2026年5月、群馬県警は、在留カードを偽造した疑いでベトナム国籍の男3人を逮捕したと発表しました。

報道によれば、容疑者らはパソコンやプラスチックカードを使用し、在留カードを偽造していた疑いがあり、組織的な密売の可能性もあるとされています。

このニュースを見て、

「怖い事件だな」
「外国人雇用って大丈夫なのか?」

と感じた企業経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、この問題は単なる“外国人犯罪ニュース”として片付けてはいけません。

実は、在留カード偽造は、外国人本人だけでなく、採用した企業側にも重大な法的リスクが発生する問題です。

場合によっては、

・不法就労助長罪
・企業名公表
・行政指導
・取引停止
・信用失墜

といった深刻な事態に発展します。

今回は行政書士の立場から、

・在留カード偽造事件の背景
・企業が負うリスク
・偽造カードの見抜き方
・絶対に行うべき採用対策
・専門家を活用する重要性

について詳しく解説します。

なぜ在留カード偽造事件が増えているのか

近年、日本では深刻な人手不足を背景に、外国人雇用が急増しています。

特に、

・建設業
・製造業
・介護業
・物流業
・飲食業

では外国人労働者なしでは現場が回らない状況になっています。

一方で、就労できる在留資格には厳しい制限があります。

例えば、

・留学生は週28時間まで
・観光ビザでは就労不可
・特定技能には業種制限あり

など、細かいルールが存在します。

しかし、現場では、

「人が足りない」
「すぐ働ける人が欲しい」
「紹介会社に任せているから大丈夫」

という状況が先行し、在留資格確認が形式的になっている企業も少なくありません。

そこに入り込むのが、今回のような偽造在留カードです。

最近の偽造カードは非常に精巧です。

一見しただけでは、一般企業が見抜くのは困難なケースも増えています。

つまり、企業側も「知らなかった」では済まされない時代になっているのです。

在留カードを確認しなかった企業はどうなる?

ここで最も重要なのが、「不法就労助長罪」です。

入管法では、不法就労であると知りながら外国人を働かせた場合だけでなく、“確認不足”でも処罰対象になる可能性があります。

例えば、

・在留カードを確認していない
・有効期限切れに気付かなかった
・資格外活動制限を確認していない
・コピーだけ保管していた
・本人確認をしていない

このようなケースでも、企業責任を問われることがあります。

罰則は非常に重く、

「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」

が科される可能性があります。

さらに恐ろしいのは、刑事罰だけではありません。

企業名が報道されれば、

・採用活動への悪影響
・取引先からの信用低下
・SNS炎上
・監督官庁からの調査

など、経営そのものに大きなダメージを与えます。

実際、近年は「外国人雇用管理」が甘い企業への世間の目は非常に厳しくなっています。

偽造在留カードはどう見抜くのか

企業担当者から非常に多い相談が、

「本物かどうか分からない」

というものです。

確かに最近の偽造カードは巧妙です。

しかし、最低限確認すべきポイントがあります。

1. 在留カード番号失効情報照会を利用する

出入国在留管理庁は、在留カード番号の失効情報を確認できるサービスを提供しています。

カード番号が失効扱いになっていないかを確認するだけでも、大きなリスク回避になります。

2. 写真と本人が一致しているか

意外に多いのが「他人名義カード」の使用です。

マスク姿やオンライン面接だけで採用を決めるのは非常に危険です。

3. 在留資格と仕事内容が一致しているか

例えば、

・技術・人文知識・国際業務
・特定技能
・留学
・家族滞在

など、資格によって就労可能範囲が異なります。

「働ける外国人」ではなく、

“その業務で働ける外国人か”

を確認しなければなりません。

4. 有効期限確認

有効期限切れは非常に多いトラブルです。

採用時だけでなく、更新管理も必要です。

「紹介会社が大丈夫と言った」は通用しない

企業側から非常によく聞くのが、

「派遣会社が確認済みと言っていた」
「監理団体が大丈夫と言った」
「知人紹介だった」

という言葉です。

しかし、法律上の責任は、実際に雇用した企業側にも発生します。

つまり、

「知らなかった」
「任せていた」

では済まされません。

特に近年は、外国人雇用ビジネスが急増しており、中には杜撰な管理を行う業者も存在します。

だからこそ、企業自身が正しい知識を持つ必要があるのです。

行政書士を活用する企業ほどトラブルを回避している

ここで重要なのが、外国人雇用を“専門家管理”に切り替えることです。

実際、外国人雇用で安定運用している企業ほど、行政書士と連携しています。

なぜなら、入管業務は非常に複雑だからです。

例えば、

・在留資格判断
・就労可否確認
・更新期限管理
・資格変更
・特定技能支援
・不法就労リスク管理

これらを通常業務と並行して管理するのは、現場担当者だけでは限界があります。

特に中小企業では、

「人事担当者が片手間で管理している」

ケースも珍しくありません。

しかし、それでは事故が起きます。

外国人雇用は、“採用できれば終わり”ではありません。

むしろ、採用後の管理体制こそ重要なのです。

私たち行政書士が企業に提供している支援

当事務所では、

・外国人採用前チェック
・在留資格診断
・就労可否確認
・在留期限管理
・特定技能導入支援
・監査対策
・入管対応
・不法就労防止体制構築

まで一括でサポートしています。

最近では、

「以前は自社管理していたが怖くなった」
「監査対応に限界を感じた」
「採用人数増加で管理できなくなった」

という相談が急増しています。

特に今回のような偽造事件報道後は、多くの企業が不安を感じています。

しかし、逆に言えば、今しっかり体制整備を行う企業は、今後の外国人採用競争で大きな優位性を持ちます。

適正な外国人雇用を行う企業は、外国人本人からも選ばれるからです。

まとめ|外国人雇用は「確認不足」が最大リスク

今回の在留カード偽造事件は、決して他人事ではありません。

今後、日本ではさらに外国人労働者が増加します。

その一方で、

・偽造カード
・不法就労
・名義貸し
・違法ブローカー

などの問題も増えていく可能性があります。

だからこそ企業には、

「採用する責任」

だけでなく、

「適正に管理する責任」

が求められています。

そして、その責任を現場任せにしてはいけません。

外国人雇用は、専門知識なしで対応できるほど簡単ではない時代になっています。

もし、

「現在の管理体制に不安がある」
「この外国人を採用して大丈夫か確認したい」
「特定技能制度を導入したい」
「監査対応を強化したい」

という場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

問題が起きてからでは遅いのです。

適正な外国人雇用は、企業を守り、外国人本人を守り、日本社会全体を守ることにつながります。