1. はじめに:ネパール人男性の飲酒運転逮捕という報道から見える問題

2025年12月16日、福岡市東区で、ネパール国籍の24歳男性が酒気帯び運転の現行犯で逮捕されました。
報道によれば、呼気からは基準値の5倍ものアルコールが検出され、本人は「少し寝たから大丈夫だと思った」と供述しているとのことです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/08a71284b8e41d1b53eec69b4653ae00dd48eef9

この事件は、単なる交通違反や刑事事件にとどまらず、「外国人雇用の在り方」や「企業の監督責任」といった、より根深い課題を浮き彫りにしています。

日本で外国人を雇用する企業が年々増加する中、文化や価値観、常識の違いをどう乗り越えるかが問われています。
「まさかうちの社員が……」という油断は命取りです。一件の違反が、その外国人本人の在留資格、さらには企業の受入れ体制にまで影響を及ぼすことも。

実際、行政書士として多数の在留資格手続きを支援してきた現場では、「たった一度の過ち」でビザ更新ができなくなったケースも少なくありません。
この事件を「他人事」で済ませず、自社の外国人雇用体制を見直す契機とすべきです。


2. 外国人の飲酒運転がもたらす法的リスク

日本では飲酒運転は非常に厳しく罰せられる犯罪です。
道路交通法により、酒気帯び運転(呼気1リットル中0.15mg以上のアルコールが検出)であっても、免許停止や罰金、懲役刑の対象となります。

外国人にとっての問題は、こうした刑罰だけに留まりません。
飲酒運転などの交通違反が、入管法上の「退去強制事由」に該当する可能性があるのです。
例えば、「1年以下の懲役または禁錮に処せられた外国人」は、一定の条件下で退去強制の対象となります。

つまり、たった一度の軽率な行動が、「日本での生活の継続そのもの」を脅かすことになりかねません。
また、ビザの種類によっては、更新時の「素行善良性」が問われ、違反歴があることで不許可となるリスクも高まります。

企業が外国人を雇用する際には、「日本での違反がいかに重大か」をしっかりと教育し、法的な位置づけを共有することが不可欠です。


3. 「少し寝たから大丈夫」では済まない日本の飲酒運転規制

「酒を飲んだ後に少し寝たから大丈夫」——今回の逮捕者の発言は、外国人に限らず日本人にもありがちな誤解です。
しかし、日本の道路交通法は極めて厳格です。飲酒後の体内アルコール濃度が基準値を超えていれば、明確に違法行為となります。

また、アルコールの分解スピードには個人差があるうえ、飲酒量・体質・食事の有無・睡眠時間など、さまざまな要素が関与します。
「もう酔っていないと思った」は、法的には通用しないのです。

文化的背景も影響しています。母国では飲酒運転に対する規制が緩かったり、社会的な罰則が軽いケースもあります。
そのため、日本の交通ルールの厳格さを知らずに、安易な判断を下す外国人も少なくありません。

このような誤解を防ぐには、企業として日本の交通法規を正確に伝え、具体的な事例を交えて研修を行うことが有効です。
とくに運転業務に関わる外国人には、定期的なチェック体制が求められます。


4. 外国人が飲酒運転で逮捕された場合のビザへの影響

飲酒運転で外国人が逮捕された場合、その影響は非常に深刻です。
とくに「技術・人文知識・国際業務」や「技能実習」、「特定技能」といった就労系在留資格を持つ場合、次回の更新時に「素行善良性」が審査対象となります。

この審査で「素行不良」と判断されれば、更新不許可となる可能性があります。
さらに、永住権の申請においても「法令を遵守し、納税義務を果たしていること」が条件となるため、交通違反歴はマイナス材料となります。

重要なのは、たった一度の違反でも「記録」として残り、今後の在留資格に影を落とすということです。
企業が「本人の自己責任」として片付けるのではなく、こうしたリスクまで見越して教育・管理を行う姿勢が求められます。


5. 雇用企業が問われる「監督責任」とリスク管理の必要性

外国人社員の飲酒運転が発覚した場合、当事者だけでなく雇用企業にも大きな影響が及びます。
企業名が報道される可能性もあり、「適切な指導を行っていない」「監督体制が不十分」といった評価を受けることになります。

特に、技能実習や特定技能の受入れに関しては、監査や行政指導の対象となることがあり、実習実施者としての資格に関わる重大な問題です。
最悪の場合、受入れ停止や制度からの排除という処分を受けるケースも。

また、就労ビザでの採用でも、社内規程や指導記録が整備されていなければ、「指導責任を果たしていない」と見なされる可能性があります。

このようなリスクを避けるためには、以下のような対策が必要です。

  • 社内就業規則への明記(飲酒運転の禁止、罰則)
  • 入社時・定期研修での交通法令周知(多言語対応が望ましい)
  • 運転業務に関する誓約書の取得
  • トラブル発生時の対応フローの整備

企業が主体的にリスク管理を行うことで、行政や取引先からの信頼を維持できます。
単に「外国人を雇っている」ではなく、「安全に、法令を遵守して雇用している」企業であることが、今後さらに問われる時代になっています。

6. 就労ビザ更新・永住申請への影響は?

外国人が日本で継続的に働くためには、在留資格(ビザ)の更新が必要不可欠です。
しかし、近年の入管行政では「素行の良し悪し」に対する審査がますます厳格になっており、たった一度の飲酒運転が更新不許可の理由となることもあります。

特に「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」、「技能実習」といった在留資格では、法令遵守が前提条件とされます。
違反が確認されれば「更新不可」や「在留期間の短縮(今まで3年だった在留期間が、更新後1年になってしまう)」といった処分が下される可能性も。
また、在留資格の変更(たとえば技能実習から特定技能への移行)を希望しても、「素行不良」を理由に認められないケースもあります。

さらに深刻なのが永住申請への影響です。永住権は、「素行が善良であること」「安定した収入があること」「原則として10年以上の継続在留」など、厳しい審査項目をクリアする必要がありますが、この中で特に重視されるのが「法令遵守」です。

過去5年以内に重大な交通違反があると、永住申請は原則として認められません。飲酒運転や速度超過による違反歴があれば、それだけで審査落ちとなることも。

企業が外国人社員を大切に思うのであれば、彼らの人生設計にも関わるこれらのポイントをしっかり伝えることが求められます。
行政書士としても、外国人本人だけでなく、雇用側の理解と対応力が極めて重要だと感じています。


7. トラブルを未然に防ぐ社内ルール整備のポイント

外国人社員が飲酒運転などの違法行為を起こさないためには、企業側の「事前の備え」が重要です。
そのカギとなるのが、社内ルールの整備とその運用体制です。

まず基本となるのは、社内就業規則への明文化です。
「飲酒運転の禁止」「違反時の懲戒処分」「運転業務に就く場合の条件」などを、具体的に明記しておくことが必要です。
さらに、入社時や年次ごとの法令遵守研修を制度化し、継続的な教育を行うことが推奨されます。

研修は日本語だけでなく、英語やネパール語、ベトナム語など多言語対応が求められます。
「伝えたつもり」が通用しないのが外国人雇用の難しさです。
そのため、視覚資料や動画、通訳を活用した実践的な研修が効果的です。

また、運転業務に携わる社員には、運転免許証の定期確認と「酒気帯び運転をしないこと」の誓約書提出を義務づける企業も増えています。
これにより、社員の意識付けにもつながります。

トラブルが起こってからでは遅いのです。
企業としての責任を果たすには、ルールを「作るだけでなく、守らせる仕組み」が不可欠です。


8. 外国人社員向けの法令遵守教育の重要性

外国人社員が日本社会でトラブルを起こさずに働き続けるためには、「法令を正しく理解し、守る力」を養うことが不可欠です。
しかし、多くの外国人は、日本の法律やマナーを母国の基準で捉えており、「ついうっかり」で重大な違反を起こしてしまうケースが後を絶ちません。

特に、交通法規、労働法、住民登録、税務、保険制度など、日常生活に直結する制度については、雇用側がしっかりと教育・支援を行う必要があります。
たとえば、「飲酒運転は母国では軽い違反だった」「住民税の支払いを知らなかった」といった誤解が生まれないよう、最初の段階での周知が鍵となります。

当事務所では、こうした課題を解決するために、外国人向けの「法令教育マニュアル」や「生活ガイドブック」を多言語で提供しています。
また、対面やオンラインによる研修の企画・実施、社内講師向けのサポートも行っています。

企業として、法令順守教育に投資することは、トラブル防止だけでなく、長期的な定着率や信頼性向上にもつながります。
「採用して終わり」ではなく、「一緒に育てていく」という意識が、外国人雇用成功の鍵です。


9. 行政書士として提案する「事前対策」と「事後対応」支援サービス

「まさか、こんなことになるとは思わなかった」
これは、問題が起きてから企業のご担当者がよく口にされる言葉です。

行政書士として、ニセコビザ申請サポートセンターはこうした事態を防ぐための「事前対策」と、万一の際の「事後対応」の両面を支援しています。

【事前対策】

  • 外国人雇用体制の診断(リスクチェックシートの提供)
  • 在留資格更新や永住申請に向けた経歴管理・法令順守体制の構築
  • 外国人向けオリエンテーション・研修資料の作成(多言語対応)

【事後対応】

  • 逮捕・違反発覚時の行政対応の助言
  • 入管への説明文書作成支援
  • 再発防止策の提出資料サポート

トラブルは予期せぬタイミングでやってきます。
備えがあるかどうかで、その後の対応スピードと結果に大きな差が生まれます。

企業の信用、外国人社員の未来、そして安心して働ける職場づくりのために、私たちニセコビザ申請サポートセンターができることは多くあります。
まずは一度、現在の体制に不安がないかチェックしてみませんか?


10. まとめ:外国人雇用におけるリスク管理は、企業の信頼性に直結する

外国人社員の飲酒運転という一件のニュースが、実は外国人雇用全体に潜むリスクと、企業の責任の重さを浮き彫りにしました。
文化や言語の違いを超えて、安心・安全な労働環境を築くためには、企業の側が「正しい知識」と「適切な体制」を持つことが求められます。

外国人が法令違反を犯した場合、その影響は個人だけに留まりません。
ビザの更新不許可、永住申請の却下、最悪の場合は強制退去。さらに、企業に対しても行政指導や社会的評価の低下といった二次的被害が発生します。

「何かあったら対応する」のではなく、「何も起きないように備える」。
これこそが、信頼される企業、選ばれる企業の条件です。

私たちニセコビザ申請サポートセンターは、外国人雇用のパートナーとして、書類作成だけでなく、制度整備・教育・リスク管理まで、包括的にサポートしています。
未来に向けての一歩を、一緒に踏み出していきましょう。