1. はじめに:なぜ今、「外国人=不安」という空気があるのか?

「最近、近所で外国人が増えたけど、ちょっと怖い」「外国人が多い職場はトラブルが多そう」

こうした声を聞いたことがある方もいるかもしれません。
とくに、外国人雇用に初めて取り組もうとする企業の人事担当者や経営者からは、不安の声がよく上がります。

その背景には、SNSやメディアを通じて広まる「外国人が増えると治安が悪くなる」といった根拠のない情報や印象が大きく影響しています。

ですが、こうした感覚は果たして事実に基づいているのでしょうか?

2025年11月11日に全国知事会が発表した共同宣言案では、この“誤解”に明確にNOを突きつけました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6c9e09de517a6419b4b7480f0ed4e7bf36fb3807

本記事では、知事会の声明をもとに、「多文化共生」と企業における外国人雇用の課題・可能性を、行政書士の視点から深掘りしていきます。


2. 知事会が発表した共同宣言とは?

全国知事会が取りまとめたのは、「多文化共生社会の実現を目指す全国知事の共同宣言(案)」です。
これは、日本人と外国人が共に暮らし働く社会のあり方を見据えた、全国知事から国民に向けたメッセージです。

宣言は以下の3つの柱で構成されています。

  1. 多文化共生の推進
  2. ルールに基づく共生と安心の確保
  3. 正確で積極的な情報発信

特に注目すべきは、「外国人が増えると犯罪が増える」という情報は事実に基づいていないこと、そして排外的な言論を強く否定する姿勢を明示したことです。

これは、行政レベルで初めて「不安の原因は感情ではなく誤情報である」と整理した、非常に意味のある内容と言えます。


3. 「外国人=犯罪増加」は誤解。実際のデータは?

多くの人が抱きがちなこの不安。しかし、実際の統計データはこのイメージを否定しています。

出入国在留管理庁や警察庁の発表によると、在留外国人は年々増加している一方で、外国人による刑法犯の検挙件数は減少傾向にあります。

たとえば、2005年には外国人の刑法犯検挙件数は約5万件近くありましたが、2023年には1万件を大きく下回る水準になっています。
しかも、これは来日外国人全体に占める割合で見ればさらに低い数値です。

つまり、「外国人が増える=犯罪が増える」という見方は、まったくの誤解であり、数字で反証されているのです。

こうしたデータを正しく認識せず、印象で語られる排外的な言論が、外国人雇用の妨げになっている現状があります。


4. 外国人雇用で起こる“本当の問題”とは

行政書士として企業から寄せられる相談を見ていると、犯罪や治安といったリスクよりも、もっと日常的で現実的な問題がほとんどです。

たとえば:

  • ゴミ出しのルールが理解されず、近隣住民とトラブルに
  • 日本語がうまく通じず、社内で誤解が生まれる
  • 文化の違いで「マナーが悪い」と誤解される
  • 契約内容の認識が食い違い、トラブルになる

これらはすべて、「文化の違い」や「制度の理解不足」から生まれるものです。
決して「外国人だからトラブルを起こす」というわけではありません。

むしろ、こうした問題の根本にあるのは、企業側の準備不足やサポート体制の不備です。


5. ルールある共生が企業にもたらすメリット

知事会の声明でも、「無秩序な受け入れや外国人の優遇ではない」と明言されています。

つまり、「ルールある共生」が前提です。

これは企業にとっても重要なポイントです。

適切な制度設計と社内体制が整っていれば、外国人材は以下のような強みを発揮してくれます。

  • 若くて意欲的な人材が多い
  • 日本人が敬遠する仕事にも真摯に取り組んでくれる
  • 多言語・多文化に対応できる貴重な戦力
  • 新しい価値観が社内に良い刺激を与える

こうしたポジティブな側面を活かすには、「きちんと制度を整えたうえで受け入れる」姿勢が不可欠です。


6. 現場で感じる、日本語支援と生活支援の重要性

外国人が日本で働くうえで、最大の壁は「言語」と「生活環境」です。

たとえば、以下のようなサポートが不十分なケースでは、離職率も高くなります。

  • 日本語研修がない
  • 契約書が理解できていない
  • 病院や役所での手続きの支援がない
  • 寮生活が孤独で精神的に不安定になる

当事務所が行政書士として現場を支援していても、「日本語での生活サポートがあるかどうか」は定着に大きな差を生みます。

逆に言えば、このサポート体制が整っている企業は、外国人材の定着率・満足度が非常に高く、結果として企業の安定経営にもつながっているのです。


7. 行政書士として見た、企業が直面する落とし穴

企業が外国人を雇用するうえで、気をつけたい“落とし穴”は多岐にわたります。

たとえば:

  • 「技能実習」と「特定技能」の制度の違いが理解されていない
  • 就労可能な在留資格ではない人をうっかり雇ってしまった
  • 契約書を日本語だけで作成し、本人が内容を理解していなかった
  • 在留資格の期限を管理できておらず、違法就労になるリスクがあった

こうしたミスは、悪意がなくても「知らなかった」だけで企業責任が問われる可能性があるため、注意が必要です。

私たち行政書士は、これらのリスクを事前に回避する制度設計や手続きをお手伝いしています。


8. 外国人雇用に必要な制度理解とリスク管理

「制度が複雑でよくわからない」という声をよく聞きますが、だからこそ専門家の伴走が求められます。

  • 外国人材に適した在留資格の選定
  • 契約内容と労働条件の確認
  • 家族帯同や住居支援の必要性の判断
  • 行政への各種届出や報告業務の代行

これらを企業の状況に合わせてカスタマイズするのが、私たちニセコビザ申請サポートセンターの仕事です。

単にビザ申請をするだけでなく、「雇用のパートナー」として、制度と実務の両面から支援いたします。


9. 企業が今、取るべき3つの行動

  1. 社内体制の見直し
     外国人受け入れに対応できる体制(マニュアル・担当者・通訳支援など)の整備。
  2. 制度の基本理解
     どの在留資格で何ができるのか、更新・変更にどんなリスクがあるのかを把握。
  3. 専門家への早期相談
     問題が起きてからでは遅い。受け入れ前から行政書士などの専門家に相談を。

特に3つ目の「早めの相談」は、トラブルを未然に防ぐ上で非常に重要です。


10. まとめ:偏見ではなく制度で守る。共生社会の実現に向けて

今回の全国知事会による共同宣言は、偏見や誤解に基づく不安を一掃し、多文化共生の現実に目を向けるきっかけとなりました。

外国人は、日本社会にとって「必要な存在」です。
そして、その受け入れには正しい制度理解と、企業・行政・支援者の協力が欠かせません。

もし、あなたの企業で外国人雇用に不安があるなら、まずは一度ご相談ください。

ニセコビザ申請サポートセンターは、制度設計から実務サポートまで、安心して共生できる体制づくりをお手伝いします。