■ はじめに:在留管理の新時代到来
2026年6月12日、平口洋法務大臣が記者会見で重要な発表を行いました。在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の運用を、6月14日から開始するというものです。
この新制度は、日本に在留する外国人の方々、そしてその方々を雇用する企業にとって、利便性と効率性を大幅に向上させる画期的な改革です。本記事では、行政書士・ビザ申請の専門家の視点から、特定在留カードの詳細、メリット、申請方法、そして実務上の注意点まで、徹底的に解説します。
■ 特定在留カードとは?基本を理解する
特定在留カードとは、これまで別々に管理されていた「在留カード」と「マイナンバーカード」を一体化した新しいカードです。
【従来の仕組み】
在留外国人は、在留資格を証明する「在留カード」と、社会保障や税務などで必要な「マイナンバーカード」の2枚を所持していました。在留期間の更新など在留資格に関する手続きを出入国在留管理局で行った後、マイナンバーカードの情報更新のために市区町村の窓口にも足を運ぶ必要がありました。
【新しい仕組み】
特定在留カードでは、出入国在留管理局での手続きのみで、在留資格とマイナンバーの両方の情報を一元的に更新できます。これにより、二度手間が解消され、時間的・経済的コストが大幅に削減されます。
■ 特定在留カードのメリット – なぜ今、一体化なのか
平口法務大臣は会見で「各手続きの一元的な処理を可能とし、外国人の利便性向上と行政運営の効率化を図ることができる」と述べています。具体的なメリットを見ていきましょう。
【1. 手続きの簡素化】
最大のメリットは、手続き窓口が一本化されることです。これまで2か所で行っていた手続きが、出入国在留管理局だけで完結します。特に平日の日中に仕事をしている方にとって、複数の役所を回る負担は大きなものでした。
【2. 時間とコストの削減】
窓口への移動時間、待ち時間、交通費などが削減されます。特に遠方にお住まいの方や、仕事で忙しい方にとっては大きなメリットです。
【3. カード管理の効率化】
2枚のカードを1枚で管理できるため、紛失リスクも半減します。また、更新タイミングも一元化されるため、管理がシンプルになります。
【4. 行政サービスへのアクセス向上】
マイナンバーカードの機能も統合されているため、オンライン行政サービス(マイナポータルなど)へのアクセスもスムーズになります。
【5. 企業側のメリット】
外国人を雇用する企業にとっても、社員の行政手続きにかかる時間が削減されることで、業務効率が向上します。また、在留資格管理とマイナンバー管理が一元化されることで、コンプライアンス面でもメリットがあります。
■ 申請方法と受付開始日 – いつ、どこで、どうやって?
【申請対象者】
・日本に在留する外国人
・既にマイナンバーカードを所持している方
・在留資格を有する方
【申請開始日】
・休日開庁している自治体:2026年6月14日(日)〜
・地方出入国在留管理局:2026年6月15日(月)〜
【申請方法】
在留期間の更新手続きなどで出入国在留管理局を訪れる際に、特定在留カードの交付申請を行うことができます。申請は任意であり、強制ではありません。
【必要書類(想定)】
具体的な必要書類は各管理局で確認が必要ですが、一般的には以下が想定されます:
- 現在の在留カード
- 現在のマイナンバーカード
- パスポート
- 申請書(窓口で配布)
- 写真(規定サイズ)
■ よくある質問 – 疑問を解消
【Q1. 必ず切り替えなければいけませんか?】
A. いいえ、申請は任意です。現在の在留カードとマイナンバーカードを引き続き使用することも可能です。
【Q2. 既に持っている在留カードとマイナンバーカードはどうなりますか?】
A. 特定在留カードの交付時に返納することになると考えられます。詳細は申請時に確認してください。
【Q3. 費用はかかりますか?】
A. 公式発表では明示されていませんが、従来の在留カード更新と同様の手数料体系になると予想されます。
【Q4. どのタイミングで申請するのがベストですか?】
A. 在留期間の更新や在留資格変更など、出入国在留管理局で手続きを行うタイミングが効率的です。
【Q5. 家族も一緒に申請できますか?】
A. はい、それぞれが要件を満たしていれば、家族全員での申請も可能です。
■ 実務上の注意点 – 専門家からのアドバイス
【タイミングの選択】
在留期間の更新が近い方は、更新手続きと同時に特定在留カードへの切り替えを検討すると効率的です。逆に、更新までまだ時間がある方は、急いで切り替える必要はありません。
【企業の対応】
外国人を雇用する企業は、人事担当者から社員へこの情報を周知することをお勧めします。特に、在留期間管理を行っている部署では、新制度について理解しておくことが重要です。
【記録の保管】
申請時には受付番号や申請日の記録をしっかり保管しましょう。カードの交付までには一定の期間がかかる可能性があります。
■ 今後の展望 – デジタル化する在留管理
特定在留カードの導入は、日本の在留管理がデジタル化に向けて大きく前進したことを意味します。今後、以下のような展開が期待されます:
【1. オンライン申請の拡充】
在留資格関連の手続きがさらにオンライン化される可能性があります。
【2. 他の行政サービスとの連携】
マイナンバーカード機能を活用した、より多くの行政サービスへのアクセスが可能になるでしょう。
【3. 国際的な相互運用】
将来的には、国際的なデジタルID基盤との連携も視野に入っています。
■ 企業が今すぐできること – 人事担当者向けチェックリスト
□ 外国人社員へ新制度について情報提供
□ 在留期間更新予定者のリスト作成
□ 社内説明会や資料配布の実施
□ 最寄りの出入国在留管理局の情報確認
□ 就業規則等での取り扱い確認
□ 総務・人事部門での情報共有
■ 専門家のサポート – いつでもご相談ください
在留資格やビザ申請は専門的な知識が必要な分野です。特定在留カードの申請についても、個々の状況によって最適なタイミングや方法が異なります。
・在留期間更新と同時に申請すべきか?
・必要書類は何か?
・申請が却下されるリスクはないか?
・会社としてどうサポートすべきか?
こうした疑問や不安がある場合は、ビザ申請専門の行政書士にご相談ください。個別の状況に応じた最適なアドバイスを提供いたします。
■ まとめ – より便利に、よりスムーズに
特定在留カードの運用開始は、日本で生活し、働く外国人の皆様にとって、大きな利便性向上をもたらす制度改正です。申請は任意ですが、そのメリットは明確です:
✓ 手続きが一か所で完結
✓ 時間とコストの削減
✓ カード管理の簡素化
✓ 行政サービスへのアクセス向上
在留期間の更新など、出入国在留管理局での手続きの機会に、ぜひ特定在留カードへの切り替えを検討してみてください。
日本での生活がより快適に、よりスムーズになる一歩として、この新制度を活用していただければと思います。
【参考】
Yahoo!ニュース:https://news.yahoo.co.jp/articles/36440bc826c3c1df8e3a0c96f1b7436131f5fdaf
本記事は2026年6月12日時点の情報に基づいています。最新情報や個別のケースについては、出入国在留管理局または専門の行政書士にご確認ください。
