2025年9月、ある派遣会社の経営者らが入管法違反の疑いで逮捕されるというニュースが話題となりました。農業の「特定技能1号」の在留資格で来日した外国人を、まったく異なる業種であるリネンサプライ業務に従事させ、7000万円もの利益を上げていたことが問題視されたのです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/eeded9127b2566dda2c2545dc2eb07a9ec7c285e
このようなケースは「特別な例」と考えられがちですが、実は他人事ではありません。「うちはちゃんとやっている」「人手が足りなかっただけ」という認識が、知らぬ間に違法行為につながっていることもあるのです。
今回は、外国人雇用を行う企業が見落としがちな「在留資格と実務内容のズレ」に焦点を当て、そのリスクと対策を詳しく解説します。
外国人雇用の基本:「在留資格」と「業務内容」は一致しているか?
外国人を雇用する際、最も重要なのは「在留資格と実際の業務内容が一致していること」です。
特に「特定技能」は2019年から導入された比較的新しい制度で、介護・農業・建設など16業種に限定されて外国人労働者の受け入れが認められています。
この制度の最大の特徴は、【資格ごとに就労可能な業務範囲が厳密に定められている】こと。たとえば、「農業」の特定技能を持つ人が、リネンサプライや製造業に従事することは違法となります。
■不法就労助長罪のリスク
資格と実際の職種が異なれば、「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。たとえ外国人本人の希望であっても、雇用主が知らなかったとしても、責任は免れません。
現場で起こりがちな「資格と業務のズレ」事例
以下のようなケースは、法的リスクが高まる典型例です。
- 建設業で採用した外国人を、工場や倉庫作業に回している
- 農業で雇った人に、収穫ではなく加工・梱包、倉庫作業だけを担当させている
- 「技術・人文知識・国際業務」で来日した人が、レジ打ちや配膳業務しかしていない
「本人が希望した」「現場で柔軟に対応している」という事情は、法的にはあまり考慮されません。企業側の管理責任が厳しく問われます。
外国人雇用のリスク管理で最低限チェックすべきポイント
企業が法的リスクを避けるために、以下の項目を必ず確認しましょう。
- 在留カードと在留資格の確認:業務との適合性をチェック
- 就労内容の明確化:労働契約書の記載と実務の整合性
- 委託・派遣契約の適法性:違法派遣とならないよう確認
- 特定技能・技能実習の業務範囲を把握:ガイドラインに沿った運用
- 制度改正の情報収集:行政の最新情報に常にアップデート
これらを怠ると、「知らなかった」「うっかり」は通用しません。
「うちは大丈夫」こそが一番危ない落とし穴
現場での相談でも、「制度まで把握していない」「派遣会社に任せている」という声は少なくありません。特に中小企業では、人手不足と制度の複雑さから、知らず知らずのうちにリスクを抱えてしまうのです。
しかし、外国人材を正しく雇用することで、企業にとっても社会にとっても大きなメリットがあります。そのためには、制度の正確な理解と、継続的な管理体制の整備が欠かせません。
専門家によるサポートでリスクを最小限に
- 在留資格と業務内容、本当に合っているか?
- 労働契約書や業務委託契約の内容に問題はないか?
- 現場任せで放置していないか?
これらのチェックが、企業の信頼と安全を守る第一歩です。
もし少しでも不安があれば、早めに専門家に相談することをおすすめします。
当事務所では、外国人雇用に関する許認可申請や契約内容のチェック、就労管理の体制づくりを専門的にサポートしています。
制度は複雑ですが、正しく対応すれば怖いものではありません。
ニセコビザ申請サポートセンターまで、お気軽にご相談ください。