1. 特定技能制度とは?急増する「試験ルート」の背景

2019年に創設された在留資格「特定技能」は、深刻な人手不足が続く日本社会において、即戦力となる外国人材を受け入れるために設けられた新たな制度です。対象となる業種は、介護・建設・外食業・農業・宿泊業など、人材確保が困難とされている16の分野に及びます。特定技能は、従来の技能実習制度とは異なり、「人材育成」ではなく「労働力確保」を目的とした在留資格であることが大きな特徴です。すなわち、企業はより実務的な能力を持つ外国人材を、即戦力として採用できる仕組みとなっており、労働市場の活性化に大きく寄与しています。

この「特定技能」には、取得方法として大きく2つのルートが存在します。1つは、技能実習を3年間良好に修了した者が、無試験で特定技能に移行できる「技能実習ルート」。もう1つは、日本語能力試験(N4レベル以上)と業種ごとの技能試験に合格することで、実習経験がなくても在留資格を得られる「試験ルート」です。

制度が始まった当初は、日本国内に既に滞在している技能実習生が中心であったことから、「技能実習ルート」が圧倒的多数を占めていました。しかし、近年では状況が大きく変化しています。新型コロナウイルスによる入国制限が緩和された2022年以降、海外から直接試験を受けて来日する「試験ルート」の利用者が急増。2023年には試験ルートで特定技能を取得した外国人が全体の42%を占めるまでに拡大し、もはや技能実習ルートと拮抗する勢いです。

特定技能全体の在留者数も増加の一途をたどっており、制度開始当初の2019年にはわずか1,621人だったものが、2022年には10万人を突破、2023年には28万4,000人を超えるまでに成長しました。これは単なる制度拡大の話ではなく、外国人採用の構造そのものが大きく変わりつつあることを示しています。特に試験ルートの台頭は、企業の採用戦略や、支援体制のあり方に新たな課題とチャンスをもたらしており、今後の外国人雇用を考える上で無視できないトレンドとなっています。

2. なぜ「試験ルート」が急増しているのか?

増加の背景にはいくつかの要因があります。

近年、「試験ルート」による特定技能の取得者数が急激に伸びている背景には、いくつかの社会的・制度的な要因が重なっています。制度開始当初は主に技能実習を終えた実習生が中心でしたが、ここ数年でその構図が大きく変化しつつあります。

まず第一に挙げられるのは、新型コロナウイルスによる入国制限が緩和されたことです。コロナ禍の影響で、2020年から2021年にかけては外国人の新規入国が極めて限定的でした。しかし、2022年以降、政府が水際対策を段階的に緩和したことで、海外からの渡航が再び可能となり、母国にいながら日本語能力試験(JFT-BasicやJLPT)および技能試験に合格した人材が、直接「特定技能」として来日・就労できるルートが実質的に再開されたのです。

次に、外国人側の意識の変化も大きな要因です。従来の「技能実習ルート」は、実務経験を3年積まなければ特定技能へ移行できず、また移行後も転職の自由が制限されるなど、多くの制約が伴いました。これに対して「試験ルート」では、実務経験がなくても試験にさえ合格すれば特定技能を取得でき、就労先の選択肢も比較的広く、高い給与や好待遇を早期に得られる可能性があります。そのため、多くの外国人が「少しでも早く、少しでも良い条件で働きたい」という思いから、試験ルートを目指すようになっているのです。

一方、日本の企業側にも大きなメリットがあります。技能実習制度は原則として転職ができない制度であるため、実習生が途中で退職すれば再雇用が難しく、計画的な人材確保が困難になるという課題がありました。対して特定技能制度では、より柔軟な雇用関係を築くことが可能であり、採用企業側にとっても即戦力人材を短期間で確保しやすいという利点があります。これにより、特に飲食業や宿泊業、介護分野など、早急な人材確保が必要な業種を中心に、試験ルート人材の採用が進んでいるのです。

このように、「試験ルート」の急増は単なる制度利用の傾向変化ではなく、外国人材本人のキャリア志向と、日本企業側の人材ニーズの双方が合致した結果として生まれた現象だといえます。今後もこの傾向は続くと見られており、採用する側の企業としても、「試験ルート人材」に対する理解と適切な評価・支援体制の構築が不可欠となっていくでしょう。

3. 試験ルートの課題:「替え玉受験」問題の深刻化

急速に利用が拡大している「試験ルート」ですが、その一方で、制度の根幹を揺るがしかねない重大な課題も顕在化し始めています。特に注目されているのが、日本語試験や技能試験における「替え玉受験」や「虚偽の合格証明書」といった不正行為の問題です。

2024年、大阪府警は実際に複数の事案を摘発しています。その内容は、試験を受けるべき本人ではなく、第三者が代わりに受験するという悪質な替え玉受験のほか、偽造された合格証明書を使って「特定技能」の在留資格を取得しようとしたケースまで含まれていました。こうした事件が相次いで報道されたことにより、制度全体の信頼性に大きな疑問が投げかけられる事態となっています。

このような不正の背景には、外国人側の「早く日本で働きたい」「試験にどうしても合格したい」という強いニーズと、仲介業者やブローカーによる不正なサポート体制が絡み合っている現実があります。特に、日本国外で実施される日本語試験では、試験監督体制が緩く、身分確認も不十分な場合があり、不正を見抜くことが困難なケースがあるのです。これは制度設計上の盲点であり、今後の大きな課題と言えるでしょう。

外務省もこの問題を重く見ており、試験運営法人に対して不正防止策の強化を指示するとともに、監査体制の整備や本人確認の厳格化など、運営方法の見直しを進めています。しかしながら、制度上の対策には限界があるため、現場で外国人を受け入れる企業にも、高いリスク意識と慎重な対応が求められています。

特に、「試験に合格しているから大丈夫」と安易に判断してしまうことは非常に危険です。たとえ在留資格が正式に交付されていたとしても、後から不正が発覚すれば、当該人材の雇用継続が不可能になるだけでなく、企業側が不法就労助長の疑いをかけられる可能性すらあります。企業の信用やコンプライアンス上のリスクにも直結する問題であり、対岸の火事ではありません。

このようなリスクを回避するためには、合格証の真偽を自社でしっかりと確認する体制や、日本語能力・技能の実地レベルを面接や試験で見極める仕組みが欠かせません。さらに、行政書士などの専門家と連携し、採用段階からリスクチェックを導入することで、安心・安全な外国人雇用の土台を築くことが可能になります。

試験ルートの拡大は歓迎すべき流れですが、その急拡大に伴い、制度の公正さと透明性をいかに維持するかが問われる段階にきています。企業側も、「数を集める」採用から「質と信頼性を見極める」採用へと、戦略の転換が求められています。

4. 採用企業が今すぐ取るべき対策

「試験ルート」で在留資格を取得した外国人材を受け入れること自体は、制度上まったく問題はありません。むしろ、即戦力として優秀な人材を確保できる可能性があるという点で、企業にとっては非常に魅力的な採用手段のひとつと言えるでしょう。

しかし、前章で触れたように、試験ルートの急拡大に伴って「替え玉受験」や「虚偽の合格証」といった不正取得のリスクが表面化してきています。制度の信頼性が揺らぐ中、企業が安心して外国人材を受け入れるためには、採用段階からの慎重な確認と、体制の整備が急務です。

まず第一に重要なのは、試験の合格証や在留カードといった公式書類の確認を形式的に済ませるのではなく、「本物かどうか」「本人のものかどうか」という視点で、しっかりと真偽をチェックするプロセスを社内に設けることです。書類の見た目だけで判断せず、発行元・発行日・登録番号などを確認し、少しでも不審な点があれば専門機関に照会する姿勢が求められます。

次に、採用候補者の日本語能力や業務スキルについて、実際の業務を想定した形での実地チェックを行うことも有効です。たとえば、面接時に日本語で業務に関する質問をしたり、簡単な業務シミュレーションを通じて技能を確認することで、「試験に合格したはずなのに言葉が通じない」「実技が全くできない」といったミスマッチを防ぐことができます。

また、外国人材の生活面をサポートし、定着率を高めるためには、登録支援機関との連携が欠かせません。ただし、すべての支援機関が同じ質のサービスを提供しているわけではありませんので、選定には慎重さが必要です。過去の支援実績、対応スピード、言語対応、トラブル発生時の対応力などを総合的に評価したうえで、信頼できるパートナーを選ぶべきです。

さらに、書類確認やリスク判断に不安がある企業様には、行政書士などの専門家との連携を強くお勧めします。とくに外国人雇用に精通した行政書士は、在留資格制度の理解はもちろん、不正防止の観点からも具体的なアドバイスを提供できます。当事務所では、書類の精査から登録支援機関の選定支援、採用プロセスの整備まで、企業の現場に合わせた支援をワンストップで行っており、多くの企業様から「安心して外国人材を受け入れられるようになった」との声をいただいています。

制度の仕組みやルールが整備されていても、それを正しく活用できなければ、企業にとって大きなリスクとなり得ます。特定技能制度を安全かつ有効に活用するためには、採用前・採用後の体制づくりこそが最大のポイントです。目先の人手不足解消にとどまらず、中長期的に活躍できる人材との信頼関係を築いていくためにも、今の段階から「採用の質」と「運用の信頼性」にこだわるべき時代に入っているのです。

5. 「特定技能2号」への移行と永住の可能性

特定技能制度の最大の魅力の一つが、「1号」から「2号」へのステップアップが可能であり、これにより事実上の永住に近い在留が実現できる点です。これは単なる人手不足対策にとどまらず、中長期的な人材定着戦略にもつながる重要な制度設計であり、企業にとっては将来の組織力強化という視点からも注目すべきポイントです。

まず、「特定技能1号」とは、一定の日本語能力と分野別の技能を証明する試験に合格した外国人に与えられる在留資格で、介護・外食業・建設・農業など16分野が対象です。この「1号」の在留期間は最長で5年とされていますが、同じ業種の中でより高い技能や実務経験を有すると判断された場合、「特定技能2号」へ移行することができます。

「2号」では、在留期間の上限が撤廃され、事実上の更新制によって無期限での滞在が可能になります。さらに、配偶者や子どもなど家族の帯同も認められるため、生活基盤を日本に移す外国人が増えると見込まれており、単なる短期労働者ではなく、日本社会の一員として生活・定着していく存在となるのです。

対象分野は現在のところ、建設と造船・舶用工業など11分野に限定されていますが、今後の制度改正によって対象が広がる可能性も十分に考えられます。政府としても、定着志向のある高度人材を積極的に呼び込む方向性を打ち出しており、企業の側でもこの制度の長期的なメリットを踏まえた採用計画を立てる必要があります。

実際に、特定技能2号に移行した外国人は、企業にとって貴重な戦力として定着するケースが多く、単なる業務従事者としてではなく、チームリーダーや後輩指導係など、現場における中核的な役割を担う存在になっていきます。また、家族帯同が可能になることで生活の安定度が高まり、就労者のモチベーションやパフォーマンスにも良い影響を与えることが多いというデータもあります。

企業としては、今後ますます「人を確保する」だけではなく、「人を育て、定着させる」戦略が求められるようになります。そのためには、外国人材に対するキャリア形成支援や、日本語教育の機会提供、働きがいのある職場環境づくりなど、長期視点での人事制度の整備が不可欠です。

さらに、特定技能2号への移行を前提とした雇用計画を立てる場合、在留資格の更新スケジュールや試験要件の管理など、制度運用に対する深い理解が必要です。そのため、こうした制度を正確に運用できるよう、行政書士などの専門家と連携し、計画的な対応を行うことで、リスクを回避しながら安定的な人材活用が実現できます。

今後、外国人材を単なる「補充要員」と捉えるのではなく、企業の中長期的な「人財」として位置づけていくことが、競争力ある企業に求められる視点です。その第一歩として、特定技能1号での採用を入り口としながら、特定技能2号への移行までを視野に入れた「人材戦略」を描くことが、これからの外国人雇用の在り方として重要になってくるのです。

6. 行政としての制度整備も進行中

急拡大する「特定技能」制度に対して、国も当然ながら制度の整備や見直しを進めています。もともと特定技能は、深刻化する人手不足を背景に、短期間で立ち上げられた制度でもあるため、現場での運用を進める中で、いくつもの課題やほころびが露呈してきました。そうした中、国はこれまでの制度運用の実態を踏まえ、より現実に即した制度設計を行うための調整に着手しています。

特に焦点となっているのは、不正取得の温床となりつつある「試験ルート」に関する運用体制の見直しです。前章でも述べたように、日本語試験や技能試験の実施に関しては、海外での監視体制が十分でないケースがあり、替え玉受験や虚偽の合格証明といった問題が相次いで発生しています。こうした状況に対して、外務省や出入国在留管理庁は、試験実施法人に対して不正防止策の徹底を指示し、本人確認手続きの厳格化、監視体制の強化、試験実施国の選定基準見直しなど、複数の改善策を打ち出しています。

また、登録支援機関の質にもばらつきがあることから、国は支援機関への監督を強化し、違反行為が確認された機関には業務停止命令などの行政処分を科すケースも増えています。支援体制の不備は、外国人材の生活不安や定着率低下を引き起こすだけでなく、企業側の労務リスクにもつながるため、国としても支援機関の質を担保することは急務と認識されています。

さらに、近年では特定技能2号の対象分野の拡大や、在留資格の更新制度の柔軟化、家族帯同要件の見直しなども検討されています。これは、単なる一時的労働力としての受け入れから、将来的な永住や定着を見据えた「人材戦略型」の制度への移行を意味しています。国としても「持続可能な外国人材受け入れ政策」へと舵を切ろうとしているのです。

とはいえ、これらの制度改正はすぐに現場に反映されるものではありません。行政が制度を見直し、方針を決定し、それが企業や現場にまで落とし込まれるまでには、どうしても一定のタイムラグが生じます。だからこそ、企業としては「国が整えてくれるのを待つ」のではなく、自主的に対応策を講じることが不可欠です。つまり、「制度の限界を理解したうえで、自社としてどう運用していくか」を主体的に考える姿勢が問われているのです。

そのためには、最新の制度動向を常にキャッチアップし、変化に柔軟に対応できる社内体制やパートナーの存在が重要になります。特定技能制度は、法律・政令・運用要領など、複数の規定にまたがっており、一般の企業担当者がすべてを把握するのは困難です。だからこそ、行政書士などの専門家と連携しながら制度対応を行うことで、変化に強く、安定的な外国人雇用体制を構築することが可能になるのです。

制度が進化する今こそ、企業にとっては「追随者」ではなく「先行者」になるチャンスとも言えます。新制度の枠組みにいち早く適応し、制度の利点を最大限活用できる企業こそが、これからの人材競争において優位な立場を築くことになるでしょう。

特定技能人材を受け入れる企業が直面するリスクとは

特定技能制度は、即戦力の外国人材を採用できる制度として、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。しかしその一方で、この制度を活用する際には、制度特有のリスクが存在することも事実です。実際、制度への理解不足や準備不足のまま受け入れを進めてしまうことで、企業側が思わぬトラブルや責任を背負うケースも少なくありません。

まず第一に挙げられるのが、「在留資格の不備や不正取得」によるリスクです。特定技能では、日本語試験や技能試験に合格していることが前提となりますが、前述のように近年では替え玉受験や虚偽の合格証の問題が浮上しており、形式的な書類審査だけでは不正を見抜けないケースも出てきています。仮に不正に在留資格を取得した人材を企業が雇用してしまった場合、知らなかったとしても企業は「不法就労助長罪」などに問われる可能性があり、行政指導や罰則、場合によっては社会的信用の低下という深刻な影響を受けることになります。

次に、「日本語能力や技能のミスマッチ」も大きな課題です。試験に合格しているとされていても、実際の現場で通用する日本語力が伴っていなかったり、業務上の理解力に課題があったりするケースも見受けられます。これにより、業務遂行に支障が出たり、同僚社員とのコミュニケーションに齟齬が生じたりするなど、現場での混乱につながる恐れがあります。これは単に本人の問題にとどまらず、教育・指導にかかるコストや労務管理上の負担を企業に強いることになります。

さらに、支援体制が不十分なまま受け入れてしまうことで、外国人材の「早期離職」や「孤立」を招くリスクもあります。特定技能人材は、職場だけでなく、生活面でも多くのサポートが必要です。生活の立ち上げ支援、役所手続き、住居確保、トラブル対応など、細やかなフォローを怠ると、就労継続が困難になることがあり、結果として企業は再度採用・教育コストをかける羽目になります。

そしてもう一つ見落とされがちなのが、「社内体制の整備不足」によるトラブルです。外国人材の受け入れは、単に一部門の判断だけで完結するものではなく、人事・労務・現場管理部門が一体となって制度理解を深め、適切な運用ルールを構築する必要があります。ルールが曖昧なまま運用を始めてしまうと、本人とのトラブルや職場内での不平等感、法令違反のリスクが高まってしまうのです。

こうしたリスクは、決して制度そのものの欠陥ではなく、「適切な理解と準備がなされていないまま制度を活用した」ことによる、いわば運用上の課題です。したがって、企業としては「採用すれば終わり」ではなく、「採用した後、どうサポートし、定着させていくか」までを含めた総合的な受け入れ体制を整えることが不可欠です。

私たち行政書士は、こうしたリスクに備えるための事前確認や、在留資格・書類のチェック、登録支援機関との連携支援などを通じて、企業が安心して外国人材を受け入れられるよう、実務的なサポートを行っています。特定技能制度の活用にあたっては、「制度を知っている」だけでなく、「制度を使いこなせる」ことが、成功のカギとなるのです。

8. 外国人材の採用は『制度理解』と『信頼構築』が鍵」

ここまで述べてきたように、特定技能制度は、労働力不足が深刻化する日本社会において、即戦力となる外国人材を受け入れる上で非常に有効な手段です。しかし、その活用が「採用の成功」につながるかどうかは、単に制度を知っているか否かではなく、「制度をどれだけ正確に理解し、どれだけ丁寧に運用できているか」にかかっています。

まず大前提として、外国人材の採用には、日本人採用にはない独自のプロセスと配慮が必要です。たとえば、在留資格の種類や取得条件、更新要件、就労可能な職種や範囲、登録支援機関の役割、本人の生活面への支援義務など、多岐にわたる制度上のルールを理解しておかなければなりません。一つの手続きの見落としが、後々の在留資格取消や不法就労といったリスクに直結することもあります。

さらに、外国人材との間には、言語・文化・価値観といった「見えない壁」が存在します。日本で働くこと自体が初めてである外国人も多く、日常的なコミュニケーションや職場のマナー、指示の受け取り方などで戸惑う場面が少なくありません。こうした課題を乗り越えるために重要なのは、企業側が「相手を理解しよう」という姿勢を持つこと、そして単なる労働者ではなく「共に働く仲間」として信頼関係を構築する意識を持つことです。

特定技能制度は、「人材を単に受け入れる」ことではなく、「人と人との関係を築く」ことに重きを置いた制度でもあります。企業が一方的に雇用し、業務を割り当てるだけの関係では、外国人材は長く定着しません。むしろ、生活面での支援、日本語学習の機会提供、キャリアアップの見通しなど、彼らの不安や将来を見据えたサポートを行うことで、初めて信頼関係が築かれ、長期的な戦力として活躍してもらえるのです。

そして何より、外国人材にとって企業が「安心して働ける場所」であるかどうかは、情報発信や対応姿勢から伝わります。制度の丁寧な説明や、必要な手続きの透明性、公正な待遇、相談しやすい環境づくりなど、日常の中に信頼構築のヒントは数多くあります。そうした取り組みが結果的に、企業のブランド力向上や、優秀な人材から選ばれる企業づくりにつながるのです。

私たち行政書士は、外国人材と企業の間に立ち、制度の正確な運用とスムーズなコミュニケーションの橋渡し役としてサポートを行っています。「書類の手続き」だけではなく、「人と人との信頼関係」を大切にすることで、企業と外国人材の双方にとって満足度の高い雇用を実現することが可能です。

外国人材採用は、制度の知識と現場感覚、そして人への理解が試される分野です。だからこそ、正しく制度を活用し、信頼を育む体制を整えることで、企業は一時的な労働力確保を超えた、本当の意味での「人財戦略」を描くことができるのです。

9. ニセコビザ申請サポートセンターのサポート内容

外国人材の受け入れを検討・実施されている企業にとって、制度の複雑さや手続きの煩雑さに頭を抱える場面は少なくありません。特に特定技能制度においては、在留資格の取得だけでなく、採用前後の対応や登録支援機関との連携、本人の生活支援体制の整備まで、多岐にわたる対応が求められます。

当事務所では、そうした企業の悩みや不安に寄り添いながら、特定技能人材の受け入れをトータルで支援しています。単なる申請書類の作成・提出にとどまらず、実際の現場に即した制度運用を前提とした「実務重視」の支援が私たちの強みです。

まず、特定技能人材の在留資格取得における「試験ルート」「技能実習ルート」の違いや、それぞれの取得条件、必要な書類の確認・精査など、基本的な制度解説からスタートします。さらに、替え玉受験などの不正リスクに備えるため、合格証の真正性チェック、本人確認書類の照合、採用前のリスクアセスメントなども含めて、事前対策を徹底的に行います。

また、登録支援機関の紹介や、企業と支援機関との契約内容の確認・アドバイスも対応可能です。「どの機関を選べばよいか分からない」「サポート内容が不明瞭」といった声にも、過去の実績や対応体制を踏まえて、適切なマッチングを行います。支援体制の質は、外国人材の定着率に直結する重要な要素であるため、私たちはこの部分を非常に重視しています。

さらに、外国人材との面接時における質問内容の設計、日本語・技能レベルの実地評価方法、採用後の支援計画作成など、現場視点に立った実務支援も行っており、「制度はわかっていても、運用に不安がある」という企業様からも高い評価をいただいております。

ニセコビザ申請サポートセンターが大切にしているのは、「制度を使うこと」ではなく、「制度を活かすこと」です。つまり、単に在留資格を取得するだけでなく、その人材が企業で安心して働き、長く活躍できるための環境づくりを、制度面からしっかりと支えていくことが私たちの使命です。

初回のご相談は無料で承っております。「何から始めればよいか分からない」「すでに採用しているが、制度運用に不安がある」といった企業様も、お気軽にお問い合わせください。外国人材の採用が“リスク”ではなく“チャンス”になるよう、実務と経験に裏打ちされた安心のサポートをご提供いたします。

10. まとめ:今こそ『信頼性』のある採用体制を」

ここまで、特定技能制度の現状と課題、そして採用企業として求められる対応について詳しくお伝えしてきました。外国人材の採用は、今や多くの業界にとって「なくてはならない選択肢」となっていますが、それと同時に、正しい制度理解と、信頼性のある運用体制がこれまで以上に問われる時代へと移行しています。

特定技能制度は、単なる労働力の補填ではなく、即戦力かつ将来的に定着する「人財」としての可能性を秘めた制度です。しかし、制度の急拡大とともに、不正取得や支援不足といったリスクも顕在化しており、「制度を活用する」だけではなく、「制度を信頼できる形で運用する」ことが企業にとって重要なテーマになっています。

特に、試験ルートによる取得者の増加は、在留資格の取得プロセスの多様化を意味すると同時に、書類上では見抜けない不正のリスクも含んでいます。だからこそ、合格証の確認や本人確認、スキル評価、支援体制の構築など、企業自身が採用段階から信頼性を確保するための工夫と努力が求められます。

また、国の制度自体も今後さらに変化・進化していくことが予想されます。特定技能2号の分野拡大や、家族帯同の条件緩和、試験運営の見直しなど、新たな政策が次々と登場する中で、制度に「ただ対応する」企業と、「制度を戦略的に使いこなす」企業とでは、採用成果に大きな差が出てくるでしょう。

このような状況だからこそ、企業が今取り組むべきは「制度を正しく理解し、信頼できる採用体制を構築すること」です。これは単にリスク回避のためではなく、優秀な外国人材に「この会社で働きたい」と思ってもらえる環境づくりでもあります。採用とは、制度対応だけでなく、信頼の構築でもあるのです。

ニセコビザ申請サポートセンターでは、制度の解釈から書類の精査、登録支援機関との連携、採用前後のアドバイスまで、実務に即した包括的な支援を提供しています。外国人材の受け入れを成功させるためには、企業の「今やるべきこと」を見極め、確実に一歩ずつ前に進むことが大切です。

「制度が難しそうで踏み出せない」「制度は導入したが、今のやり方で本当に大丈夫か不安」――そんな企業様こそ、ぜひ私たちにご相談ください。特定技能制度を「負担」ではなく「力」に変えるための体制づくりを、共に進めてまいりましょう。