外国人雇用の新制度「育成就労」とは?転籍制限の最新動向と企業が取るべき対策


1. はじめに:外国人材を取り巻く制度が大きく変わる

日本の労働力不足を支える「外国人材」。
その受け入れ制度が2027年にかけて大きく変わろうとしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d44f382e38a8171a84f95d7d4144957180b4a6e5

旧来の「技能実習制度」の問題点を改善するために、新たに導入されるのが「育成就労」制度です。
今回はその中でも、企業・人事担当者に大きく関係する「転籍制限」のポイントを中心に、行政書士の視点から詳しく解説します。


2. 育成就労制度とは?技能実習との違い

「育成就労制度」とは、外国人材が日本で一定の技能を学びながら働くことを目的とした新制度です。
従来の「技能実習制度」では、労働者の保護が不十分であるとの批判が強く、
特に「原則転籍不可」というルールにより、ブラックな環境に置かれた実習生の失踪が相次いでいました。

育成就労では、一定の条件下で本人の希望による転籍が可能となります。

主な変更点は以下の通り:

比較項目技能実習育成就労
目的国際貢献人材育成・労働力確保
転籍原則不可条件付きで可
雇用関係監理団体経由直接雇用中心へ
制度設計制度上の不備が多い保護と自由の両立を目指す

3. 転籍制限:7分野では「2年勤務」が条件に

政府の最新素案では、17の対象分野のうち、

  • 建設
  • 外食業
  • 介護
  • 自動車整備
  • 農業
  • 漁業
  • 林業

といった7分野では、「最初の企業で2年間勤務しないと転籍できない」という制限が設けられます。

その他の10分野では「1年後から転籍可」とされています。

これは、政府が「技能取得に時間がかかる」と判断した分野に限定した措置です。


4. 転籍制限の背景:企業と外国人労働者、両者の利益をどう守るか

転籍制限には、雇用側の意向も強く反映されています。
企業側としては、「せっかく育てた人材がすぐ辞めてしまうのでは?」という不安があるため、
ある程度の“縛り”を設けることで、受け入れのハードルを下げようという狙いがあります。

一方で、外国人本人にとっては、職場の選択肢が制限され、再び人権侵害の温床となるリスクも否定できません。


5. 転籍時の費用補填制度も検討中

注目すべき点として、「転籍先が、最初の受け入れ企業に渡航費などの初期費用を補填する仕組み」が検討されています。
これは、企業側の投資をある程度保護しつつ、外国人労働者の移動の自由も確保するための工夫です。

制度として正式に導入されるかどうかは年内に閣議決定される予定ですが、
今後の実務にも大きな影響を与えることが予想されます。


6. 企業が知っておくべきリスクと対策

育成就労制度への移行に伴い、企業が注意すべき点は以下の通りです:

  • 自社の業種が「2年縛り」の対象か確認
  • 外国人従業員のキャリア形成を意識した就業環境の整備
  • 転籍を希望された場合のフローの構築
  • 今後の制度変更に対応できる社内体制の見直し

これらを怠ると、労働トラブルや離職率の上昇、さらには監督機関からの指導対象になるリスクがあります。


7. ニセコビザ申請サポートセンターとして支援できること

私たち行政書士として、以下のような場面で企業・外国人双方をサポートしています:

  • 育成就労制度の導入に関する手続き支援
  • 就労計画書の作成
  • 労務トラブル回避のためのアドバイス
  • 外国人との契約書チェックや翻訳支援

制度を理解し、正しく運用することが、外国人材の定着と企業の発展の両立につながります。


8. 制度改正は“始まり”にすぎない

法改正や制度変更はゴールではなくスタートです。
大切なのは、制度の趣旨を正しく理解し、それを現場レベルでどう運用していくか。

外国人材にとっても、受け入れる企業にとっても、
「選ばれる国」「選ばれる企業」になるためには、制度を上回る“姿勢”が問われています。


9. 今後のスケジュール:企業が備えるべきタイミング

「育成就労」は、単なる制度変更ではありません。
それは、外国人労働者を“人”として尊重し、企業が社会的責任を果たすための新たな仕組みです。

単に法令遵守するだけでなく、
「この企業で働いて良かった」と思ってもらえる環境づくりこそ、今後の差別化ポイントとなるでしょう。

不安や疑問があれば、ニセコビザ申請サポートセンターにご相談ください。
貴社の外国人雇用が、より良い方向へ進むよう、全力でサポートいたします。