はじめに:地域の足を支える「バス」が危機に直面
2025年12月現在、北海道をはじめとした地方都市で「バス路線の減便・廃止」が深刻化しています。
背景にあるのは、バス運転手の人手不足。そして今、その穴を埋めるために一部企業が取り組み始めているのが「外国人運転手の雇用」です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e8628350dc208dfb69489780043e9d61ede695c?page=1
しかし、外国人を採用するにはビザや労働法に関する正確な知識と、慎重な手続きが必要不可欠です。
この記事では、外国人バス運転手の採用に関わる法務的課題や採用時の注意点について、行政書士の視点から解説し、今企業が取るべきアクションをご提案します。
1. バス運転手不足は「もう待ったなし」の状況
いま、北海道をはじめとする地方都市で、バス運転手不足が深刻化しています。
札幌市では過去5年間でおよそ2割の運転手が離職。これに伴い、じょうてつバスや北海道中央バスなどの主要バス会社が、2025年12月から複数の路線で減便・廃止を実施しました。
減便の影響は、単に「バスが少なくなる」というレベルではありません。
高齢者の通院や買い物、学生の通学、通勤者の日常の移動手段が奪われることで、生活そのものが成り立たなくなるリスクがあります。特に高齢化が進む地域では、公共交通が「生活インフラ」としての役割を果たしており、その喪失は住民の健康や生活の質に直結します。
川下地区では、2026年4月から8つの停留所が廃止されることが決定し、地域住民からは強い反対の声が上がりました。「交通がなくなると病院にも行けない」「孫の顔を見に行けなくなる」といった声は、決して他人事ではありません。
このような現実を前に、「もう待ったなし」の状況に直面しているのがバス業界です。単なる企業努力では解決できない構造的な課題が、地域社会全体に波及しています。
2. 国内採用だけではもう限界…注目される「外国人ドライバー」
深刻なバス運転手不足を受け、国内だけで人材を確保するのは限界にきています。
こうした中で、いま注目を集めているのが「外国人ドライバーの採用」です。
網走市のバス会社では、インドネシア出身のウィルさんが新たにバス運転手として採用されました。彼は日本の交通ルールやマナーを学びながら、大型二種免許の取得に向けた研修を受けています。
「日本のサービス品質の高さに感銘を受け、自分もその一員として成長したい」という言葉には、前向きな意欲と職業への誇りが感じられます。
企業側も、言語や文化、法律上の壁を乗り越えるための体制整備に力を入れ始めています。
ただし、ここで立ちはだかるのが「在留資格」や「運転免許」など、外国人雇用における法的なハードルです。
特定技能ビザの取得要件や、大型二種免許の取得、さらに採用後の労務管理まで含めると、慎重かつ的確な対応が求められます。
外国人採用は、もはや“選択肢”ではなく“必要な戦略”です。
とはいえ、制度理解や法的手続きが不十分なまま見切り発車してしまえば、企業側にとっても大きなリスクとなりかねません。
このような背景から、外国人ドライバーの受け入れには、入管制度に精通した専門家と二人三脚で進めることが、これからの企業経営において不可欠です。
3. 外国人をバス運転手として雇うための在留資格とは?
現在、日本でバス運転手として外国人を雇う場合、主に以下の在留資格が考えられます:
- 【特定技能(1号)】
→自動車運送業が対象分野に含まれており、バス運転手としての就労も可能です。
ただし、大型二種免許の取得が必須で、日本人と同等の運転資格を有する必要があります。 - 【定住者・永住者・日本人の配偶者等】
→活動内容に制限が少なく、バス運転業務にも従事可能です。 - 【技能実習】
→制度上、旅客自動車運送業は対象職種に含まれておらず、バス運転業務はできません。
つまり、外国人がバス運転手として働くことは制度上「可能」ですが、対象となる在留資格の種類が限られており、かつ一定の条件(日本の運転免許取得等)を満たす必要があります。
そのため、企業が採用活動を進める際は、対象人材の在留資格の種類とその活動範囲を正確に確認したうえで、雇用契約や業務内容との整合性を図ることが求められます。
特に「特定技能」については、制度への理解不足から誤った採用・配置が行われるケースもあり、専門家による確認が推奨されます。
4. 採用後も安心できない:労務管理とコンプライアンス体制が重要
外国人を雇用する企業が見落としがちなのが、「採用した後」の対応です。
採用さえできれば終わり、というわけではありません。むしろ、ここからが本当のスタートです。
まず重要なのが、労働契約書の整備。外国人従業員が内容を理解できるよう、母国語への翻訳や簡潔な日本語での説明が求められます。曖昧な契約内容は後々のトラブルの原因になります。
次に、就労時間や業務内容の明確化。特に運転業務は拘束時間や安全面での規制が多いため、労働基準法や道路運送法に基づいた管理が必須です。
さらに、日本語能力に応じた安全運転研修や、業務上必要なコミュニケーションスキルの習得支援も欠かせません。
また、文化や宗教、生活習慣の違いによる誤解や摩擦も起こり得ます。差別的扱いや孤立感を防ぐためには、社内の意識改革や相談体制の整備も重要です。
もし、在留資格の内容と実際の業務が合っていなかったり、労働条件が法律に反していた場合、企業側が「不法就労助長罪」に問われるリスクすらあります。
つまり、「知らなかった」「うっかりしていた」では済まされません。
外国人雇用は、採用後のコンプライアンス体制の構築があってこそ成功します。そのためには、初期段階から専門家を交えて計画的に進めることが不可欠です。
5. 外国人ドライバー採用のメリットと成功事例
外国人をバスドライバーとして雇用することには、単に人手不足を補う以上のメリットがあります。
たとえば、若くエネルギッシュで意欲的な人材が入ることで、サービス全体の活性化が期待できます。
特に観光地を走るバス路線では、英語や東南アジア系の言語を話せるドライバーがいることで、訪日外国人観光客への対応力が格段に向上します。結果として、企業の評判や顧客満足度も高まるでしょう。
また、外国人ドライバーが地域に溶け込み、住民と関係を築くことは、地域社会にとっても大きな価値となります。共に働き、生活する外国人が身近にいることで、多文化共生への理解が自然と深まり、地域全体の活性化にもつながるのです。
実際に、北海道内の観光バス業界では東南アジア出身のドライバーがすでに活躍しており、高い評価を受けています。彼らは日本の運転ルールや接遇マナーをしっかり学び、企業にとって欠かせない存在となっています。
重要なのは、こうした成果が「適切な制度理解」と「継続的な支援体制」によって支えられているということです。採用するだけでなく、長く活躍してもらうためには、教育・フォローアップを含む中長期的な視点が求められます。
6. 行政書士ができるサポートとは?
外国人ドライバーの採用に踏み切りたいが、「制度が複雑でよくわからない」「ビザのことが不安」といった声をよく耳にします。
そこで重要になるのが、行政書士のサポートです。
ニセコビザ申請サポートセンターでは、まず「外国人採用の可否診断」を無料で実施しています。企業の業種や希望する業務内容、求める人材の在留資格状況を踏まえ、採用が可能かどうかを判断します。
次に、在留資格の確認と取得サポート。特定技能や定住者など、適切な在留資格の選定から、入管への申請書類の作成・提出まで、一貫して対応いたします。
さらに、外国人労働者との雇用契約書や就業規則の整備にも対応。多言語対応や法令に則った内容にすることで、後々のトラブルを未然に防ぎます。
入管手続きに関しても、特定活動や在留資格変更など、煩雑な申請業務を代行し、スムーズな採用を実現します。
そして何より重要なのが、採用後の法令遵守体制の整備支援。労務管理や教育体制まで視野に入れ、持続可能な雇用体制を共に構築していきます。
外国人雇用には慎重さが求められますが、専門家と連携することで、大きな可能性へとつなげることが可能です。
7. 外国人採用は「地域課題解決」と「企業競争力」の鍵
北海道におけるバス路線の減便・廃止は、単なる「企業の人手不足」ではなく、もはや「地域社会の存続」に関わる深刻な問題です。
こうした中で、外国人労働力の活用は、現実的かつ有効な打開策として注目されています。
外国人採用というと、以前は「一部の大企業」や「製造業」の取り組みと思われがちでした。
しかし今や、交通・物流・観光といった地域密着型の業種こそが、外国人材を必要としているのが実情です。
企業にとっては、競争が激化する採用市場において、外国人を採用できる体制を持つこと自体が大きな「競争力」となります。
これは単なる「人手確保」にとどまらず、企業ブランドの向上や、新しいサービス展開のきっかけにもなり得ます。
また、外国人材の採用は「多文化共生」の第一歩にもなります。地域住民と外国人労働者が日常的に関わり、互いに理解し合うことで、新しい地域の形が生まれていく――それこそが、人口減少・高齢化時代における持続可能な地域社会の姿ではないでしょうか。
つまり外国人採用は、企業の成長戦略であると同時に、地域課題への“社会的解決策”でもあるのです。
8. いま企業が取り組むべき3つのアクション
外国人運転手の採用を成功させるためには、準備が全てです。
見切り発車は、トラブルや制度違反の原因となります。
まず1つ目は、「外国人雇用の可否を法的に確認すること」。
自社で希望する業務内容が在留資格で認められているのか、そもそも該当する人材がいるのかを、最初に専門家と一緒に検討しましょう。
2つ目は、「在留資格やビザ申請の体制を整えること」。
書類作成や申請業務、入管とのやり取りは、専門知識と経験が不可欠です。外部の行政書士に依頼することで、負担とリスクを最小限に抑えられます。
3つ目は、「採用後の教育・管理体制の設計」。
言葉や文化の違いを考慮し、日本の交通ルールや接遇マナー、安全運転教育を含めた継続的なサポートが求められます。社内全体で受け入れる姿勢も重要です。
この3つのステップを丁寧に進めることで、外国人雇用は大きな力になります。
「関心はあるけれど、不安が多い」という企業様こそ、まずはお気軽にニセコビザ申請サポートセンターの無料相談をご利用ください。
9. まとめ:法を味方に、持続可能な雇用と地域社会の共生を
バス運転手不足が深刻化する中、外国人材の採用は、もはや選択肢ではなく“必要条件”とすら言える状況です。
とはいえ、そこには法的手続き、文化の違い、労務管理といった乗り越えるべきハードルが確かに存在します。
だからこそ、正しい制度理解と、信頼できる専門家の伴走が重要になります。
行政書士として、私たちは「人手不足をどう乗り越えるか」だけでなく、「持続可能な雇用と地域共生をどう実現するか」を共に考え、実行していく存在でありたいと考えています。
外国人雇用は、企業が新たなステージへ進むきっかけにもなります。
人材確保と同時に、企業の信頼や地域とのつながりも深まる。
その一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?
