ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

今回は、日本に居る外国人方の職務内容や身分が変わったときに行う「在留資格変更許可申請」について解説します。

はじめに:在留資格変更帰化申請とは

まず、出入国在留管理庁のホームページによりますと、「在留資格変更許可申請」とは、「いずれかの在留資格で在留している外国人の方が、在留目的とする活動を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合に、新しい在留資格に変更するために行う申請です」とあります。

現在、日本には29種類の在留資格が法律で様められています。日本に滞在する外国人の方は、その方の「活動内容」や「身分」に応じて、在留資格を取得しなければならず、これは原則として1人1つの在留資格しか取得することができません。よって、最初に入国した際に取得した在留資格で定められた活動以外を行なう場合や、結婚などで身分が変わった場合には、別の資格に変更するための許可を申請しなければならないのです。

いつ、在留資格変更許可申請をすればよいのか?

出入国在留管理庁のホームページによりますと、

在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前  と書かれています。これだけを読むと、その資格の有効期限が切れる前に変更申請をすればよいかと思ってしまいますが、その後の注記として

「本来の在留資格に基づく活動を行っていない場合には、在留資格を取り消される場合があります。」とあります。

これに関しては、2つの規定があるのですが、

・1つ目は、就労や留学など活動系の在留資格を持っている外国人は、その在留資格で定められた活動を3か月以上行っていない場合(正当な理由がある場合を除く)。

これに関しては、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人の方が、仕事を辞めてしまった後、再就職をせず無職のまま3か月以上いる場合や、「留学」の在留資格を持つ方が、学校を中途退学してしまった後、通学をせずにアルバイトのみをしている場合、が例として挙げられます。これらの場合、例えば、就労系の在留資格の方は、転職活動をして新たな仕事に就くことが対処方法として挙げられます。留学生の方であれば、仕事を探して就労系の在留資格に変更するということもできます。また、どちらも日本人と結婚をすることで、「日本人の配偶者等」の在留資格に変更するということも可能です。

・2つ目は、「日本人の配偶者」や「永住者の配偶者」の在留資格を持って滞在している人が、配偶者としての活動を6か月以上行っていない場合(正当な理由がある場合を除く)

これに関しては、日本人や永住者と離婚や死別をしてしまった外国人の方が該当します。このような場合には、「定住者」の在留資格への変更や、仕事に就いて就労系の在留資格に変更するということも対処方法として挙げられます。

上記の2つのケースは、在留資格取り消しの理由になりますので、当初の在留資格に規定された活動範囲以外の仕事や活動を行う場合や、身分の変更があった場合に関しては、早めに在留資格の変更申請を行う必要があります。

だれが、在留資格変更許可申請をできるのか?

この、在留資格変更許可申請の手続きができるのは?

  • 申請人本人
  • 代理人
  • 取次者
  • 地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの・申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
  • 申請人が研修又は教育を受けている機関の職員・外国人が行う技能、技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体
  • 外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの​​​
  • 申請人本人が16歳未満の場合又は疾病その他の事由により自ら出頭することができない場合には、その親族又は同居者若しくはこれに準ずる者で地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの

のいずれかの人が、申請できることになっています。

実務上多いのは、「1.本人」と「3.取次者」ではないかと思われます。つまり、外国人本人が申請しても良いし、勤務している会社の人事担当者が申請をしても良いし、申請取次の資格を持つ行政書士や弁護士に依頼をしても構わない、ということになります。

どこで、「在留資格変更許可」を申請できるのか?

出入国在留管理庁のホームページによりますと、提出先は、「居住地を管轄する地方出入国在留管理官署」と規定されています。つまり、その外国人の方が住んでいる場所を管轄している入国管理局の窓口に書類を提出して申請をすることになります。

在留資格変更許可申請に必要な書類は?

申請の際には、どのような書類を提出したらよいのでしょうか。出入国在留管理庁のホームページには、「在留資格変更許可申請」が必要とされる24の在留資格に関して、提出が必要な書類が書かれています。

全ての在留資格に共通する書類としては、

  • 「在留資格認定証明書交付申請書」 
  • 「写真」 4cm × 3cmで、顔の大きさや余白など細かい規定あり
  • パスポート、在留カード
  • 「簡易書留の送料分の切手を貼った返信用封筒

の4点になります。

それ以外の書類に関しては、それぞれの在留資格によってさまざまなのですが、「外国人の申請人」と「新たな活動内容」もしくは「身分」が、在留資格に規定されている活動内容を行うということの妥当性、信ぴょう性を証明できるような書類を提出することになっています。

例えば、留学生が日本の学校を卒業後就職して、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格への変更を希望する場合には、上記①~④の書類に加えて、

受け入れ機関(雇い入れ企業)の規模や経営状況や事業の安定性を証明する書類として

  • 受け入れ機関のカテゴリーを証明する書類
  • 「源泉徴収票等の法定調書合計表」
  • 受け入れ機関の登記事項証明書
  • 会社案内パンフレット、若しくはホームページの写し
  • 直近年度の決算書の写し
  • 事業計画書

また、申請人である外国人が、在留資格で規定された活動を行う能力や資格があることを証明する書類として

  • 専門学校、短期大学、大学、大学院の卒業証書や学位取得証明書、成績証明書等
  • 実務経験を証明する在職証明書等
  • 雇用契約書や内定通知書
  • 履歴書(学歴や職歴がわかるもの)

等が、出入国在留管理庁のホームページには書かれています。

「留学」や「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ方が、日本人と結婚をして「日本人の配偶者等」の在留資格に変更を希望する場合には、

  • 日本人配偶者の戸籍謄本(外国人の方との婚姻事実の記載があるもの)
    • 外国人出身国が発行した結婚証明書
    • 日本での滞在費用を証明する資料
    • 日本人配偶者からの身元保証書
    • 日本人配偶者の住民票
    • 質問書
    • 夫婦間の交流が確認できる書類(写真・通話記録など)

が必要書類として規定されています。「日本人の配偶者等」の在留資格への変更に関しては、「結婚の信ぴょう性=公式に結婚が成立していて、かつ、実態を伴う本当の結婚なのか」を、様々な書類や資料を提出することで証明することが求められています。

なお、申請書はホームページからダウンロードでき、添付書類に関しては、外国語で記載されているものは、日本語訳を添付する必要があります。この翻訳者に関しては、専門機関の指定はなく、誰がやっても良いことになっています。

これらの提出書類に関しては、ホームページに記載されているのは、申請が受理される最低限度の必要書類となっており、書類提出後、審査の途中で「資料提出通知書」が朱通国在留管理庁から届き、追加の書類提出や、事情を説明するための「理由書」の提出が求められることがあります。

「申請いただいた後に、当局における審査の過程において、上記以外の資料を求める場合もありますので、あらかじめ御承知おき願います。」 ということも、ホームページには書かれています。審査を速やかに進め、早く許可を得るためにも、「資料提出通知書」が届くことはなるべくなら避けたいものです。そのためにも、それぞれの受入機関や申請人の状況や事情によって、在留資格の該当性や信ぴょう性が異なるため、それを補強する任意書類をあらかじめ追加して提出することで、速やかに許可が得られるように、より具体的で丁寧な説明を行なっていくことが大切です。

「在留資格変更許可申請」の手数料は、申請が許可された場合には、4,000円を収入印紙で納付する必要があります。

在留資格変更許可申請が不許可になった場合は?

「在留資格変更許可申請」が不許可になった場合、不服申し立てをすることはできません。しかし、1回だけ、不許可となった理由を出入国在留管理庁の窓口に聞きに行くことができます。この不許可理由を確認した上で対策を行い、再申請を行うことができます。

まとめ

「在留資格変更許可」の申請の流れに関して、出入国在留管理庁のホームページの記載をもとに確認してきましたが、提出書類に関しては、ホームページに記載されている必須提出書類は確実に抑えながら、如何に、申請人が在留資格に適合しているか、新たな在留資格に適合している活動を行うか、といった活動内容変更の信ぴょう性を、追加書類によって具体的かつ明確に証明していくことによって、許可を得るということが重要なポイントになってきます。

行政書士あけやま事務所は、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、就労ビザ取得に関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。