1. 最近の事例:失踪実習生がごみ収集に従事
2025年8月、大阪で衝撃的な事件が報じられました。
ベトナム人技能実習生として来日した3人が、在留資格を失った後、廃棄物収集会社で不法に働かされていたというものです。
企業側も含めて不法就労助長の疑いで逮捕されましたが、これは氷山の一角に過ぎません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/595c0e92a33f9cafb0fd9d36122fbda32f6d89dc
2. 技能実習制度の基本とよくある誤解
「技能実習制度」は、日本の技術や知識を開発途上国に移転する目的で作られました。
しかし現場では「労働力確保の手段」として扱われることも多く、本来の趣旨とはかけ離れた運用がなされがちです。
3. 失踪の背景にある「労働環境」と「待遇」
多くの失踪者は「劣悪な労働環境」や「極端に低い賃金」が原因で逃げ出しています。
「契約と違う」「残業代が支払われない」「日本語が通じず孤立している」といった声が、支援団体にも多数寄せられています。
4. 不法就労の定義と企業側のリスク
不法就労には以下のような形態があります:
- 資格外の活動(例:留学生が週28時間を超えて働く)
- 無資格での就労(在留資格のない者を雇う)
- 就労不可の業種での労働(今回のごみ収集など)
企業側がこれを容認・助長すると「不法就労助長罪」で処罰され、罰金や懲役刑が科される可能性があります。
5. 在留資格ごとの「就労可能業務」とその見分け方
「技能実習」「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」など、在留資格ごとに就労できる職種が明確に決まっています。
在留カードを確認するだけでなく、「資格外活動許可」の有無や更新状況まで把握する必要があります。
6. 人材派遣や委託業務の落とし穴
「派遣会社に任せているから大丈夫」では通用しません。
委託業務でも、現場で違法性があれば元請・受託問わず責任を問われる可能性があります。
特に「ごみ収集」や「農業」「建設」など、技能実習生や特定技能が多く携わる分野では要注意です。
7. 「知らなかった」では通用しない法律の現実
企業が不法就労に関わった場合、たとえ「故意でなかった」としても、確認を怠った責任を問われることがあります。
現代の外国人雇用においては、コンプライアンス意識と正確な法知識が不可欠です。
8. 行政書士としての現場支援の経験から
私は行政書士として、多くの外国人のビザ相談・企業側の就労管理のサポートを行ってきました。
なかには、「良かれと思って紹介した」「知人に頼まれてつい」など、悪意のない行為が法違反につながってしまったケースもあります。
だからこそ、雇用前の正しい確認が何よりも重要なのです。
9. 雇用前に企業が確認すべきチェックリスト
以下の項目は最低限チェックしましょう:
- 在留カードの有効期限と就労可否
- 就労可能な業種・職種かどうか
- 雇用契約書の整備
- 入管法の最新情報に基づいた手続き
- 紹介・派遣業者の信頼性と許可番号
これらを確認し、必要に応じて行政書士や弁護士など専門家に相談する体制が望ましいです。
10. まとめ:合法的かつ継続可能な外国人雇用のために
外国人材は、今後の日本の労働力確保において欠かせない存在です。
しかし、ルールを守らなければ、本人にも企業にも大きなダメージを与えてしまいます。
適切な知識と準備をもって、互いに安心・信頼できる関係を築くこと。
それが、持続可能な外国人雇用の第一歩です。