ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。

私は北海道唯一の観光産業とビザ申請に特化した行政書士として、北海道の宿泊業や観光業で働く、外国籍従業員の方の在留許可申請、いわゆる就労ビザの、新規取得や更新手続きのお手伝いを行っています。

今回は、特定技能外国人を採用することができる業種や職種について解説をしていきます。なお、この記事の内容は、2022年11月現在の情報をもとに書かれており、今後、法律や制度改正により変更になる可能性があります。

はじめに

2019年に新たに作られた「特定技能」の在留資格には、受入れ分野、つまり雇用できる産業の分野が法令で定められています。これは、この特定技能の制度が設立された際に、「中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築する」ということが、趣旨となっているためです。よって、どの産業分野や業種でもよいということではなく、「生産性向上や国内人材の確保のための取り組みを行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野」に限定して、この分野の人手不足を解消するために、特定技能外国人を人材として活用していくということです。

受入分野=就業できる分野

では、どのような産業分野で特定技能外国人を採用することができるのでしょうか?出入国在留管理庁のホームページには、現在、以下の12分野で特定技能外国人の受入れ枠を設定しています。また、受入れの見込人数に関しても、政府は分野ごとに目標値(最大値)を設定しています。これは今後、随時拡大されて分野が多くなる見込みです。また、日本社会の経済状況、人手不足の状況によっては、1号2号ともに対象分野も増える可能性があります。

産業分野区分見込人数1号受入人数2号受入人数
介護1種類50,90013,254  
ビルクリーニング1種類20,0001,463  
建設3種類34,00010,5553人
素形材・産業機械・ 電気電子情報関連製造業3種類49,75022,719  
船舶・船用工業6種類11,0003,609 
自動車整備1種類6,5001,412  
航空2種類1,300114  
宿泊1種類11,200182  
農業2種類36,50014,226  
漁業2種類6,3001,331  
飲食料品製造業1種類87,20035,891  
外食業1種類30,5003,946  

  ※見込人数は、5年間の最大値として公表されているもの。

  ※受入人数は、2022年9月出入国在留管理庁発表の速報値から。

  ※現段階で、特定技能2号への移行が完了している方は「建設」分野の3名のみ。

受入区分と職務内容

特定技能外国人を受入れることができるのは12の産業分野が指定されていますが、さらに、従事する業務によって区分が細分化されているものもあります。例えば、「介護」や「宿泊」、「外食業」や「飲食料品製造業」は細分化されていませんが、「船舶・船用工業」は、「溶接」・「塗装」・「鉄工」・「仕上げ」・「電機加工」・「電気機器組立て」の6区分に、「建設」は「土木」・「建築」・「ライフライン・設備」の3つの区分に、「農業」であれば「耕種農業全般」・「畜産農業全般」の2つの区分に分かれています。 そして、それぞれの業務区分ごとに、職務内容(ジョブディスクリプション)が定められています。例えば、「船舶・船用工業」の「溶接区分」では、「従事する主な業務=アーク溶接機や半自動アーク溶接機等を使用し、手作業による溶融溶接を行う。」、そして、「想定される関連業務=読図作業・作業工程管理・検査・機器、装置、工具の保守管理等」、13の業務が指定されています。

技能試験と採用

特定技能外国人として採用されるためには、技能試験に合格していることが条件の一つとなっています。この技能試験は、産業分野ごと行われますが、同じ分野でも業務内容が異なる場合は、さらに細分化された専門の試験を受けることとなります。

例えば、「船舶・船用工業」は、「溶接」・「塗装」・「鉄工」・「仕上げ」・「電機加工」・「電気機器組立て」の6つの業務区分ごとに技能試験がありますが、「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」では、業務区分は3つですが、技能試験は19の職種に細分化され、それぞれ従事する業務によって受験する技能試験は異なります。

それぞれの産業分野で、入社後に従事させたい業務の技能試験に合格した外国人を採用し、職務内容で定められた主な業務と、想定される関連業務を担当することとなります。いったん採用すれば、どのような業務でも担当させられるということではなく、従事できる職務内容は細かく決められておりその範囲内で就業する必要があります。また、同じ産業分野でも別の業務に従事させる場合、技能試験区分が異なる業務の場合には、その試験に新たに合格してからでないと従事させることはできないといった注意点もあります。また、技能実習2号からの移行者以外は、この技能試験以外に、別途日本語能力試験のN4以上の合格が必要となります。

まとめ

特定技能外国人を採用できる職種に関して解説してきました。まずは、12の産業分野と、従事させる業務が職務内容に規定されているものであるかを確認する必要があります。特に、従事する業務に関しては、その範囲を超えてしまうと、在留資格の該当性にかかわる問題、つまり不法就労という重大な法律違反となってしまい、働いている外国人の方だけでなく、雇用していた企業側も罪に問われることになってしまいます。出入国在留管理庁のホームページにも、それぞれの産業分野や区分ごとの職務内容は記載されていますが、詳細や不明点に関しては、それぞれの産業を管轄する諸官庁に確認されることをお勧めいたします。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として働こうとしている、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、特定技能外国人の方の受け入れに関しての条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。