1. はじめに:外国人労働者の「共生」は、言葉の壁から始まっている

近年、日本国内における外国人労働者の存在は、ますます不可欠なものになっています。特に地方都市や観光地、製造業の現場などでは、外国人労働者なしでは業務が回らないほどに依存が進んでいます。

そんな中、京都新聞が「外国人の日本語教育」に関する社説を発表しました。日本国内でも特に外国人観光客や留学生、技能実習生などの受け入れが進んでいる京都という地域が、なぜ今このテーマを強く訴えるのか。それは、地域社会に深く根付いた外国人の「定着化」が進んでおり、単なる労働力ではなく、地域の一員として共生していくフェーズに入っているからです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7ea442605ca67f6e5d4a64af9b457087ca2421c8

この社説では、外国にルーツを持つ子どもたちへの日本語教育の遅れや、制度整備の不十分さが問題提起されています。そして、これは行政任せでは解決できない課題です。企業もまた、外国人労働者を受け入れる立場として、自ら“言語支援”を含む共生の取り組みを進める責任があるのです。


2. ニュース概要:日本語教育の重要性と“自治体任せ”の限界

社説では、外国にルーツを持つ子どもが日本語を理解できずに教育の機会を失い、さらには将来的な就労にも困難をきたす可能性が指摘されています。特に、京都市では2023年から南区の小中学校で1カ月の集中指導を行う取り組みが始まっており、日本語と学校生活の基礎を学ぶ環境が整備されつつあります。

しかしながら、こうした施策を打ち出せるのは、一定の予算と体制を持つ大都市や先進的な自治体に限られているのが現状です。小規模自治体や財政的余裕のない地域では、同様の対応が難しく、支援の地域格差が広がっています。

この構造は、日本社会全体として見過ごせない課題です。文部科学省が支援策を発表していても、制度利用のハードルや手続きの煩雑さによって、支援が届かない現場が多数あります。国が本格的に支援体制を整えるのはもちろんですが、企業もまた、「雇った後の教育と生活支援」という視点で、自社の責任を考える必要があります。


3. 子どもたちの不就学問題|義務教育さえ届かない現状

日本語が十分に理解できないことを理由に、学校へ通うことを断念している外国籍の子どもたちが、日本各地に存在しています。文部科学省の調査によると、そうした「日本語指導が必要な子ども」は約6万9千人にのぼり、過去最多を更新しています。さらに、義務教育年齢であるにもかかわらず、小中学校に通っていない「不就学」の子どもが約8600人もいるという衝撃的な数字が明らかになっています。

これはもはや個別の家庭の問題ではなく、社会全体が抱える重大な教育課題です。将来の労働力や納税者として日本社会を支えていく可能性のある子どもたちが、言語の壁により“教育の権利”を失っている現状は、企業活動における多様性・公平性の根幹を揺るがしかねません。

企業にとっても、社員の子どもが安心して教育を受けられる環境がなければ、家族ごとの定住は進まず、定着率にも悪影響が及びます。つまり、教育支援は“地域全体の雇用安定”にもつながるのです。企業が率先して行政や教育機関と連携し、支援体制の構築を後押しすることが求められています。

4. 日本語教育と就労支援|職場で起こる言語トラブルの実情

外国人労働者が日本の企業で働く際、最も大きな障壁となるのが「言葉の壁」です。契約書や就業規則を読んでも内容が理解できない、上司からの指示が正確に伝わらない、安全に関する説明が不十分で事故につながる――。こうしたケースは決して珍しいものではありません。

実際、多くの労務トラブルが「言語ミスコミュニケーション」に起因しています。たとえば、残業代の支払いや有給取得のルールについて、日本語で説明されても理解されていないことから誤解が生じ、労使間のトラブルにつながることも少なくありません。

企業にとって、こうしたトラブルは信頼性の低下や法的リスクを招く重大な問題です。にもかかわらず、「採用後の言語支援」は軽視されがちです。現場任せや、通訳を雇えば十分だと考える企業もありますが、それだけでは根本的な解決にはなりません。企業として「就労のための日本語教育」を体系的に支援する体制の構築が急務です。


5. 韓国・ドイツと比較して見える日本の制度的弱さ

外国人労働者の受け入れに積極的な国は、日本以外にも数多く存在します。中でも韓国やドイツは、国として言語支援に本気で取り組んでいる代表例です。

韓国では、外国人労働者向けに「社会統合プログラム」として韓国語の教育を国家予算で展開しており、初級者から中級者まで段階的な教育が受けられます。ドイツでは「インテグレーションコース」という制度があり、ドイツ語教育とドイツ社会の理解をセットで提供し、一定の受講を修了しなければビザの更新ができない仕組みが存在します。

それに対して日本は、ボランティア頼みの教育体制が大半であり、国主導の予算措置も限定的です。文科省による支援制度もありますが、申請手続きの煩雑さなどにより活用が進んでいない現状があります。

このような他国との比較から見えてくるのは、「制度としての設計の甘さ」です。受け入れ制度があっても、その後の教育支援が制度的に確立していなければ、真の共生は実現しません。日本も今こそ、本格的な制度改革に踏み出す時期に来ていると言えるでしょう。


6. 企業に求められる視点の転換:「雇った後」の責任とは

多くの企業は「外国人雇用=採用時の手続きがすべて」と考えがちですが、実際には“雇った後”の支援こそが、企業の真価を問われる部分です。採用して終わりではなく、定着・育成・キャリア支援までを視野に入れて初めて、持続可能な雇用が実現します。

企業が責任を持って取り組むべき支援は、日本語研修の提供、多言語での労務書類の整備、生活支援情報の提供、家族の教育支援など多岐にわたります。こうした取り組みが結果として離職率を下げ、採用コストの削減や社内の多様性推進にもつながります。

今や、外国人労働者は“つなぎ”の人材ではありません。地域に根ざし、企業の戦力として活躍していくためには、企業自らが「支援する側」に立つ覚悟が求められます。


7. 外国人を迎える準備:企業が整えるべき“3つの支援”体制

企業が外国人労働者を受け入れる際には、次の3つの支援体制を整えることが不可欠です。

言語支援:就業規則・契約書の多言語対応、日本語研修の導入、通訳の配置など、業務遂行に不可欠な言語環境の整備。

生活支援:住居探しのサポート、医療・行政手続きの案内、交通機関の利用方法など、地域社会での生活を支える情報提供。

キャリア支援:スキルアップの機会、昇進の道筋、評価制度の整備など、日本人と同等のキャリア形成ができる職場環境の実現。

これらの支援を「制度」として整備することで、企業内の多様性が真に機能し、外国人労働者も安心して長く働くことが可能になります。


8. 行政書士が実務でサポートできる5つのポイント

外国人雇用における制度活用と社内整備は、決して企業単独で完結するものではありません。そこで私たち行政書士の出番です。当事務所では、以下の5つの分野で企業様を総合的にサポートしています。

在留資格(ビザ)申請の代行と制度設計支援:特定技能、技術・人文知識・国際業務、技能実習などの各種在留資格の適用と申請書類の整備。

多言語対応の雇用契約書・就業規則の作成:外国人でも正しく理解できる労務書類の整備と制度設計。

外国人向けの労務管理体制の整備:勤怠・給与・評価制度などの管理体制を多文化対応に。

登録支援機関との連携支援:必要に応じて信頼できる支援機関のご紹介と契約支援。

トラブル予防のための研修や制度整備:社内研修の企画、ハラスメント防止体制の構築支援。

企業の“受け入れ準備”から“定着支援”まで、伴走型で支援しています。


9. トラブル回避と定着支援は“初期対応”で決まる

外国人労働者の離職理由として最も多いのが、「受け入れ体制が整っていなかった」「言語・文化に配慮がなかった」「相談できる相手がいなかった」という初期段階での不安です。

この“最初の数ヶ月”の対応が、その後の定着率に大きく影響を与えます。企業としては、入社前から日本語研修やオリエンテーションを設け、生活面の支援をパッケージ化して提供することで、こうした不安を未然に解消できます。

また、社員間の相互理解を深める取り組み(異文化交流イベントや簡易な語学サポートなど)も、心理的障壁を取り除くうえで非常に有効です。これらの対策はすべて「事後対応」ではなく、「事前設計」がカギを握っています。


10. まとめ:日本語支援はコストではなく“未来への投資”

外国人労働者の日本語支援を「コスト」と捉えるか、「投資」と捉えるか。これは、企業の経営姿勢を問う根本的な問いです。

言語支援の充実は、労働生産性の向上だけでなく、離職率の低下、トラブル予防、社内の多様性向上、そして企業の社会的評価にもつながります。さらには、家族を含めた定着を促し、地域社会との連携も深まっていきます。

私たちニセコビザ申請サポートセンターは、行政書士として、その“土台づくり”を制度の側面からサポートいたします。貴社に最適な支援策を一緒に考え、実行するパートナーとして、ぜひご活用ください。

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