取るだけなら簡単でしょう?」と思われがちですが、実際には企業の体制、職務内容、外国人本人の履歴など、複数の要素が複雑に絡み合っています。
当事務所では、単なる「手続き代行屋」ではなく、企業の“外国人雇用戦略の伴走者”として、以下のような支援を行っています:
- 就労ビザの取得・更新手続き代行:必要書類の整備から、申請内容の整合性チェックまで、スムーズなビザ取得をサポート。
- 社内体制のチェックと整備:外国人雇用の受け入れ体制(就業規則、雇用契約書など)を点検し、法令順守を支援。
- 労務リスクの洗い出しと改善提案:トラブルの芽を事前に摘むためのアドバイスや、具体的な改善策の提案。
- 外国人向け就業ルールの翻訳・社内研修資料作成:外国人従業員に理解しやすい言語・形式でのルール提示。
- 経営者・人事担当者向けセミナー開催:最新の入管制度、トレンド、リスク管理に関する勉強会の実施。
こうした多面的な支援を通じて、企業が「安心して外国人を雇用できる」体制づくりを全面的にサポートしています。
外国人雇用をただの“人手確保”ではなく、“企業の持続的成長”の一環と捉えたとき、私たちは心強いパートナーになれるはずだと考えております。
9. 問題が起きる前に:企業として準備しておくべき体制とルール
外国人雇用に関するトラブルは、実際に起きてしまってからでは手遅れになることがほとんどです。企業として本当に重要なのは、「起きないようにするための仕組みを、事前に整えておくこと」です。
たとえば、以下のような点検項目を定期的にチェックしていますか?
- 採用時に在留資格・就労制限の確認ができているか
- 契約書に就労範囲・条件が明確に記載されているか
- 外国人本人への制度説明やフォローが十分か
- 在留期限の管理は、誰が・どのように行っているか
- 就業規則やルールが外国人にも理解可能な形になっているか
これらの整備が不十分な状態で外国人を雇用すると、後々、誤解やトラブルに発展する可能性が高まります。
特に中小企業では、人事・総務が他業務と兼任になっていることも多く、制度面にまで目が行き届かないというのが現実でしょう。だからこそ、外部の専門家と連携しながら、チェック体制やマニュアルの整備を進めることが重要です。
私たちニセコビザ申請サポートセンターは、単に「ルールを守る」ためだけでなく、「リスクを減らし、企業の魅力を高める」視点からアドバイスを行います。外国人にとっても、しっかりとした制度と体制のある企業は魅力的に映ります。
トラブルの芽を事前に摘み、持続的な外国人雇用を実現するために、今こそ準備を整えておきましょう。
10. まとめ:外国人とともに成長する企業づくりのために
小野田紀美大臣の「ルールを守る外国人が風評被害を受けないように」という発言は、日本社会全体が“次のステージ”に進むための、大きなメッセージであると感じています。
外国人を単なる“労働力”として見るのではなく、“共に働く仲間”として尊重し、正しく雇用する体制を整えること。それが、真の意味での共生社会の第一歩です。
そして、それを支えるのが企業の対応力です。制度を理解し、現場に落とし込み、文化の違いを乗り越えて、外国人も日本人も働きやすい職場をつくる。これは決して簡単ではありませんが、行政書士などの専門家と手を組むことで、現実的かつ効果的に実現可能です。
ニセコビザ申請サポートセンターは、制度の運用面から企業を支援し、外国人材との円滑な共生を実現するための「架け橋」となります。ビザ申請だけでなく、リスク管理、社内研修、契約整備まで、トータルでお手伝いします。
「うちは問題ないはず」と思っていても、一度チェックしてみることで見えてくる課題があります。今後ますます厳しくなる外国人政策の中で、自社のスタンスを明確にし、安心・安全な外国人雇用を実現するためにも、ぜひお気軽にご相談ください。
