2024年福島での事件が企業に突きつける「外国人雇用リスク」とは?行政書士が解説

2024年6月、福島県で起きたある事件が、外国人を雇用する企業にとって無視できない教訓を与えています。
交通取り締まりの現場で、たまたま通りかかった外国人2名が職務質問を受け、不法残留と旅券不携帯の疑いで現行犯逮捕されたのです。

この事件をきっかけに、外国人雇用に関わる企業や人事担当者が再認識すべき法的リスクと、日々の管理体制について解説します。


事件の概要:日常に潜む入管法違反

今回の事件は、福島県で行われていた通常の交通取り締まり中に発覚しました。
警察官が停車させた車に乗っていたベトナム国籍の男性2人に対して旅券の提示を求めたところ、ひとりは旅券不携帯、もうひとりは不法残留の状態だったというものです。

いずれも「出入国管理及び難民認定法(入管法)」違反として、現行犯逮捕されました。
このように、特別な捜査や通報がなくても、日常的な取り締まりや検問の場で不法状態が明らかになることは十分にあり得ます。


外国人雇用企業が抱える「見えないリスク」

この事件は一見、雇用企業とは無関係のようにも見えます。
しかし、外国人を雇用している、あるいは今後雇用を検討している企業にとっては、「不法残留」や「在留資格の確認漏れ」は、決して他人事ではありません。

不法就労助長罪のリスク

もし企業が、不法残留者や就労資格のない外国人を雇っていた場合、企業側にも「不法就労助長罪」などの責任が問われる可能性があります。
たとえ「知らなかった」「本人が大丈夫だと言っていた」としても、企業の管理責任が問われるケースは実際に発生しています。

信用リスクと行政処分

不法就労が発覚した企業は、行政処分や法的制裁を受けることに加え、社会的信用の失墜という大きな代償を払うことになります。
特にコンプライアンスを重視する取引先が多い業種では、大きな影響を及ぼします。


企業が取るべき具体的対策

では、外国人雇用において、企業はどのような体制を整えるべきなのでしょうか?
以下に、行政書士としての視点から実務的なポイントを解説します。

1. 在留カードとパスポートの確認とコピー保管

外国人を雇用する際は、必ず在留カードとパスポートの提示を求め、そのコピーを保存しましょう。
在留カードには「在留資格」と「有効期限」が明記されており、これが就労可能かどうかの第一判断材料になります。

2. 就労資格証明書の取得

職種によっては、入管に「就労資格証明書」の申請を行い、明確に適法な雇用であることを証明しておくと安全です。
特に転職者や留学生からの採用では、慎重な対応が求められます。

3. 在留資格の更新時期の管理

「在留期限管理表」などを社内で作成し、更新の時期が近づいたら本人に確認する体制を整えておくことが重要です。
更新漏れがあった場合、その時点で就労が違法となるリスクが発生します。

4. 本人任せにしない体制づくり

「本人がちゃんとやってくれるはず」は非常に危険な思い込みです。
文化や制度の違いから、日本の入管制度の細かなルールを理解していない外国人も多くいます。
だからこそ、企業側がサポートできる体制づくりが必要です。

5. 行政書士など専門家との連携

社内だけでの管理に限界を感じている場合は、行政書士など専門家と連携するのがベストです。
在留資格の確認から、更新手続き、制度導入支援まで一貫してサポートが可能です。


外国人雇用の未来と、企業が果たすべき責任

日本の労働人口が減少していく中で、外国人労働者の雇用は避けて通れない現実です。
だからこそ、企業には「適法な雇用環境」を整える責任があります。
それは単に法律を守るためだけでなく、外国人労働者が安心して働ける環境を提供するためでもあります。


まとめ:まずは「現状把握」から始めましょう

今回の事件は、外国人雇用に関わるすべての企業にとって警鐘とも言える出来事です。
在留資格の確認・更新管理・社内体制の整備など、まずはできるところから始めることが大切です。

もし、「今の体制で問題ないか不安」「何から始めたらいいかわからない」という企業様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。
行政書士として、実務に根ざした支援を提供いたします。