1. 事件の概要:白タク行為で2人の中国籍男性が逮捕

2024年8月、北海道で中国人観光客を自家用車で有償送迎したとして、在日中国籍の男性2人が道路運送法違反で逮捕されました。
SNSで利用客を募り、中国製アプリで金銭授受を行っていたとされます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bdfdb7134c6afb8672851963f661437a827179eb

この白タク行為は、いわば“副業感覚”で行われた可能性が高いものの、日本では明確に法律違反。
さらに、外国人の在留資格にも重大な影響を及ぼす可能性があります。


2. 白タク行為とは?なぜ違法なのか

「白タク」とは、一般の自家用車を使って無許可で旅客を有償で運送する行為です。
日本では、道路運送法により、タクシー業務を行うには国や自治体の許可が必要と定められています。

許可なしで運送業を行えば「有償運送の禁止」に違反し、刑事罰の対象になります。
これは、ドライバーが外国人であっても変わりません。


3. 在留資格との関係―「就労不可」のリスク

さらに重要なのは、こうした違法行為が在留資格の維持に関わってくる点です。
今回の容疑者2人がどのような在留資格で日本に滞在していたかは報道されていませんが、

  • 「留学」や「家族滞在」など就労が制限される在留資格での無許可就労
  • 「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格者が職務範囲外の仕事をする副業

いずれの場合でも、「資格外活動」となり、最悪の場合は退去強制や在留資格の更新拒否につながる恐れがあります。


4. なぜ外国人が白タクに手を出すのか?背景にある“誤解”と“現実”

外国人が白タク行為に手を染める背景には以下のような事情があります:

  • 日本の交通事情に不慣れな母国の観光客のニーズに応えたいという想い
  • 「ちょっとしたお小遣い稼ぎ」のつもりで始めてしまう副業意識
  • 法制度への無理解(「Uberみたいなものだと思っていた」など)
  • SNSでの集客が容易で、摘発されにくいと思い込んでいる

しかし、日本では明確に法律違反であり、当局も国籍を問わず厳しく取り締まっています。


5. SNSで客を募る行為にも注意!

今回の事件では、男らはSNSを使って観光客を集客していたとされます。

このような行為は“個人間のやりとり”に見えがちですが、反復継続して行えば「事業」とみなされ、違法性が高くなります。

「SNSだから大丈夫」とは考えず、オンライン上での募集・広告も注意が必要です。


6. 雇用する企業にとっても他人事ではない

企業側も「副業・兼業」の状況を把握していないケースが多くあります。

しかし、従業員が在留資格の範囲を超える活動を行った場合、企業側が知らなかったとしても「適切な管理をしていなかった」と見なされる可能性があります。

特に技能実習生や特定技能など、制度上での制約が多い在留資格の場合は、日常的な生活状況や副業の有無を把握する姿勢が求められます。


7. 「知らなかった」では済まされない―行政書士ができるサポート

私たち行政書士は、外国人の在留資格に関する手続きや相談を専門的にサポートする国家資格者です。

  • 雇用する外国人がどの業務なら就労可能か?
  • 副業は認められるのか?
  • 在留資格変更や更新の注意点は?

といった、実務に直結する相談に日々対応しています。

「何となく大丈夫そう」と思っていた行動が、実は重大な違反だった──
そんな事態を未然に防ぐために、制度理解と定期的な確認は欠かせません。


8. まとめ:白タク事件は氷山の一角?外国人と企業が共に気をつけるべきこと

今回の事件は、氷山の一角かもしれません。
SNSの普及、アプリ決済の手軽さ、多国間を行き交う観光客の存在など、状況は複雑化しています。

しかし、制度はシンプルで明確です。

  • 「許可のない運送は違法」
  • 「在留資格の範囲外の活動は処罰対象」
  • 「知らなかった」では済まされない

雇う側も、働く側も、お互いが制度を正しく理解し、ルールの中で共に生活・就労できる環境づくりが今後さらに重要になっていきます。


9. 行政書士としての提言

制度違反は、本人だけでなく周囲や企業にも影響を及ぼします。
だからこそ、ちょっとした副業や送迎行為でも、リスクを見極める「専門家の視点」が必要です。

外国人雇用に関する不安や、「これは大丈夫?」といったちょっとした疑問でも構いません。
早い段階でのご相談が、安心と信頼につながります。


10. 最後に

「ついうっかり」では済まされない法制度の世界。
特に在留外国人や、それを支える企業の皆様には、より一層の制度理解と予防的な対策が求められます。

正しい情報をもとに、安心して暮らし、働ける社会を一緒につくっていきましょう。