ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

日本で仕事をする外国人の方で、滞在期間が長くなるにつれて結婚をして子供が生まれるなど、生活環境の変化に伴い、このまま日本で生活したいと感じる方もたくさんいらっしゃいます。外国籍の方が、外国籍のままで在留資格の更新など煩雑な手続きをせずに、日本に居住する方法は、「永住」の在留資格を取得するという方法があります。「永住」の在留資格は、一度取得できると永続的に在留できるのはもちろんのこと、日本社会で生活をする上で様々なメリットがありますが、居住要件や素行要件など、他の在留資格に比べると要件が厳しく、そして多くなっています。今回は、高度専門職の在留資格を持っている方が、「永住」への変更ができるかどうか、1分間で素早く簡単に確認できるチェックリストをご紹介します。「永住」に興味のある方、また、いつかは「永住」を取りたいと思っている方は、まずは、このチェックリストで確認してみることをお勧めいたします。

高度専門職から「永住」に変更するための、10の要件チェックリスト

在留資格「永住」の要件は、出入国在留管理庁のホームページや、永住申請の取次を行う行政書士や弁護士のホームページ、永住取得の手引書などで解説されていますが、1分間で確認できるように簡単にまとめると、以下の10項目となります。もちろん、申請される方によって状況や条件は違うので、細かい点をヒアリングが必要になるので、このリストだけで100%正確に大丈夫だろうとは言い切れませんが、この10項目がクリアできていれば、まずは申請の要件を満たしている可能性が高いです。1項目ずつ補足説明をしていきます。

高度専門職ポイント計算表で、70点以上80点未満の基準を3年、80点以上を1年以上満たしている。

→高度専門職の在留資格を取得するためには、ポイント計算表で70点以上取得している必要があります。このポイントの基準を、70~79点の方であれば3年以上、80点以上の方であれば1年以上クリアしていれば、「永住」の申請要件がクリアできます。

年間100日以上、日本から出国した年はない。

1回90日間以上の、日本出国歴がない。

→この2項目に関しては、居住要件となっている1年、若しくは3年の間に、1回でも年間100日以上、若しくは1回あたり90日以上の出国がある場合は、そこで居住年数のカウントが中断してしまいます。その場合は、再入国した時点から新たに居住年数のカウントが始まり、1年、ないしは3年間経過する必要があります。なお、この出国日数制限の目安に関しては、会社の出張命令など自己都合でなく、止むを得ない場合であったと合理的かつ客観的に説明ができる場合は、例外として認められるケースがあります。

懲役・禁固・罰金刑に処されていない。

→高度専門職から永住に申請される方は、比較的在留期間が短い方が多いため、この項目が問題になる方は少ないと思われます。原則として直近10年間で、このような処罰がされているような場合は、永住の申請をしても許可されることは ありません。例外として、懲役・禁固の場合は刑務所を出所してから10年、執行猶予の場合は執行猶予期間が終了してから5年、罰金刑の場合は罰金を支払ってから5年が経過すれば、許可になる可能性があります。

軽微な交通違反が5年間で5回以内、かつ、直近2年間で3回以下である。

→申請時に提出する運転記録証明書は直近5年間の交通違反や処分の履歴が記載されます。これに該当するよう方は、安全運転や法令順守を心掛け、運転記録証明書に記載される違反や処分が5回以内になれば、永住が許可になる可能性があります。

基準年数の間、連続で年収300万円以上、かつ扶養1人につき40万円追加の収入がある。

→高度専門職の方は、特に1号(ロ)と(ハ)の方は、年収が300万円以上ないと、高度専門職の在留資格を取得することが出来ないため、基本としてこの要件が問題になる方は少ないと思われます。しかし、家族や扶養者の数が多いと、その分加算額が多くなりますので、そのような場合には注意が必要です。なお、目安額を下回った年がある場合は、連続のカウントがそこでいったん中断し、年収が回復した年から再度カウントして、1年若しくは3年間が必要となります。

住民税・国民年金・国民健康保険料、すべて納付期限内に支払っている。

→企業など所属機関と契約をして仕事をしている、1号(イ)(ロ)の方は、基本的に会社の給与から天引きされ、支払いが行われているため、この要件が問題になる方は殆どいないと思われます。ご自身が経営者として事業を行っている1号(ハ)の方は、ご自身、そして会社法人、従業員の方の分も含めて、税金・年金・社会保険料に関しては、全て納付期限内に支払いを完了させている必要があります。

暴力団・反社団体メンバーではない。

→このような組織に属している方は、永住の申請が不許可になる可能性が高く、申請前に離脱してかかわりを持たないことをお勧めしています。

現在持っている在留資格の有効期間が3年または5年。

→高度専門職の在留資格は、原則として初回申請で在留期間が5年与えられます。そして3年経過した段階で2号に移行でき、2号の在留期限は無期限になります。このような在留資格の特徴から、高度専門職の方でこの要件が問題になる方は殆どいないはずです。

身元保証人を用意できる

→永住申請の場合、身元保証人を用意することが必須です。高度専門職の方は、最短で来日から1年で永住申請が可能なので、この短期間で身元保証人を引き受けてくれるような方を探し、人間関係を築いておくことが必要です。通常、勤務先の社長や上司が身元保証人になることが多いです。

まとめ

高度専門職から永住を申請する場合の、10の要件チェックリストを見てきました。一般的の外国人の方が永住申請をする際の要件として、クリアすることが難しい「年収300万円以上を5年間連続」に関しては、高度専門職であれば問題なくクリアできているはずです。また、「在留資格の有効期間」に関しても、高度専門職であれば最初から5年間なので問題にはなりません。よって、残り8項目に関して、税金や年金などの支払いや、交通違反をしないなど、日常生活上で、法律や各種ルールを守って生活していれば、難なくクリアできることがほとんどとなります。これら上記10項目に関して、すべてクリアしている方は、永住申請に向けて具体的な準備を始めてもよいと思われます。個別具体的な細かい要件や、ご自身が要件をクリアしているかの判断をしたい方は、在留資格やビザを専門に扱う、申請取次行政書士にご相談ください。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として生きていこうとする、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、永住申請の条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。