はじめに:ニュースから見える「不就学」の現実
2024年5月時点、国内に住む外国籍の小中学生相当の子どもは、過去最多の16万3,358人にのぼりました。
しかしそのうち、学校に通っていない、または通っているかどうかすら把握されていない「不就学」の子どもが8,432人。
これは、在日外国人を雇用する企業にとっても見過ごせない重要な社会問題です。
最新データ:不就学の実態
文部科学省の調査によると、
- 不就学が確認された子ども:1,097人
- 連絡が取れず就学状況が不明:7,322人
- 行政が存在を把握していなかった子ども:13人
実に、全体の約5.1%の外国籍の子どもが「教育の機会」からこぼれ落ちています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b7e7dea45702d1216fbbcd2d89f7fc616722f5b
外国籍の子どもは義務教育の対象ではない?
ここで注意したいのは、外国籍の子どもは日本の「義務教育」の法律対象ではないという点です。
しかし、国際人権規約に基づき、保護者が希望すれば、原則として無償で公立小中学校に通うことが可能です。
つまり、「就学できない」のではなく、「制度を知らず、案内もされず、取り残されている」ケースが多いのです。
なぜ起きる?就学漏れの原因とは
不就学の背景には、さまざまな要因があります:
- 日本語がわからず、手続きや制度の情報が届かない
- 引っ越しや居住不定により行政との接点が希薄
- 親が仕事で多忙、または教育の重要性を知らない
- 外国人学校に通う予定だったが事情で通えなくなった
- 学齢期に入学案内が届かない
このような「制度のはざま」にこぼれる子どもたちを減らすには、行政だけでなく、企業や地域全体の理解と支援が不可欠です。
企業に求められる役割とは?
在日外国人を雇用している企業にとって、従業員本人の生活だけでなく、その家族の福祉や教育にも関心を持つことは、定着率や労働意欲の向上にもつながります。
特に以下のような取り組みが重要です:
- 新規雇用時に「子どもの有無」「就学状況」のヒアリング
- 日本語サポートや生活ガイダンスの提供
- 地域行政との連携支援(母語の情報提供)
- 行政書士やNPOとの連携体制の構築
行政書士としてできるサポート
行政書士は、外国人支援の最前線にいる専門家です。
以下のような支援が可能です:
- 外国籍従業員への就学制度の説明と書類作成支援
- 住民票登録時の注意点の案内
- 学齢期のお子さんがいる家庭への情報提供
- 教育委員会や学校との調整役(必要に応じて)
特に、企業側が制度に詳しくない場合でも、行政書士が間に立つことで、就学支援がスムーズに進みます。
経営者・人事担当者へのメッセージ
「就労ビザのことだけ考えていればいい時代」は終わりました。
外国人従業員が安心して働ける環境とは、家族も含めた生活全体が安定していること。
教育機会の提供は、その中でも極めて重要な要素です。
「ウチの会社には関係ない」と思わず、ぜひこの問題に目を向けてください。
まとめ:企業・専門家・地域が連携する時代へ
外国籍の子どもの不就学問題は、行政だけで解決できるものではありません。
企業、行政、専門家、そして地域社会が一体となって、情報格差をなくし、すべての子どもが学びの場にアクセスできるようにする必要があります。
在日外国人の就労支援を超えた“生活支援”に、今こそ力を注ぐべきタイミングです。