2026年5月29日、愛知県刈谷市で風俗営業の許可を得ずにフィリピンパブを営業していたとして、フィリピン国籍の女性を含む3名が逮捕されました。この事件は、6年半にわたる無許可営業で約2億円の売上を上げていたという、極めて悪質な事例です。

この事件をきっかけに、外国人を雇用する企業の経営者や人事担当者、そして在日外国人の皆様に改めて知っていただきたい、風俗営業法と在留資格の関係について詳しく解説します。


1. 事件の概要

愛知県刈谷市相生町で営業していたフィリピンパブDの経営者ら3名が、風俗営業法違反の疑いで逮捕されました。

容疑内容は以下の通りです。

  • 風俗営業の許可を得ずに営業
  • 女性従業員に客の接待をさせた
  • 愛知県の条例で風俗営業が禁止されているエリアでの営業
  • 2025年11月から違法営業に関する情報提供が相次いでいた

この店舗は6年半にわたって営業を続け、売上は約2億円に上っていたとのことです。

参考記事:
https://news.yahoo.co.jp/articles/67bf0bcb7fdc87475d13890ac18082b0da1e7a9d


2. 風俗営業法とは何か

風俗営業の定義

「風俗営業」とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)で定められた営業形態のことです。具体的には以下のような業種が該当します。

  • キャバクラ、ホストクラブ
  • フィリピンパブなどの接待飲食店
  • パチンコ店、ゲームセンター
  • 麻雀店、カラオケボックス(接待を伴う場合)

許可取得の義務

これらの営業を行う場合、都道府県公安委員会から風俗営業の許可を取得することが法律で義務付けられています。許可を得ずに営業した場合、風営法違反として刑事罰の対象となります。

営業禁止区域の存在

さらに、各都道府県の条例により、学校や病院、住宅地の近くなど、風俗営業が禁止されている区域が設定されています。今回の刈谷市の事件でも、営業禁止エリアでの営業が問題となりました。


3. 外国人が風俗営業で働くための条件

ここからが、在日外国人と雇用主にとって非常に重要なポイントです。

働けるのは「身分系在留資格」のみ

風俗営業に従事できる外国人は、以下の「身分系在留資格」を持つ方に限定されています。

  1. 日本人の配偶者等
  • 日本人と結婚している外国人
  • 日本人の実子または特別養子
  1. 永住者
  • 永住許可を得た外国人
  1. 定住者
  • 日系人、難民認定者など

これらの在留資格は、就労に制限がないため、風俗営業でも就労が可能です。

資格外活動許可では働けない

留学生や家族滞在の方が取得する「資格外活動許可」では、風俗営業に関連する店舗で働くことは一切できません。

たとえ週28時間以内のアルバイトであっても、風俗営業関連の仕事は禁止されています。

パチンコ店・ゲームセンターも対象

意外と知られていないのが、パチンコ店やゲームセンターも風営法の対象施設であるという点です。

これらの店舗も風俗営業に該当するため、資格外活動許可ではアルバイトすることができません。留学生が安易にパチンコ店でバイトをすると、不法就労となり、在留資格取り消しのリスクがあります。


4. 不法就労のリスク

外国人本人のリスク

不法就労が発覚した場合、外国人本人には以下のリスクがあります。

  • 在留資格の取り消し
  • 退去強制(強制送還)
  • 再入国の拒否
  • 罰金または懲役

一度退去強制になると、原則として5年間は日本への再入国ができなくなります。

雇用主のリスク

雇用主にも重大な責任が問われます。

  • 不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)
  • 風営法違反による営業停止・許可取り消し
  • 企業の社会的信用の失墜
  • 取引先との関係悪化

「知らなかった」では済まされません。雇用主には、外国人の在留カードを確認し、就労可能な業種であるかを確認する義務があります。


5. 企業が取るべき対策

採用時の在留カード確認

外国人を採用する際には、必ず在留カードを確認し、以下の点をチェックしてください。

  • 在留資格の種類
  • 在留期限
  • 就労制限の有無

就労可能業務の精査

在留資格ごとに就労可能な業務が異なります。特に風俗営業に関連する業種では、身分系在留資格以外は就労できないことを理解しておく必要があります。

定期的なコンプライアンスチェック

採用時だけでなく、在留期限の更新や在留資格の変更がないか、定期的に確認することが重要です。

専門家への相談

不安がある場合は、行政書士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。


6. 在日外国人の方へのアドバイス

アルバイト先の業種を必ず確認

留学生や家族滞在の方は、アルバイトを始める前に、その店舗が風俗営業に該当しないか必ず確認してください。

  • 接待を伴う飲食店
  • パチンコ店
  • ゲームセンター
  • キャバクラ、ホストクラブ

これらの業種は、資格外活動許可では働けません。

在留カードの内容を理解する

自分の在留資格で何ができるのか、何ができないのかを正確に理解することが重要です。不明な点があれば、行政書士や入管に相談しましょう。

不法就労のリスクを知る

「少しだけなら大丈夫」「バレないだろう」という軽い気持ちで不法就労をすると、在留資格を失い、日本での生活が一瞬で崩れることになります。


7. 行政書士ができるサポート

私たち行政書士は、在留資格申請の専門家として、以下のようなサポートを提供しています。

在留資格の申請・更新

  • 就労ビザの取得
  • 在留期間更新許可申請
  • 在留資格変更許可申請

企業の外国人雇用コンプライアンス

  • 雇用可能な在留資格の確認
  • 雇用契約書のチェック
  • 定期的なコンプライアンス研修

個別相談

  • 「この業種で働けるか」
  • 「在留資格を変更したい」
  • 「家族を日本に呼びたい」

など、あらゆるご相談に対応しています。


8. まとめ

今回の刈谷市フィリピンパブ無許可営業事件は、風俗営業法と在留資格の理解不足がもたらす深刻な結果を示しています。

企業の経営者・人事担当者の皆様へ
外国人雇用には、法的な責任とリスクが伴います。適切な在留資格の確認、コンプライアンス体制の構築が不可欠です。

在日外国人の皆様へ
自分の在留資格で何ができるのかを正確に理解し、不法就労のリスクを避けることが、日本での安定した生活を守る鍵です。

少しでも不安や疑問があれば、専門家にご相談ください。適法で安心できる雇用・就労環境を一緒に作りましょう。


参考記事:
https://news.yahoo.co.jp/articles/67bf0bcb7fdc87475d13890ac18082b0da1e7a9d

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