はじめに:外国人と飲酒運転、日本での法的な扱いとは?
2024年8月、北海道倶知安町で「自称フランス国籍の男」が、酒酔い状態で自転車を運転し逮捕されました。
呼気からは基準値の約4倍のアルコールが検出され、路上駐車車両に衝突したことで通報・現行犯逮捕に至っています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9b9c8d708961c9c30f2c83e729731c51a99482c
このニュースは一見「軽微な事件」のように映るかもしれませんが、外国人が関与していたことで、在留資格や雇用の継続など、法的にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。
自転車でも飲酒運転で逮捕されるのか?
結論から言えば、日本では「自転車でも飲酒運転は違法」です。
道路交通法第65条により、車両(自転車を含む)を酒気帯びで運転することは禁止されており、「酒酔い運転」は特に悪質とされます。
今回のケースでは、「基準値の4倍のアルコール」が検出されたことで、悪質性が高く、即逮捕となっています。
外国人が飲酒運転した場合、在留資格への影響は?
外国人が日本で法令違反を犯した場合、その内容によっては「在留資格の取消し」や「退去強制」の対象になることがあります。
飲酒運転が一度で直ちに退去処分となるわけではありませんが、以下のようなリスクが考えられます。
- 罰金・起訴歴による在留資格の更新拒否
- 永住申請における不許可の理由
- 行政処分としての「出頭命令」や「収容」
- 社会的信用の喪失による雇用契約の終了
特に、本人の身元が不明確で、通訳を介した対応が必要となるようなケースでは、当局が「逃亡や虚偽申告の恐れあり」と判断する可能性が高く、より厳格な対応がとられることがあります。
雇用主が知っておくべき法的責任と対応義務
企業が外国人を雇用している場合、「私生活での法令違反」は直接的な企業責任とはなりません。
しかし、以下の点で雇用主の姿勢が問われる場面も多くあります。
- 在留資格の要件に関するチェック体制
- 社内規則による飲酒運転の禁止と周知
- 外国人従業員への生活指導(法律教育含む)
- 行政や警察からの照会への適切な協力
また、企業によっては、社用車での事故・飲酒運転の場合、損害賠償責任や安全配慮義務が問われることもあります。
外国人本人がとるべき対応とは?
逮捕後の対応次第では、今後の在留に大きく影響するため、以下の行動が重要です。
- 弁護士または行政書士への速やかな相談
- 誠実な供述と反省の姿勢
- 身元保証人(企業や友人)の確保
- 必要に応じた通訳手配と法的支援の要請
行政書士としては、本人の在留資格や更新予定、過去の違反歴などを精査した上で、適切な陳述書の作成や入管対応を行うことで、在留継続の可能性を探る支援が可能です。
企業として外国人の飲酒問題をどう予防すべきか?
再発防止のために企業が講じるべき対策には、以下のようなものがあります。
- 日本の法律やマナーを含めたオリエンテーションの実施
- 飲酒・交通ルールに関する研修(多言語対応)
- 定期的なヒアリングと生活支援体制の強化
- 社内での情報共有・通報体制の整備
特に、多国籍な従業員が多い職場では、文化的背景の違いを考慮しながら、明文化されたルールを伝える努力が必要です。
まとめ:小さな違反が大きな代償に。事前の教育と体制づくりが鍵
今回の事件は、「たかが自転車での飲酒運転」が、外国人にとっては重大な法的リスクにつながるという事例です。
企業経営者・人事担当者としては、外国人従業員が安心して働けるような法令順守と教育体制の整備が求められます。
また、万が一問題が起きた場合にも、専門家に早期相談することで、本人・企業の双方のリスクを最小限に抑えることが可能です。