札幌市が、特定技能制度を活用し、ベトナム人材を路線バス運転手として育成する方針を打ち出したというニュースが話題になっています。
背景にあるのは、深刻なバス運転手不足です。
現在、札幌市内の路線バス運転手の約7割が50〜60代。
このままでは、10年後には大半の運転手が引退してしまう可能性があると言われています。
さらに、札幌市内の路線バスはここ7年で約3分の2に減少。
これは単なる「交通業界の問題」ではありません。
高齢者の移動、
学生の通学、
通勤インフラ、
地域経済――
つまり、“都市機能そのもの”の問題です。
そして私は、このニュースは北海道企業全体に対する警鐘だと考えています。
なぜなら今、日本は、
「外国人材なしでは社会が維持できない時代」
へ確実に入り始めているからです。
私自身、札幌の交通事情の変化を実感してきた
私は2013年に転勤で札幌へ来ました。
当時、家探しをしていた際、不動産会社から、
「ここはバス停まで徒歩1分ですよ」
と言われ、
「便利そうだな」と思い契約しました。
しかし、実際に住み始めてみると、バスは1時間に数本程度。
以前住んでいた東京では、10分に1本ほど来る感覚だったため、かなり驚いたことを覚えています。
そしてもう一つ印象的だったのは、利用者層です。
高齢者、学生―札幌では、バスは単なる交通手段ではなく、“生活そのもの”を支えるインフラでした。
それから10年以上が経ちました。
現在は独立し、以前ほど公共交通機関を使わなくなりましたが、最近たまたまバスを利用した際、
「明らかに本数が減っている」
と感じました。
ニュースでは「7年で3分の2に減少」とありましたが、現場レベルでそれを体感しています。
札幌市内の交通事情は、この10年で確実に厳しくなっています。
私の自宅は、最寄りの地下鉄駅から徒歩20分。この状況がどんどん進んでいくと、自分が運転免許を返納するだろう、20年後は、この場所には住めないんじゃないか、っていう危機感を感じざるを得ない状況です。
これは“交通業界だけ”の問題ではない
重要なのはここです。
今回のニュースを、「バス会社の人手不足の話」で終わらせてはいけません。
実際には、
- 建設業
- 運送業
- 介護業
- 宿泊業
- 飲食業
- 農業
- 食品製造業
など、北海道企業の多くが同じ問題に直面しています。
つまり、「日本人採用だけでは人材確保が難しい」という時代です。
特に北海道は、
- 少子高齢化
- 若年層流出
- 地方人口減少
が全国でも特に進んでいます。これは今後さらに深刻化します。
つまり、外国人雇用は“選択肢”ではなく“経営インフラ”になるということです。
外国人雇用で失敗する企業の共通点
しかしここで、多くの企業が勘違いをしています。
それは、「外国人を採用すれば人手不足が解決する」と思っていることです。
実際には、そんなに単純ではありません。
最近、当事務所でも非常に増えているのが、
- 紹介会社に任せきり
- 制度理解不足
- 在留資格の選定ミス
- 監査リスク
- 早期離職
- コミュニケーション問題
などの相談です。
特に特定技能制度は、“採用して終わり”ではありません。むしろ、そこからがスタートです。
特定技能制度で企業に求められること
今後、外国人雇用で成功する企業に必要なのは、
「採用力」ではなく、
“定着力”です。
例えば、
- 日本語支援
- 生活支援
- 相談体制
- キャリア形成
- 地域との共生
- 社内コミュニケーション
こうした体制整備が非常に重要になります。
実際、外国人材が長く定着している企業には共通点があります。
それは、
「労働力」としてではなく、
「組織の仲間」として迎えていることです。
逆に、
「とりあえず人が足りないから採る」
という企業ほど、離職率が高く、トラブルも多い傾向があります。
行政書士として感じる“危機感”
私は行政書士として、多くの外国人雇用相談を受けています。
その中で強く感じるのは、
制度理解のないまま外国人採用に進む企業が非常に多い
ということです。
例えば、
- 特定技能と技能実習の違いが分からない
- 登録支援機関に丸投げしている
- 監査対応を理解していない
- 在留資格更新リスクを把握していない
こうした企業は少なくありません。
しかし、これからは、
外国人雇用に失敗すること自体が経営リスクになります。
なぜなら、人手不足がさらに深刻化するからです。
今後は、
「外国人採用をしているか」
ではなく、
「外国人材が定着しているか」
が企業競争力になります。
北海道企業は今、転換点にいる
札幌市が外国人バス運転手を育成する。
これは象徴的な出来事です。
つまり、
“外国人材が地域インフラを支える時代”
が始まったということです。
数年後には、
外国人スタッフがいることが普通
ではなく、
外国人材がいなければ会社が回らない
という状態になるでしょう。
そして実際、すでにその段階に入り始めている業界もあります。
今後、企業が本当に準備すべきこと
これから企業に必要なのは、
「外国人を採用すること」
ではありません。
本当に重要なのは、
- 制度理解
- 受入れ設計
- コンプライアンス
- 定着支援
- 社内体制整備
です。
つまり、
“外国人雇用を経営戦略として設計できるか”
が重要になります。
ここを間違えると、
- 採用コストだけ増える
- 離職が続く
- 監査リスクが高まる
- 現場が疲弊する
という悪循環になります。
当事務所が重視していること
当事務所では、単なるビザ申請代行だけではなく、
- 特定技能制度導入支援
- 外国人雇用コンサルティング
- 監査リスク対策
- 受入れ体制構築
- 定着支援アドバイス
まで含めて対応しております。
最近では、
「紹介会社に任せきりで不安」
「制度が複雑すぎて分からない」
「監査が怖い」
「長く働いてもらえる仕組みを作りたい」
というご相談が急増しています。
外国人雇用は、
“とりあえず始める”
時代ではありません。
“設計して始める”
時代です。
まとめ|外国人雇用は、もはや経営そのもの
札幌のバス減便。
これは単なる交通ニュースではありません。
人口減少社会の現実です。
そして、その解決策の一つとして、
外国人材が社会インフラを支える時代が始まっています。
しかし、制度理解のないまま外国人雇用を進める企業は、今後ますます厳しくなるでしょう。
逆に、
- 早く準備を始める企業
- 定着を重視する企業
- 外国人材を組織の仲間として迎える企業
は、人材確保競争で大きな優位性を持つことになります。
北海道・札幌で外国人雇用をご検討中の企業様、
特定技能制度導入をご検討中の企業様は、お早めにご相談ください。
5年後、
10年後、
“採用できる企業”
と
“採用できない企業”
の差は、今よりはるかに大きくなっています。
参考記事はこちら
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb7093bf972d32353f85b0b3d21fdb9850156def
