ニセコビザ申請サポートセンター代表、申請取次行政書士の明山崇です。北海道で唯一の、ビザ申請と観光業に特化した行政書士として、主に、ニセコ・小樽・札幌市内を中心に北海道で生活する、外国籍の方々の在留許可申請、いわゆる就労ビザや配偶者ビザ等の、新規取得や更新手続きのお手伝いをしています。

日本で仕事をする外国人の方で、滞在期間が長くなるにつれて結婚をして子供が生まれるなど、生活環境の変化に伴い、このまま日本で生活したいと感じる方もたくさんいらっしゃいます。外国籍の方が、外国籍のままで在留資格の更新など煩雑な手続きをせずに、日本に居住する方法は、「永住」の在留資格を取得するという方法があります。「永住」の在留資格は、一度取得できると永続的に在留できるのはもちろんのこと、日本社会で生活をする上で様々なメリットがありますが、居住要件や素行要件など、他の在留資格に比べると要件が厳しく、そして多くなっています。今回は、日本人の配偶者等の在留資格を持っている方が、「永住」への変更ができるかどうか、1分間で素早く簡単に確認できるチェックリストをご紹介します。「永住」に興味のある方、また、いつかは「永住」を取りたいと思っている方は、まずは、このチェックリストで確認してみることをお勧めいたします。

「日本人の配偶者等」から「永住」に変更するための、11の要件チェックリスト

在留資格「永住」の要件は、出入国在留管理庁のホームページや、永住申請の取次を行う行政書士や弁護士のホームページ、永住取得の手引書などで解説されていますが、1分間で確認できるように簡単にまとめると、以下の11項目となります。もちろん、申請される方によって状況や条件は違うので、細かい点をヒアリングが必要になるので、このリストだけで100%正確に大丈夫だろうとは言い切れませんが、この10項目がクリアできていれば、まずは申請の要件を満たしている可能性が高いです。1項目ずつ補足説明をしていきます。

①日本1年以上住んでいる。

②日本人と実態の伴った結婚生活が3年以上続いている。

 →日本人との結婚生活が3年以上続いている人の場合、日本に結婚期間ずっと住んでいる方はもちろん要件を満たすのですが、この3年のうち1年以上日本に住んでいれば、この要件を満たすこととなります。例えば、海外で結婚して2年たった後、夫婦で来日して1年が経過したようなご夫婦の場合、日本居住年数が1年ですが、結婚生活は3年になるため、要件を満たしているということになります。

③年間100日以上、日本から出国した年はない。

④1回90日間以上の、日本出国歴がない。

→この2項目に関しては、居住要件となっている1年、若しくは3年の間に、1回でも年間100日以上、若しくは1回あたり90日以上の出国がある場合は、そこで居住年数のカウントが中断してしまいます。その場合は、再入国した時点から新たに居住年数のカウントが始まり、1年、ないしは3年間経過する必要があります。なお、この出国日数制限の目安に関しては、会社の出張命令など自己都合でなく、止むを得ない場合であったと合理的かつ客観的に説明ができる場合は、例外として認められるケースがあります。

⑤懲役・禁固・罰金刑に処されていない。

→原則として直近10年間で、このような処罰がされているような場合は、永住の申請をしても許可されることは ありません。例外として、懲役・禁固の場合は刑務所を出所してから10年、執行猶予の場合は執行猶予期間が終了してから5年、罰金刑の場合は罰金を支払ってから5年が経過すれば、許可になる可能性があります。 

⑥軽微な交通違反が5年間で5回以内、かつ、直近2年間で3回以下である。

→申請時に提出する運転記録証明書は直近5年間の交通違反や処分の履歴が記載されます。これに該当するよう方は、安全運転や法令順守を心掛け、運転記録証明書に記載される違反や処分が5回以内になれば、永住が許可になる可能性があります。

⑦日本人配偶者の年収が、直近1or3年の間連続して300万円以上、かつ扶養者1人につき40万円程度ある。

→日本人の配偶者の方で扶養に入っている方は、専業主婦だったり、アルバイトで年間100万円程度の収入しかない方もいます。このような方の場合は、日本人の配偶者の方が、永住の指標となる年収をクリアしていれば大丈夫です。ご夫婦のみの2人世帯の場合では、340万程度の収入があれば許可になる可能性が高いです。

⑧住民税・国民年金・国民健康保険料、すべて納付期限内に支払っている。

→これに関しても、配偶者の扶養に入っている場合は、日本人配偶者がきちんと支払いを行っていれば大丈夫です。特に、日本人配偶者が会社勤めをしているような場合は、給与から天引きでご家族分の税金や保険料が支払われていることがほとんどのため、この要件が問題になる方は少ないと思われます。

⑨暴力団・反社団体メンバーではない。

→このような組織に属している方は、永住の申請が不許可になる可能性が高く、申請前に離脱してかかわりを持たないことをお勧めしています。

⑩現在持っている在留資格の有効期間が3年または5年。

→通常、日本人の配偶者等の在留資格を新規に取得した場合の有効期間は1年間です。更新申請で問題がない場合は3年間の有効期間が与えられます。もし、結婚生活が3年以上続いているにもかかわらず、有効期限が1年間のままの方の場合は、そのご夫婦(家族)に何らかの問題があり、審査上不利益に働くことがあることが想定されます。

⑪身元保証人を用意できる。

→永住申請の場合、身元保証人を用意することが必須です。日本人の配偶者等の在留資格を持つ方の場合は、日本人の配偶者の方が身元保証人になることがほとんどです。ご夫婦なので、よほど特別な事情がない限りは断る理由もないと思われます。

まとめ

「日本人の配偶者等」の在留資格から永住を申請する場合の、11の要件チェックリストを見てきました。一般的の外国人の方が永住申請をする際の要件として、クリアすることが難しい居住要件も最短1年間に短縮することができ、生計要件も、申請人単独ではなく日本人配偶者がクリアしていればよいということになっています。日本人の配偶者がいるので、身元保証人探しや依頼をする必要のないケースがほとんどのようです。よって、残り8項目に関して、税金や年金などの支払いや、交通違反をしないなど、日常生活上で、法律や各種ルールを守って生活していれば、難なくクリアできることがほとんどとなります。

なお、今まで「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ方と記載してきましたが、日本人の配偶者と正式な結婚をしている方であれば、在留資格は何でも構いません。例えば、フルタイムで働いていて「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っていても、日本で正式に入籍手続きを行っていれば、一般の外国人扱いではなく、日本人の配偶者として上記の11項目の要件が適用されます。

これら上記11項目に関して、すべてクリアしている方は、永住申請に向けて具体的な準備を始めてもよいと思われます。個別具体的な細かい要件や、ご自身が要件をクリアしているかの判断をしたい方は、在留資格やビザを専門に扱う、申請取次行政書士にご相談ください。

ニセコビザ申請サポートセンターは、言葉や文化、そして国境の壁を乗り越えて、日本社会の一員として生きていこうとする、外国人の方々を全力で応援し、サポートします。この記事に関するご質問、お問い合わせや、永住申請の条件面、手続き面に関するお問い合わせは、お電話か、ホームページの「無料相談フォーム」からお気軽にお問合せください。